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ジュエリー戦士Shining Guardians  作者: 岩下穂乃香
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15章 癒しと創造の戦士、シャイニーアメジスト誕生

15章 癒しと創造の戦士、シャイニーアメジスト誕生


 思ったよりも呆気なく、ダークアメジストが元の姿に戻ってしまったことに、大魔王は憤慨した。

「ゴングル! おるか?」

大魔王の声で、ゴングルは目を覚ます。

「お呼びでしょうか? 大魔王様」

髪をたらし深々と礼をするゴングルに対し、大魔王は司令を出した。

「倒されたフェアーの次は、お前が人々から心の輝きを奪い、忌々しい戦士を倒すのだ!」

大魔王の言葉を受けて、ゴングルは出撃した。


 夢ちゃんは、いつも通りイベントや、テレビ番組に出始めた。今、夢ちゃんがダークアメジストだったことをどう思っているか愛華には分からない。でも、愛華には夢ちゃんの様子が少しテレビでも何か悩んでいるような風に感じた。


 クォーツによって、愛華の家に3人が集められる。

「いよいよ、夢が本当に戦士として覚醒すれば、ジュエリー王国の伝説の戦士、Shining Guardiansは全員揃うクク。戦士が4人揃えば、1番大きな力を出すことができるクク」

クォーツが愛華たちに言う。

「けれど村嶋さん、戦士として戦ってくれるかしら? もしかしたら、ドンケル王国のせいで戦うことにトラウマを持っている可能性もあるわ」

優美さんがクォーツに言った。それに

「とりあえず、夢ちゃんの行動を気にかけた方がいいよね。次、ドンケル王国が出たとき何か行動起こすかも」

と希実が、クォーツだけでなく愛華や優美さんにも言う。

「そうだね」

愛華は納得して答え、クォーツもそれで納得してくれた。


 次の日の昼休み、愛華たちは203の教室に行ってみるが、夢ちゃんの姿を確認することはできなかった。そして放課後、もう一度愛華たちは203の教室に向かう。夢ちゃんは教室におり、それ以外の人は教室にいなかった。愛華が夢ちゃんに話しかけようとしたそのとき、ベランダに少し髪が長く漆黒の服に身を包んだ男性が現れた。

「俺の名前は、ゴングル。フェアーに代わって、お前たちを倒しにきた」

男はそう言うと、愛華たちの方に襲い掛かろうとしてくる。この前フェアーを倒したばかりなのにもう新たな敵が現れたようだ。クォーツが今まで隠れていた鞄から出てきて、変身を促す。

「ルビーパワーチャージ、シャイニング・フォルティッシモ」

「トパーズパワーチャージ、シャイニング・フォルティッシモ」

「サファイアパワーチャージ、シャイニング・フォルティッシモ」

「炎と愛の戦士、シャイニールビー」

「光と希望の戦士、シャイニートパーズ」

「水と誠実の戦士、シャイニーサファイア」

ルビーたちは3人でゴングルに立ち向かうが、フェアーよりもさらに高い攻撃力に苦しめられる。そのとき突然夢ちゃんがルビーたちの前に現れ、クォーツに近づく。そして

「私、自分の力をちゃんと正しいことに使いたい。私も、3人みたいに変身してたくさんの人たちを助けられる人になりたい」

と、クォーツに言う。そのとき、夢ちゃんの体が紫色の光に包み込まれた。クォーツは夢ちゃんに紫のコンパクトを渡し、

「それを使って、アメジストパワーチャージ、シャイニング・フォルティッシモと叫んで、変身するクク」

と言う。その言葉に夢ちゃんは頷いた。

「アメジストパワーチャージ、シャイニング・フォルティッシモ」

夢ちゃんの紫がかったツインテールヘアが明るい紫色のウェーブがかかったボリュームたっぷりのツインテールに変わり、衣装も制服から肩出しの薄紫色のパフスリーブの袖で胸元には中心にアメジストのついた濃いめの紫色のリボン、レースがふんだんにあしらわれたショート丈の薄紫色のワンピース型の衣装、靴下とローファーはリボンのついた紫色のショートブーツに変化する。

「癒しと創造の戦士、シャイニーアメジスト」

「これが、私の本当の力なのね」

夢ちゃんは嬉しさと驚き両方に取れる表情で、自分の衣装を見つめている。

「闇に再び引きずり込むのは不可能だったか…」

ゴングルはそう言って去り、トイフルを出してきた。トイフルがアメジストに襲い掛かってくる。フェアーの出すトイフルよりも強そうだ。クォーツが

「力を込めて、アメジスト・イマジネーションと言って、トイフルに攻撃するクク。」

とアメジストに言う。

「分かった。やってみるよ。」

アメジストはそう言い、コンパクトに力を込め始める。

「アメジスト・イマジネーション」

アメジストの攻撃で、あたりに霧が現れてトイフルが苦しんでいるように見える。ルビー、トパーズ、サファイアはシャイニング・ステッキを出し、

「シャイン・ヒーリング」

でトイフルは完全に浄化される。愛華たちは、4人協力して戦うことをクォーツに誓った。

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