11章 戦士の苦悩!闇の戦士ダークアメジスト登場
11章 戦士の苦悩!闇の戦士ダークアメジスト登場
「大魔王様、覚醒していない戦士を連れてきました」
フェアーは、大魔王に言った。
「よくやった。しかし、俺も考えを変えた。ただ殺すだけではもったいない。彼女に闇の力を与えて、ルビーなどの他の戦士を殺させるのだ。ルビーたちのことでは、彼女に攻撃することなどできまい」
そう言って、大魔王は呪文を唱えた。夢は抵抗しようとするが、フェアーに押さえつけられ、大魔王の闇の力を植え付けられる。
「闇の戦士、ダークアメジスト」
夢は洗脳され、フェアーとともに地球へと向かった。
あれから夢ちゃんは、学校に来てない。愛華は、夢ちゃんを助けたいけど何もできない自分がもどかしかった。そして日曜日、愛華は近くにあるショッピングモール、ラルゴモールで夢ちゃんのミニライブが行われることを、昼休みに希実と話しているときに言われて知った。
「夢ちゃんが来るかは分からないけど、夢ちゃんを助ける方法が見つかるかもしれない。優美さんも一緒に3人で行ってみようよ」
希実は愛華に提案する。
「そうだね。行ってみよう」
愛華は希実にそう答えた。その後、優美さんを誘いに行き、日曜日3人でラルゴモールに行けることになった。
そして日曜日、3人でラルゴモールに着くと、もうイベントは始まっていた。しかし、様子がなにかおかしい。ステージに近づくと、見ているお客さん全員、心の輝きを奪われて倒れていた。ステージを見ると、そこには夢ちゃんとフェアーがいる。夢ちゃんは、愛華たちを見つけると姿が変わり、
「闇の戦士、ダークアメジスト」
と名乗る。予想外の展開に愛華たちは、呆然とする。
「愛華、希実、優美、変身するクク」
鞄の中に隠れているクォーツが、愛華たちに変身を促す。
「ルビーパワーチャージ、シャイニング・フォルティッシモ」
「トパーズパワーチャージ、シャイニング・フォルティッシモ」
「サファイアパワーチャージ、シャイニング・フォルティッシモ」
「炎と愛の戦士、シャイニールビー」
「光と希望の戦士、シャイニートパーズ」
「水と誠実の戦士、シャイニーサファイア」
ルビーたちは夢ちゃんとフェアーのいるステージに向かった。
「夢ちゃん、どうして…?」
ルビーは、呟く。フェアーが口を開いた。
「ただ殺すだけではもったいないと大魔王様がお思いになって彼女に闇の力を与えたのだ。戦士同士が潰し合う。面白い展開ではないか?」
ルビーは、フェアーの言葉を聞いて、考え込んだ。確かに技を放てば、夢ちゃんを殺すことになってしまうかもしれない。
「夢ちゃんに攻撃なんかできないよ」
ルビー、トパーズ、サファイアの気持ちは一緒だった。トパーズの敵を弱体化させる技やサファイアの敵の動きを止める技でも、夢ちゃんに大きなダメージかもしれない。そう思うと、トパーズとサファイアも攻撃できずにいた。そうしている間にダークアメジストは、ルビーたちに襲いかかってくる。ルビーたちは、抵抗できず大怪我を負ってその場に倒れた。
「ルビー、トパーズ、サファイア、しっかりするクク!」
微かにクォーツの声が聞こえる中、そこでルビーたち3人の意識は途切れた。