表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
男の子なのになぜか聖女と呼ばれてます...  作者: レーヴェ
7章 英雄?そして始まる戦争
87/94

75 レオン、剣での弟子

「お願いします。私を指南して欲しいです」

 プライベート空間となった学校内の一室に少女が勢いよくドアを開けて言い放ってきた。


「ここは立ち入り禁止だったはずなんだけど」

「お願いでします」

 少女は、話を聞こうともせずそのまま頭を下げ続ける。


「いい加減教えてやったらどうなんだ?」

「だったらリアムがやれよ。彼女は、修剣士なんだろ?」

「いや~こっちも二人で手っいっぱいなんだよ」

「はぁ、フェヒターを見習ってこい」

 フェヒターは、現在リアムよりも成績を取り騎士科で先生をしているのだ。

 つまり、フェヒターは、軽く30人以上生徒を教えているのだ。


 遡ること一週間前、リアムの紹介(強制)で彼女、九重(ここのえ)アヤメと、出会った。

 東方の国に住んでいたらしく親の都合でこの国に来たらしい。

 そして何故リアムが紹介してきたのかというとアヤメの神具が刀であったからだ。

 剣と刀の違いを大きく知っていたリアムにとっては自分が教えることはできないと判断したらしい。

 それにリアムとレオンとのいつもの練習試合の影響が大きくでたのか、その時から1週間はつきまとわれ志願されるようになった。

 魔法科から錬金科に移ったレオンは、ちゃんと教えることができないと判断し断っていたのだが...


「はぁ、仕方ない。ならこれを持ってきてくれ」

 レオンは、紙に錬金に使う材料の素材を書きアヤメに渡した。


「承りました。これを持ってきたら認めてくれるのですね。今すぐ行って参ります」

 アヤメは、説明も聞かずが書かれた紙を受け取るとすぐさま部屋を出ていった。


「いいのかあれ」

「流石に、絶対無理という素材は渡してないぞ」

「いや、今西の森にワイバーンらしき影が目撃されていたはずだけど」

「あ!すっかり忘れていた」

「おい!」

「はぁ、冒険依頼として受けて索敵又は討伐してくるか」

「おう、行ってこい」

 リアムは、ニヤニヤしながら言ってくる。

 結局のところレオンは、面倒事に巻き込まれてしまうのだった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「えっと、後はルフト・ハーブはありますか?」

「うーん、お嬢さん。それは森に取りにいかんと駄目じゃよ。それは取ってから1時間で枯れ効力が無くなってしまうからのぅ」

「おばあさん、それってどこら辺にありますか?」

「西の森にある湖に生息してるかのう。じゃが」

「西の森ですね。感謝します」

 そのまま、アヤメは話を聞かず西の森に走りに去ってしまった。


「あやつ大丈夫かのう」

 おばあさんは、見送ることしかできなかったのだった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「えっと、西の森の湖ってここら辺だった気が...」

 アヤメは、そのまま湖にまで行くとルフト・ハーブを探していた。

 大きな黒い影に気づかぬまま


「よし、後は、1時間以内にあそこにたどり着いたらいいだけですね」

 安心しきった表情の中、突風が吹きアヤメは、思わず尻餅をついた。


「GYAAAAAAA」

 その叫び声を聞き思わずアヤメは、萎縮してしまう。


 どうやら湖は、ワイバーンが縄張りとしている場所だったみたいらしく、アヤメに対して敵対心を向けていた。

 ワイバーンは、尻尾を地面に叩きつけ、アヤメの方を睨むとそのままブレスを吐いてきた。


「こ、これはまずい」

 アヤメは、逃げようと思えど恐怖で足が思ったように動かないでいた。


「はぁ、ギリギリ間に合ったな」

 ブレスが当たる直前、そんな声が聞こえ目を開けると、レオンのプライベートルームにいた。


「よう、お帰り」

「リアム様...ここは?」

「ん?学校でレオンのプライベートルームだ。というか一緒じゃなかったんだな」

「そ、それより、レオン様が竜に!」

 アヤメは、リアムを掴んでくる。


「とりあえず、落ち着け!あいつなら大丈夫だから」

「疲れた...」

「うぉ!また突然帰ってきたな」

 靴には血抜きしたであろう跡がついており、魔法でアヤメの靴の泥とともに落としていく。


「よし、リアムちょっと解体を手伝え、今からギルドに行くぞ」

「わかったよ」

「あの私は、どうしたら...」

「はぁ、アヤメも一緒に来い。持って来れた時点で君は僕の弟子だからな」

 アヤメは、そういうと途端に顔が明るくなっていく。


「ありがとうございます!!」

「それじゃ、さっさとギルドに行くぞ。10分で終わらせないとな」

「は、はい」

 ギルドの解体所に行き、そのままワイバーンを閉まったお手製のマジックバックから取り出した。


「あの一瞬で、竜を...」

 首だけが綺麗に刎ねられたワイバーン、血抜きも魔法で手早く済ませているので、後は解体するだけの状態。


「解体だけは魔法でできないからな」

「変に切ったら素材が勿体ないからなっと」

 翼、爪、鱗、慣れた手つきで解体していく。


「レオン様、報酬はいつも通り振り込みました」

「ありがとうございます」

「素材などは売却予定ですか?」

「爪と肉は使うかな、後は売却します」

「わかりました。報酬として金貨10枚になります」

「はい、ではそれでお願いします」

 金貨10枚と聞いた瞬間アヤメが何故が反応する。


「レオン様、今の冒険者ランクはいくつですか?」

「ん?そうだな、ランクとしてC+といったところかな」

「ご冗談を、貴方様の実力ならば既にBをも超えています」

「Bランク越え...」

「ちなみにそこにいるリアムは、一応同じグループで活動してるぞ」

「一応ってひどいな。長い付き合いなのによっと」

 リアムは、解体しながらもツッコミを入れてくる。

 

「後は、マリーに、ミュウ、それとルナリアだな」

「妾を忘れるでないぞ主よ」

「忘れるわけないだろシルヴィ。大事な相棒なんだからな」

 突然、レオンの背後からシルビィが現れる。


 召喚魔法を何故がシルヴィが使いこなすようになり、契約した主の呼びかけなしに現れたりできるようになった。

 つまり、主であるレオンがどこにいてもシルヴィの気分で近くに現れたりできるようになってしまったのだ。


「一体どこから...」

「今夜は、ワイバーンか楽しみじゃな♪」

「まだ、実験が残ってるから先にこれを持ち帰ってミンチにしといてくれ」

「ミンチ、ということは今夜はハンバーグじゃな。よし急いで持ち帰るのじゃ」

 シルヴィは、ノリノリでワイバーンの肉を受け取ると文字通り飛んで帰っていった。


「さてと、じゃ早速訓練と行こうかアヤメさん」

「は、はい。よろしくお願いします」

 一連のやり取りに戸惑いつつもアヤメは、返事をした。


「それじゃ、ここから20分までに魔法なしで部屋に来てね」

「それはどういう」

 レオンは、特に説明せずにプライベートルームに戻っていった。


「早く行ったほうがいいぜ、ここからじゃギリギリ20分につけると思うからな。さて、俺は、2人に顔出ししとくか」

 リアムは、能天気に騎士科の方へ向かっていった。


 貸してもらっているプライベートルーム、錬金科の空き部屋なのだが10階建てという巨大な建物になっており、レオンのプライベートルームは、最上階の10階になっていた。

 もちろんエレベーターという手段がなく、あるのは階段のみ。

 レオンは、行き来できるよう転移魔法陣を玄関に描いて、対となる魔法陣をカードに書き、それに魔力を流すと転移できるように作ったのだ。


 そのせいで20人以上の魔法陣を描いてくれと要望が来たのが嫌な思い出となっている。



「はぁ、はぁ。やっと着いた...」

 アヤメは、制限時間を設けたせいでアヤメは焦り、階段をノンストップ駆け上がり息が上がっていた。

 そのおかげでギリギリ20分内で辿りつくことができた。

 

「さて、まずはお疲れ様だな。ほら、飲み物だ」

「あ、ありがとうございます。ってこれなんですか?」

「さっき作ったばかりのマナポーションだけど。味の感想は?」

「えっと、私の知っている限りこんな甘いものは、初めてです」

 飲む点滴をイメージして作ったマナポーション、元の材料を普通に調合しても苦い味しかしなかったが、完全にアレンジし飲みやすいものを作ってみたものだ。


「効果は、魔力が枯渇してないから効果はそんなにわからないか。まぁ、魔法科に渡して記録するか」

「まさか、私を実験台に...」

「まぁ、体に悪いものは入ってないから大丈夫だよ。まぁ、本格的な指導は、また明日だな。今日もう帰ってもいいよ。あ、そうだ。これ、ちゃんとやっといてね」

 レオンは、アヤメに再び一枚の紙を渡すとそこにはこれから練習表が書かれていた。


「この量を毎日ですか?」

「当然だ。無理というなら今すぐやめろ。剣を刀を握るということは、只の命のやり取りだ。生半可な気持ちで握るなら今すぐそれを捨てるんだな」

「やります。絶対に!!」

 アヤメは、その紙を受けとりすぐさま帰って行った。


Twitter ID @Loewe0126

投稿日など報告しています。

DMで好きなキャラなど言ってくれたらそれを閑話で書こうかと思っています。

質問箱も用意しますので気軽に絡んでくれて結構です。


よかったら、ブクマ、感想をお願いします。

誤字報告ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ