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(備忘)チェックリスト

作者: Reckhen

知恵や知識は人類で共有して使っていかないともったいないと思っているので、私的に使うための罪滅ぼしといいますか、ここにアップしておけば、悪いのは私だけじゃないという罪悪感を薄める効果が期待できます。


「ストーリー  ロバート・マッキーが教える物語の基本と原則」

「ダイアローグ 小説・演劇・映画・テレビドラマで効果的な会話を生み出す方法」


以上の2冊からチェックポイントを書き写しました。

新作を構想する段階で、セルフで自発的にチェックしようと。どうせならみんなで使えるように、ということです。


・『ストーリー』より、概要について

○要約

「主人公はどんな人間?」

「何を求めている?」

「それはなぜなのか?」

「どうやってそれを手に入れようとしている?」

「それを阻むものは何か?」

「その結果、どうなるのか?」


各論

○期待と予想

「タイトルから何を期待させるか?」

「タイトルからどんな予想をするか?」

「あらすじから何を期待させるか?」

「あらすじからどんな予想をするか?」

「結末は期待に応えるか?(感情的体験)」

「結末は予想を超えるか?(知的欲求)」


○ジャンル

「ジャンルは何?」

「ジャンルの約束事は?」

「ジャンルに期待するものは?」


○主人公

「強い意志を持っている?」

「潜在的欲求と顕在的欲求は葛藤する?」

「主人公に共感する?(自分も同じようだと)」

「主人公を応援したくなる?」

「主人公にどうなってほしい?」

「欲求の対象に無理は無いか?」

「望んだものを得られなければ、主人公は何を失う?」

「究極のリスク(自由、生命、魂)か?」

「欲求を満たせない場合、主人公に起こる最悪の事態は?」


○敵対する力

「敵対する力は「マイナス中のマイナス」か?」

「敵側も自分が正しいと思っているか?」


・ストーリーの諸要素について

○契機事件

「契機事件は何?」

「人生の均衡はどのように崩れる?」

「主人公は均衡を取り戻したいと思うか?」

「崩れた均衡はどうしたら戻る?」

「矛盾した潜在的欲求も芽生えるか?」

「どんなクライマックスを予想させる?」

「どんな知的欲求が生じる?」


○重大局面

「主人公は極限まで負荷をかけられている?」

「引き返せない地点か?」

「主人公の究極の決断は?」

「決断のジレンマは?」

「暴かれる人間性の本質は?」


○段階的な混乱

「行動と反応のギャップは?」

「価値要素のプラス-マイナスは?」


○クライマックス

「どんなクライマックス?」

「価値要素の変化は極大か?」

「絶対的かつ不可逆的な転換か?」

「伏線を全て回収しているか?」

「疑問を残していないか?」


○統制概念

「冒頭から最後へ、人生がどんな理由でどのように変化するか?」



・『ダイアローグ』より、人物について

○潜在的欲求

「環境や対人関係を取り巻く潜在的欲求は?」

「潜在的欲求は言動をどのように制限している?」

「潜在的欲求により取れない言動は?」


○欲求の対象

「人生の均衡を取り戻すために何をしたい?(顕在的欲求)」

「サブテクストには潜在的欲求が盛り込まれている?」

「顕在的欲求と潜在的欲求はどのように対立している?」


○究極課題

「何が登場人物を究極課題に駆り立てた?(究極課題の動機)」

「それは意識的な行動か?」

「あるいは、無意識の別の欲求が意識に反してそうさせた?」

「それは最大の敵なのか?」


○テクスト

「究極課題のため、どんなテクストを発している?」

「駆け引き、アクション、リアクションに、どのような語彙を使う?」


○性格描写

「話し方は、性格や環境や習性と合っている?」


○サブテクスト

「行動の裏に何がある?」

「本当にしたいことは?(究極課題、潜在的欲求)」

「究極課題を達成するため、どんな手立てを使う?」


○駆け引き

「テキストによって、どんな駆け引きをしている?」

「どんな効果を生み出そうと狙っている?(予想とギャップ)」


○真の姿

「行動の選び方は、真の姿をどのように表す?」


・シーンについて

○ビート

「具体的にどのようなアクションを起こす?」

「どんなリアクションが生じる?(ギャップは?)」


○進展

「各ビートがストーリーをどのように進展させている?」

「前のビートより進んだものになっている?」


○転換点

「価値要素はプラス/マイナスの間でどのように変化している?」

「転換点はどこにある?」

「どのビートのどの言動で大きく変わる?」


○明瞭化

「台詞には、どのような歴史的、社会的真実が含まれている?」

「それはドラマ化されていたり、明確に言語化されていたりする?」

「そのタイミングは遅すぎたり早すぎたりせず適切なのか?」


○シーンの支配者

「そのシーンを動かしているのは誰?」

「そのシーンでの敵対する力は?」

「そのシーンでの葛藤の源は?」

「その葛藤は登場人物の内面に起因するのか?」

「それとも他の登場人物やストーリーの設定に原因があるのか?」


○シーンの価値要素

「人生の何(価値要素)がそのシーンで問題になっている?」

「シーンの冒頭で価値要素はどう位置づけられる? 終盤で価値要素はどうなっている?」



チェックリストを写しっぱなしで放り投げるだけではあまりにも芸が無い。懲りずに我が無能さを開陳しましょうか。

そもそも、最初から全て完ぺきに成し遂げなければ即ち失敗、という思い込みが良くない。二~三回はわざと間違うくらいでいいのです。それがスモールステップってものです。そのうちにコツを掴めばいい。

試しに「高校ファウスト」でやってみて、何が悪かったのか検証してみようぜ。


・『ザ・ストーリー』より、概要について

○要約

「主人公はどんな人間?」


不破崇人は最低の人間ですね。ダメ人間らしいというか。悪い例、すなわち反面教師ですわ。ワハハ。


「何を求めている?」


見返したいですよね。周りの人間を。今まで散々バカにされてきたので。


「それはなぜなのか?」


今まで散々バカにされてきたので、って言いましたよね。自分の非を認めないというか、何でも人のせいにするというか。


「どうやってそれを手に入れようとしている?」


悪魔に魂を売って、悪魔を使役して、悪魔に色々やってもらおうと。


「それを阻むものは何か?」


え…、

…阻まれてないのか、そうか…。

それで「何だこのストーリー」ってなったのかも…。

本当なら、魂を売らずに、悪魔に頼らずに、自力で見返したかったでしょうね。


「その結果、どうなるのか?」


悪魔に魂を売った結果、不破崇人の魂は地獄へ連れて行かれますね。当たり前ですね。「何だこの結末」ってなってますね。そりゃそうだろ、ってなもんで。

…どうすればよかったんでしょうね。

「その結果、こうなりました」がストーリーの結末にならないといけなかったですね。


各論

○期待と予想

「タイトルから何を期待させるか?」


ファウストっていったら、悪魔とつるんで怪しげなことするイメージないですか?分かりませんけど。

タイトルに「高校」ってつけることによって中高生に擦り寄ろうとしました。


「タイトルからどんな予想をするか?」


悪魔に魂を売ったらどうなるか、破滅するのか、ギリギリで救われるのか、って興味を持ってもらえたら。


「あらすじから何を期待させるか?」


タイトルまんまじゃないか、って分かりやすさ出したかったんですよね。

実際には「やりたい放題」ってほどじゃ無かったかなって反省しています。


「あらすじからどんな予想をするか?」


悪魔に魂を売ったらどんなことができるのか、そして結末はどうなるのか。

まさか地獄に落ちておしまい、ってことはないだろうな、なんて。

まあ、そうなるんですが。


「結末は期待に応えるか?(感情的体験)」


悪魔に頼ってズルしたら、最終的には罰を受ける、っていう期待には応えたかな、と。

都合良く主人公が助かったりしたら、かえって良くないかなって。


「結末は予想を超えるか?(知的欲求)」


予想したまんまやないかい、みたいな。予想するまでもない、というか。

どうやったら予想を超えられるのか、今でも想像もできないですね。


○ジャンル

「ジャンルは何?」


ヨーロッパに昔からあるファウスト伝説でしょう。

神に背いて悪魔と関わるとロクなことない、という教訓話です。


「ジャンルの約束事は?」


ズルしたらツケを払わされる、でしょうか。

ド〇えもん的に、調子に乗って、最後に痛い目を見るやつです。


「ジャンルに期待するものは?」


調子に乗るなら目一杯、「やりたい放題」を追及してほしかったかな。

最後の報いはこれ以上なく、むごたらしい最期っていう、いわゆるカタルシスってやつでしょうか。どっちも中途半端だったかも。

どうせなら「悪魔に魂売って偏差値30からの東大受験」くらいにしておけばよかったですかね。色々あって結局は自力で努力する、みたいな。


○主人公

「強い意志を持っている?」


悪魔に魂を売ってやろう、って意思は強かったでしょう。売った後はなし崩しでしたけど。意志の強さを試されるシーンもなかったですね。


「潜在的欲求と顕在的欲求は葛藤する?」


潜在的欲求・自力で見返したい。

顕在的欲求・悪魔で見返したい。

…葛藤してませんね。悪魔に頼りっぱなしで、そのまま終わってしまった。


「主人公に共感する?(自分も同じようだと)」


自力で頑張れよ。悪魔なんかに頼って、何だこいつ、ってなるかも。

もっと、悪魔に頼らざるを得ないくらい追い詰められる、とかないと駄目だったかも。


「主人公を応援したくなる?」


応援どころか、見ちゃいられない、くらいの。反面教師ですから。


「主人公にどうなってほしい?」


悪魔に頼らず自立してほしい、と思った方が仮にいらっしゃったなら、ごめんなさいと言うより他はありません。


「欲求の対象に無理は無いか?」


代償(魂)が大きすぎるので、得られるものがあっても無理はないというか。

逆に、得られるものが少なすぎる、こんな取り引きは割りに合わない、っていうのを示したかったのですが。


「望んだものを得られなければ、主人公は何を失う?」


得ても得なくても地獄落ち、っていうね。最初から負けゲームなんだと。


「究極のリスク(自由、生命、魂)か?」


主人公のとっての「魂」とは何なのか、明示できませんでしたね。


「欲求を満たせない場合、主人公に起こる最悪の事態は?」


バカにしてた奴らを見返せなかったらどうなっていたか、ってことでしょうか。

…どうせ地獄落ちだし、って考えてませんでした。

どうしても、悪魔に魂を売ってでも、やりたいことがある、っていうセットアップが足りなかったのかな…。


○敵対する力

「敵対する力は「マイナス中のマイナス」か?」


メフィストフェレスやルシファーの立場はそれなりに踏み込んだつもりではいたけど…。敵対してないんですよね…。言われてみれば。

敵は己の中にあり、で、主人公の中で葛藤などあれば……。


「敵側も自分が正しいと思っているか?」


悪魔側の意見で、なんなら「必要悪」とか思ってるでしょう。

それを何でわざわざやるのか…。もっと踏み込むべきでしたか…。


・ストーリーの諸要素について

○契機事件

「契機事件は何?」


悪魔との契約でしょう。

契約前と後とで主人公の状況は大分変わるはずです。


「人生の均衡はどのように崩れる?」


それまでの最低な状況からプラスに転じます。悪魔を使って逆転です。

本当にプラスなのか?っていう含みも持たせたかったです。


「主人公は均衡を取り戻したいと思うか?」


ええと、せっかくプラスに転じたのに、わざわざ戻したいと思わないですよね。

読んでる方も「あっそう、だから何?」ってなってましたかね。まずここで失敗しましたかね。

やりたい放題できるようになったけど、それまでの平穏さや落ち着きがなくなる、みたいなマイナス面を考えるべきだったでしょうか。


「崩れた均衡はどうしたら戻る?」


契約をクーリングオフとかでしょうか。そんなのできない設定だったし、そもそも主人公が-望んで契約してるし。前の状況に戻りたくないはずですし。

魂を差し出すのが惜しくなる、っていう展開の方が良かったかな…。


「矛盾した潜在的欲求も芽生えるか?」


ああ、なるほど、潜在的欲求を「自力で頑張りたい」とすれば、顕在的欲求の「悪魔に頼って楽勝モード」と葛藤したのか。

魂なんかどうでもいい、と、やっぱり魂もったいない、の対立もあったかもしれませんね。


「どんなクライマックスを予想させる?」


卒業まで、とサブタイトルに書いたので、卒業のタイミングで魂はどうなるのか、救われるのか地獄に落ちるのか、みたいな煽りは入れたつもりでした。

予想したクライマックスの上は行けなかったかもしれません。超えようとも思わなかったし。モチーフの古典の終わり方を踏襲するわけですから。ええ、開き直りです。


「どんな知的欲求が生じる?」


タイトルや粗筋から、どのように好奇心が刺激されるか、でしょうか。

悪魔に魂を売るとはどういうことか。売ったらどんなメリット・デメリットがあるのか。最後はどうなるのか。

割と具体的に提示できたと自負しているんですが。予想の範囲内かもしれませんけど。


○重大局面

「主人公は極限まで負荷をかけられている?」


そもそも、地獄に落ちる、ってことに対するイメージが弱かったですかね。キリス〇教や仏教の信仰がベースになってる文化なら書かなくても通じたかもしれないけど。

作中でもっと具体的に地獄の描写をしたり、段階的に情報を出したりして、主人公をビビらせた方がよかったかな。


「引き返せない地点か?」


そう、冒頭で契約した時点で引き返せないんですよね。その後は間延びというか、なし崩しというか。

取って付けたように、最後らへんで意思確認のシーンなど入れましたが、契約を解消できるとは言ってないし。

ああ、天使側の言い分を書いてないんだな。泣き叫んで、悔い改めれば、まだ救いはある、という方向で。倍のボリュームになっちゃいますが。70ページが140ページに。…大した事ないね。上限150ページならちょうどいいくらいでした。


「主人公の究極の決断は?」


悔い改めるかどうか、で、もっと迷ったらよかったってことですかね。すーっと一方通行でしたか。


「決断のジレンマは?」


悪魔を従えてやりたい放題した挙げ句、最後は悔い改めたから救われてデメリット無し、では話がうますぎて興ざめでしょ。

悔い改めると契約前の惨めな姿に戻る、というシーンは入れましたが、流れからして、主人公が選ぶわけなく。

やはり、地獄に落ちる、のデメリットをもっと詰めないといけなかったんですね。


「暴かれる人間性の本質は?」


ありのままの自分を受け入れることができない、弱さとか虚栄心とか、でしょうか。

その愚かな感じを反面教師的に表現したかったんですけどね。

ストーリーを通じて表現できるようにならないとね。


○段階的な混乱

「行動と反応のギャップは?」


意外と悪魔って出来ること限られてるなー、とか。

最初の決意に対して、地獄落ちが怖くなってきたなー、も入れたらよかったか。


「価値要素のプラス-マイナスは?」


やろうとしたんですけどね。いじめっ子を見返したりとか。

マイナスは思いつかないですけど。


○クライマックス

「どんなクライマックス?」


卒業式でしょうね。地獄に落とされていくシーンですわ。

主人公のセリフだけでやっつけちゃったんですよね。時間なくてやっつけたような記憶があります。もうちょっと、じっくり丁寧にやってれば、って反省してます。


「価値要素の変化は極大か?」


そもそもメインの価値要素が何だったのか、今となっては……。

調子に乗ったところから罰を受ける、となればプラスからマイナスへの方向の変化なんでしょうけど。


「絶対的かつ不可逆的な転換か?」


地獄に落ちるので、不可逆的かなと存じますね。


「伏線を全て回収しているか?」


ギターの件とかね。書いてるときは「やっぱ俺って天才!」みたいなテンションになりました。後で読み返すと「だから何?」ですね。


「疑問を残していないか?」


初めて読んだ方にどんな疑問が浮かぶか、って視点で考えないといけなかったですね。

結局何だったんだ、何がしたかったんだ、みたいな。

どうやったら解決できたんでしょうか。


○統制概念

「冒頭から最後へ、人生がどんな理由でどのように変化するか?」


冒頭はうだつの上がらない状態から、悪魔の力で上昇するけど、最後は地獄に落ちる、っていう変化ですよね。

これが統制概念かって言われると弱いのかなって。

主人公はこれをしたくて悪魔と契約したけど最後は地獄に落ちた、あるいは最も避けたかった状況に陥り、この取引は割に合わないという教訓を得た、みたいな?


・『ダイアローグ』より、人物について

これもやるのか…。

まずは主人公についてですね。


○潜在的欲求

「環境や対人関係を取り巻く潜在的欲求は?」


主人公のバックグラウンドと理解してますが違ったらごめんなさい。

正直、掘り下げが足りなかったかなと思いますね。

過去とか、家庭環境とか、何も決めずに見切り発車してしまって。


「潜在的欲求は言動をどのように制限している?」


コンプレックスがありながら、プライドは高くて尊大で、周りを見下すというか、協調性がないというか。

心の声では、狭量というか、他者への理解などは無いでしょう。


「潜在的欲求により取れない言動は?」


外部に対しては、関わり合いを避け、自分の内面を晒すことはしないはず。

なぜそうなったのか、の掘り下げが足りませんでしたね。


○欲求の対象

「人生の均衡を取り戻すために何をしたい?(顕在的欲求)」


高いプライドに見合うステータスを得たかったのでは。

なぜ、身の丈に合わないくらい高いプライドを持つようになったのか、原因が分からないと解決のしようもないですね。「原因が分からない」って作家側が言ったら終わりですね。


「サブテクストには潜在的欲求が盛り込まれている?」


サブテクストどころか、全てテキストとして前面に出てしまっているというか。


「顕在的欲求と潜在的欲求はどのように対立している?」


顕在的欲求:悪魔と契約してプライドを満たす

対立させるとすれば

潜在的欲求:自力でステータスを上げたい

になるでしょうか。

悪魔の力で願望が叶っても、無意識ではうれしくないというか。

どのように対立させるか、から逆算で潜在的欲求を決めて、なぜそうなったかを逆算で設定する、なんて手法もありそうです。


○究極課題

「何が登場人物を究極課題に駆り立てた?(究極課題の動機)」


主人公にとっての究極課題(意識的・顕在的)は、悪魔を使ってステータスを上げること。その動機、ですよね。

生まれ育ちで、劣等感を持つように…、親とか兄弟とかの影響、はベタかなあ。

分からないのは考えたくないからで、どうせ考えたってベタなのしか浮かばないんじゃないか、って恐れからでしょうか。クリシェを避けるには徹底的な調査(取材など)が必要だって師匠が仰ってましたね。


「それは意識的な行動か?」


意識的であり、感情的、本能的でもあります。破滅的でもあります。


「あるいは、無意識の別の欲求が意識に反してそうさせた?」


無意識の欲求は自力でのステータス向上だとして、悪魔に頼ろうとするのは、自力では無理だという思い込みがあるのかもしれませんね。

それで外部の力に頼って楽して実現しようと…。今の私に似てますね。


「それは最大の敵なのか?」


ここまで見てきて、「最大の敵」は無力感、自分の能力や可能性を信じられない、自分の弱い心、なんかがよかったかもしれませんね。

その弱さに悪魔がつけこんだ、みたいな構図にしたら、クライマックスでは自分の弱さと向き合うみたいな流れになったでしょうか。

その戦いに勝って悪魔が退散する、なんてハッピーエンドも…。


○テクスト

「究極課題のため、どんなテクストを発している?」


ステータスを上げるために、悪魔に命令をしますね。

悪魔側からの提案に乗せられたりもするでしょうか。


「駆け引き、アクション、リアクションに、どのような語彙を使う?」


モチーフ元となったお芝居に準じて、芝居がかった言い回しになってしまいましたが、主人公の究極課題とは関係なかったのではないですかな。

悪魔に命令に従ってもらおうとして、ハッタリとか、尊大な物言いになったのでしょうか。

あるいは、弱みや恐れを見せないようにしていた、とか。


○性格描写

「話し方は、性格や環境や習性と合っている?」


普通の高校生だったはずなのに、そぐわない物言いになってしまったかな。

劣等感、コンプレックスなどを反映させるべきだったでしょうか。


○サブテクスト

「行動の裏に何がある?」


…何にもなかった…。

意識的欲求と相反する無意識的欲求がないから、やりたいことをやるだけの主人公になってしまったのかも。

悪魔を使うため、悪魔に命令する、だけですから。


「本当にしたいことは?(究極課題、潜在的欲求)」


悪魔に頼らず自力でステータスを上げたかった、だとしたら、違った展開になっていたでしょう。


「究極課題を達成するため、どんな手立てを使う?」


悪魔に頼りつつも、頼りっぱなしでいるのは悔しい、不甲斐ない、みたいに思って、自分でやろうとしたりするでしょうか。

それだと「最後に罰を受ける」ってオチと相反するんですよね。


○駆け引き

「テキストによって、どんな駆け引きをしている?」


どこまで悪魔が命令を聞いてくれるか、どこまで悪魔が教えたくないことを探れるか、みたいな駆け引きはありましたかね。

地獄落ちを回避するための駆け引き、っていうのは全く無くて、緊張感も無かったかな。


「どんな効果を生み出そうと狙っている?(予想とギャップ)」


悪魔に命令をして従わせようとして、拒否されたりしますかね。そこで言い方を変えたり、強く要請したり、っていうやり取りでしょうか。


○真の姿

「行動の選び方は、真の姿をどのように表す?」


選択に迷ったりするシーンもありませんでしたね。

クライマックスで本音をぶちかますのがいいかと思ったのですが、重圧を受けての決断、って感じにはならなかったな。


・シーンについて

○ビート

「具体的にどのようなアクションを起こす?」


全体的に言えば、悪魔に命令して、願望をかなえようとします。


「どんなリアクションが生じる?(ギャップは?)」


悪魔は従ったり、予想外のリアクションを返してきたりしますかね。


○進展

「各ビートがストーリーをどのように進展させている?」


従わない悪魔に対して、あれこれ手を尽くしているうちに、悪魔の性格やバックグランドなどを理解していったかも。


「前のビートより進んだものになっている?」


最初のうちは質問に答えてもらえなかったりしてたのが、……、そんなにエスカレートしてなかったかな。


○転換点

「価値要素はプラス/マイナスの間でどのように変化している?」


序盤では、追試をパスしたり、いじめっ子を撃退したりで、気分が高揚するわけですが、やがて、どうやっても地獄に落ちると気づき、下がっていくとすれば、とりあえずは変化したのかな。


「転換点はどこにある?」


はっきりしたポイントは無かったですかね。

もうちょっと、悪魔の力で得たものが本当は無価値であったと気づかされるシーンがあってもよかったかも。

あるいは地獄落ちが怖くなる、契約を解除したくなるようなシーンとか。


「どのビートのどの言動で大きく変わる?」


転換点が無いんだから、言動も変わらないままでしたね。

契約解除したい気持ちが芽生え、どんどん大きくなれば、全然違った展開になりましたね。最後はどうなるんでしょうか。


○明瞭化

「台詞には、どのような歴史的、社会的真実が含まれている?」


信仰における悪魔の歴史なんかは本を読んでる方だとは思うんですが、肝心の信仰についてはネイティブじゃないと分からないこともありますね。いかにも無宗教な現代日本人って態度を取らせたら際立ったでしょうか。


「それはドラマ化されていたり、明確に言語化されていたりする?」


地獄だの魔王だのについてセリフだけで説明してるシーンがありましたね。元のお芝居がそうだったから、って言い訳ですね。


「そのタイミングは遅すぎたり早すぎたりせず適切なのか?」


かなり序盤でセリフだけでやっつけちゃったので、適切ではなかったかも。

後半に魔王と実際にからむシーンは元のお芝居にあったのに、某救世主がらみの話だったので忖度して自粛しちゃいました。「お前が我々に不当な仕打ちをしていると告げに来た。キリ〇トのことを話すのは約束が違うぞ。神のことを考えてはならぬ。悪魔を思え。ついでに悪魔よりもっと怖い、悪魔の女房のこともな」みたいな。


○シーンの支配者

「そのシーンを動かしているのは誰?」


あんまり動いてないけど、主人公が悪魔に命令してってことになりますか。


「そのシーンでの敵対する力は?」


命令に従わない悪魔ってことになりませんか。

主人公の内面では、自分の弱い心と戦ってる、とすべきだったのでは、と。


「そのシーンでの葛藤の源は?」


なぜ悪魔が命令に従わないのか、あまり考察してなくて…。単に面白いかなと思って…。

主人公は自力で解決したかったど、悪魔が誘惑してくるのに抗えず、みたいな対立の構造がないといけなかったでしょうか。


「その葛藤は登場人物の内面に起因するのか?」


そうだったら良かったなって思ってます。


「それとも他の登場人物やストーリーの設定に原因があるのか?」


悪魔や地獄の設定についても、葛藤をどうするかを決めてから、遡って考えるべきだったんですね。


○シーンの価値要素

「人生の何(価値要素)がそのシーンで問題になっている?」


そもそもメインの価値要素が何だったのか、今となっては……。(2回目)


「シーンの冒頭で価値要素はどう位置づけられる? 終盤で価値要素はどうなっている?」


プライドはマイナスからプラス(悪魔の力で疑似的に)へ行くけど、最終的に魂・生命はマイナスになる、っていうか。その辺をもっと意識して書くべきでした。


……おなか減ったからもう勘弁して!(中田が入団会見でイタリア語で言ったやつ)



・終わりに

反省しないと教訓が得られず、成長もないのかなと思って始めたことですが、少しは得るものが有ったものの、やはり、後ろ向きの作業なので、空しいというか、気が乗らないというか、辛いものがありました。

これらのチェックリストは、書く前の手助けには大いになりそうでした。でも書いた後からチェックすると「今更そんなこと言われても…」って、暗い気持ちになるので注意が必要です。って教訓も得たのです。

ひとつひとつのチェックが厳しいので、それらに全て答えるのもしんどいし、全て自分で考えないといけないし。資料を揃えたり誰かにヒアリングしたりして解決できるものでもないし。ただでさえ生む苦しみとか言ってんのに、こいつは辛さマシマシ装置ですわ。

さて、この辛さを乗り越えて成長できたのか、それは次に書く駄原稿の出来上がりに現れるでしょうか。

どうなるか結果を見てみよう。(モウリーニョがよく言ってたやつ)

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