77 50階層 中編
リアムside
「そんなんじゃ、誰も守れないぞ」
ドッペルの大きな振りかぶりリアムは、攻撃は受け止めては力で押し返していたがそのままドッペルの蹴りをくらわされる。
「そんなことは俺が一番知っているよ」
リアムは、地面に叩きつけられては起き上がりドッペルに向かっていく。
「全く、そんな猪みたいな攻撃は意味がないぞ」
「そりゃどうかな」
リアムは、ドッペルの剣を受け流し相手の胴を少しだけ切り裂いた。
「なるほど。レオンの技か」
「水伝・波打ち」
リアムは、レオンとの戦いで少しだけ技を盗んでいったのだ。
『お前は何のために剣を握るんだ』
戦っている最中、リアムはその言葉を思い出した。
「なんの為に剣を握るか、か...」
「何を今さら呟いているんだ?そんなことを考えている暇なんてないぞ」
ドッペルは、リアムの動きを真似レオンの流派を使い反撃してくる。
「お前ができるんだ。こちらもできるに決まってるだろ」
「そんなことはわかっている。だがお前の剣には決定的に足りないものがあるんだよ」
リアムは、力を入れなおしドッペルを押し返す。
「はぁ!!、俺は決めたあいつらを守ると、この剣に誓ったたんだ」
リアムは、ドッペルに対し大きく横振りをした瞬間、リアムの神具が突如光出す。
刃は、赤みがかり、柄から延びる鎖はリアムの腕に纏わりついていた。
「おりゃーーーー!」
リアムの神具は、突如巨大化しドッペルの剣を砕きそのまま一撃を与えた。
「巨大化する剣、この土壇場で神具が進化するとはな。その覚悟受け取ったぞ」
ドッペルは、そう言い残すと消えてしまった。
「全く、俺はそんなこと言わないぞ」
リアムは、現れた魔法陣に乗り元いた場所に戻ってきた。
「なんだ、まだ誰もいないのか、俺が一番乗りだな」
リアムは、よほど嬉しいのか思わずガッツポーズをする。
だが、忘れていたのかドッペルに攻撃され、更には巨大化した剣すら振ったその体はとうに限界が来ており結果的に倒れ込んでしまった。
「全身がいてぇ」
骨折も数カ所ありリアムは、その場で眠ってしまった。
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マリーside
中距離での矢の打ち合いマリーは、着実に魔力を減らし続けて劣勢状態だった。
(このままじゃ確実に負けてしまう、なら)
マリーは、魔力を温存するためにナイフを持ち接近戦に持ち込もうとした。
「なるほど、接近戦で来たわけね」
ドッペルも、それが分かると接近戦にならないように後ろに距離を取り、更には近づけないように矢を放っていく。
「それは結構悪手じゃないかな」
「それはどうかな?」
マリーは、回避すると同時に小さな矢を空中に飛ばしていた。
ドッペルは、それに気づかずその矢の攻撃を肩に受けてしまった。
「矢を投げて空中で操るなんてね。けど」
しかしドッペルは、その何事もなかったように矢を放つ。
「うっ!!なんで...」
「それもそうだろう、私は、人間ではない魔物だ。骨もなければ痛みもない。腕がちぎれたとしても動き続ける。私を消滅させるほどの技でなければ止まることはない!!」
マリーは、ドッペルの放った魔法の矢の突風で吹き飛ばされる。
「さっきの技、魔力が尽きかけているあなたには連発はできないでしょ?」
ドッペルの容赦ない攻撃がマリーを襲う。
一つの矢がマリーの足を貫いた。
「あがっ!」
とてつもない激痛歩くことが出来ずその場思わずこけてしまった。
「さて、これで終わりね」
「終わらない...終わらせはしない。私は、絶対負けはしない!」
激痛に耐えながらもマリーは、起き上がる。
(残された魔力は、一撃を放つ量だけ、これに全てをかける!)
突然マリーの神具が光始め、その形を変える。
緑が特徴となった弓、手に持つだけで身体が軽くなり風が纏っていく。
「これが神具の進化...」
マリーは、神具を手に取ると弦を引き絞ると風が集まっていく。
ほんのりと暖かみがあり、まるで体の一部みたいに手に馴染む。
「まずい...」
「その一撃は嵐の如く、その一撃は自然の怒り也暴風の一撃」
マリーは、自身に残っていた全魔力を使いそれを一撃の矢に込め放つ。
大地を抉る程激しい一撃、ドッペルの体を貫いていった。
「私の負けね」
ドッペルは、そのまま消えてしまった。
「魔方陣とりあえずいってみようか」
足の血を止血し、引きずりながら魔方陣の中に入った。
「おう、遅かったな」
「あんたが一番早いなんてね」
「あはは、とりあえずこれでも飲んでけよ」
魔方陣を通った先待っていたのはリアムだった。
リアムは、そのままマリーに回復薬を手渡す。
完全にとは言えないが傷を塞ぐには十分な品物だ。
「あ、ありがと。ってにがっ」
その苦さは身に染みるのだった。
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ミュウside
爆撃は響く空間、互いに爆発系統の魔法を使うせいか地面には穴が多くできていた。
「はぁ、はぁ。厄介」
魔法を打つと同じく爆破魔法で打ち消すドッペル、ミュウの方だけ一方的魔力を消費させられていた。
「でも絶対に負けない」
「ん、その意気。でも勝つのは、私」
ミュウは、離れ戦うのをやめ近づいて近距離戦で戦おうとしたがドッペルも同じ作戦に切り替えてくる。
「「火伝・火焚」」
ミュウ自身、彼の隣に立ちたいと思いレオンに頼んで近距離戦を教えてもらったのだ。
「やぁ!!」
ドッペルの真似るであろう動きを更にアレンジし、ドッペルに一撃を与える。
(いける)
「しまっ!」
ミュウは、そのまま追撃をしようとするが突然地面が光出し爆発する。
「はぁ、はぁ。負けられない。私は、彼の隣に立つ!!」
ミュウは、杖を持ち直すと呪文を詠唱していく。
「何その魔法...」
「今考えたオリジナル魔法」
ミュウの周りにシャボン玉のような魔法が浮かび上がる。
「覚悟して」
「近づかなければ」
「いいとは限らない」
ドッペルは、ミュウから離れていたはずなのに後ろから突如爆発で吹き飛ばされる。
「結界魔法...」
「結界魔法・泡沫これが私の覚悟の表れ」
ミュウは、杖を手を取り風の魔法を使いシャボン玉を動かすと同時にミュウの杖が光出し進化が始まる。
「弾け飛べ・連鎖する爆発」
ミュウは、そんなことも気にせずそのままドッペルに凄まじい爆発を与えた。
ドッペルは、なにも言わずに消えると魔方陣が現れていく。
「これで元に戻れる?まぁ、入るけど」
転移されたのち少し眩しいく感じ思わず目を閉じる。
「次はミュウか」
「他は?」
「皆まだみたいだよ。まぁ強ければ強いほど苦戦しそうだけどね」
「自分だからあまり関係ない」
「それはそうだけど」
「とりあえず、しばらく待ってきたら自慢してやろうぜ」
リアムは、回復ポーションをミュウに渡した。
「そうね」
ミュウは、レオンに褒められるかもと少しきたいしながらそのポーションを一気に飲み干し、戻ってくることを祈りながらしばらく休憩に入った。
友達の編集の手伝いで送れました。
すみません
Twitter ID @Loewe0126
投稿日など報告しています。
DMで好きなキャラなど言ってくれたらそれを閑話で書こうかと思っています。
質問箱も用意しますので気軽に絡んでくれて結構です。
よかったら、ブクマ、感想をお願いします。
誤字報告ありがとうございます。




