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男の子なのになぜか聖女と呼ばれてます...  作者: レーヴェ
6.学園イベント
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閑話 対決花伝継承者後半

 花伝の歴史は古く約900年まだ武士の時代まで遡る。

 花をイメージした剣技、花が舞う姿や自然の力強さから剣舞としてよく知られていたらしいがその剣技は、相手を翻弄するためであり、武士の時代の中でも最強と残されている伝承が多くあった。

 このことが本当だとすると花伝継承者現在の当主である花恋は少なくとも50代目以上となる。


「900年前って相当古いね」

「まぁ、何度も潰れて逃げ延びて後継者が生き残り最後はここに建てられたんだとさ」

 三由栞は、汗だくになりながらも階段をのぼっていく。


「まぁ、剣道の試合では、一切その剣技は披露できないけどな」

「それって、どうゆうこと?」

「直接見たら分かると思うけどな」

 やっとの思いで階段を駆け上がりやっと門の場所までのぼってこれた。


「やっと着いたのね」

「三由栞少し離れておいて」

 裕治は、少し離し、扉を勢いよく開けるとそのまま男性が襲ってくる。


「よっと!」

 裕治は、襲ってきた男性をそのまま投げ飛ばす。


「な、なに!?」

「まぁ、変に静かだから来ると思ったよ」

「この寺に何のようだ!?」

「花恋先輩に会いに来た!裕治だ!」

 裕治と聞いた途端、寺の修行僧が騒ぎ出す。


「裕治様、死んでしまったんだ。そんなふざけたことを言うな!!」

「なら、今

ここで証明してやるよからかかって来い」

 裕治は、そういうと修行僧たちは、襲ってくるが次々と投げ飛ばしていく。


「その殺気...」

「なんだ思い出してきたか?」

 元々ここでも剣の指南を受けていた裕治、その実力は、言うまでもないだろう。


「まぁ、ウォーミングアップに付き合ってくれよ」

 思わず修行僧は、逃げようとするがそのまま服を掴み綺麗な投げ技を決められる。


「さぁ、逃がさないぜ!!」

 裕治は、楽しそうに人を軽~く投げ飛ばしていく。


「さてと、道場の方にいくか」

「え、えぇ」

「流石です。ご主人様」

 修行僧推定でも約100人も及ぶ人達は、全員綺麗に気絶してしまった。


「その体って、持ち上げる時に重さとかないの?」

「あるに決まってるでしょ。体重関係なしに投げれるのは、相手の動きを使った体重移動だ。こっちに向かってやって来るなら足を取ってこけそうになった所を投げる只それだけだよ」

「なるほどね。ここがその道場?」

「結構広いよね。花伝を受ける人自体は、少ないけど。寺としての、修行としても使われてるし。とりあえず、開けるか」

 裕治は、そういうと道場の扉を開けた。


 その瞬間裕治に向けて竹刀が振りかざされるが咄嗟にそれを受け止める。


「随分元気そうじゃないか、花恋先輩」

「どうやら本物のようだな。偉くちっさくなったな裕治」

「昔と同じことは、しないで欲しかったな」

「なるほど。それも覚えているのか...」

 昔、花伝を習う時に道場でいきなり竹刀が下ろされ叩かれかけた経験があるのだ。

 花恋は、そのまま裕治の手を振りほどき後ろへ下がる。


「竹刀と槍?」

「花伝は、剣舞としては刀、対人戦では、剣と短槍を両方使う珍しいものだ」

「だから、剣道の試合では、使えない。そういえば花恋先輩、槍術部の大会にも出ていた」

「そこが本当に厄介なところ、刀では槍の受け流しがやり辛いからな。最強の槍剣(そうけん)使いと言っても過言じゃない」

「何を駄弁っている。さっさと竹刀を持て、久しぶり練習試合をしようじゃないか」

 花恋は、そう言って裕治に竹刀を二本渡してくる。


「さて、真剣勝負と行きましょうか」

 防具だけを身に着け、面だけは外して叩く、まさしく真剣勝負と言える状態で剣と槍を構える。


「そうだな。久しぶりにやるとしよう...」

 二本の竹刀を構え面を守るように裕治は構える。


 外の鐘の音と共にお互い動きだした。

 竹刀とは思えない甲高い音が道場に響く。


「相変わらずやりずらいな...」

「それはお互い様だろうが」

 槍の突きは剣では受け流しが難しいそのため体術だけで躱してそのまま追撃をしようとするがそれも剣で防がれる。

 

「姉上!!」

「びっくりした...姉上ってことは、あなたが花恋先輩の弟さん?」

 突然道場のドアが開いたと思ったら男の子が現れる。


「これは失礼しました。僕は、(はな)と申します」

 懇切丁寧に紹介としお辞儀をする小柄な男性、白い胴着を身に着けていた。


「先輩から中学生の弟がいるって聞いていたけど」

「あなた?」

「私は、白鷺三由栞よ。で、こっちは」

「如月シララと申します」

 流石元アイドルといえるのか営業スマイルを華に見せつける。

 華もその笑顔で思わず顔が赤くなっている。


「あの、姉上と戦っているのは、誰ですか?」

「信じられないかもしれないけど、あれは裕治よ」

「裕治さん...でもあの方は...」

「まぁ、死んではいたんだけど何から説明したらいいのやら」

 三由栞は、懇切丁寧に事情を説明していく。

 一部誤魔化しながら。


「つまり、あれは、裕治さんの記憶で作られたロボットってことでいいんですか?」

「まぁ、そうだね。ちなみに、ここにいるシララもロボットだ」

「え、本当ですか?」

 華が思わず疑っていると、シララは、右手で自分の左手腕を捻ると簡単に取れてしまった。


「これでいいですかね?」

 そんな姿に華は、思わず開いた口が塞がらなかった。


「まぁ、そんな訳で、この試合ってどちらが勝つんです?」

 シララは、腕を元に戻し華にそう問いかけた。


「あれが本当に裕治さんならば、正直五分五分といったところだと思います。48勝48敗4引き分といった成績で両者引き分てないって言い争ったりしています」

 言い争っていた2人をよく見ていたのか、華は少し呆れながら説明していた。


「ま、苦労したのね」

「はい」

 華の顔を見てると三由栞は、同情するしかなかった。


「三由栞さんも苦労したんですね」

「・・・まぁね。はぁ~」

 現在進行形で苦労してる三由栞は、思わずため息をついた。


「花伝・向日葵」

 花恋の向日葵、短槍と竹刀の本当の技、素早い槍の突きの4連撃、2連の竹刀の攻撃、そして最後の追い打ちと言わんばかりに槍を腹目掛けて突いてくる。


「火伝・烈火」

 裕治は、槍の攻撃を剣戟で無理やり弾き、そのまま無理やりに攻撃に持ち込み相手の連携を強制的に切りにかかった。


「くっ!!」

「はぁ!!」

 連携を解かれそのまま押し切ろうとしたところ裕治を咄嗟に距離をとる。


「やはり、この程度のカウンターは読むか...」

「危ない危ない、花伝・椿か危うく攻撃仕掛けたよ」

 花伝・椿、短槍を竹刀と体の動きで隠し相手の不意を突く一撃、まず躱すことは出来ないだろう。


「土伝・隆起」

 下から斬り上げるように竹刀を振る。


「花伝奥義・鈴蘭」

 花恋は、斬り上げを防ぐも、体が浮き上がる。


 足を大きく放つ裕治の一撃は、剣道ではない動きだが、足の支えにより力を大きくしたのだった。

 これが土伝、大地から力を大きく利用し、最大の一撃を相手に与える。


「はぁ、はぁ」

「あれを防ぐか...」

 竹というしなやかさと丈夫さの素材の竹刀にひびが入る。


「今何をしたの?」

「わかりません、けど、勝負は終わったようで...」

 裕治は、竹刀が花恋は、短槍が壊れてしまったのだった。


「さてと、ならこの一撃で決めるとするか」

「その勝負受けてたつ」

 お互い竹刀一本を持ち構え始める。


「花伝奥義・菊」

 花恋は、居合のような構えをする。


「風・水連携接続技・(なぎ)

 対する裕治は、目を瞑り中段の構えをする。

 空気が張り詰めたように道場の空気ががらりとかわり、静寂に包まれる。

 

 何が起こったのか一切わからぬまま、両者は、倒れてしまった。


「体が痛い...」

充電(バッテリー)が...」

 竹刀が折れてしまい互いにいろんな意味で体の限界を迎えたのだった。


「これは...」

「姉上は、見た所筋肉痛かと、裕治さんは...」

「ご主人様は、太陽の元に出てないので充電切れですね。しばらく外で寝かしときますね」

 シララは、慣れた手つきで裕治を背負い道場を出て行く。


「えっとこれは...」

「引き分けですね」

 勝敗は、つかないまま試合は幕を閉じたのだった。


Twitter ID @Loewe0126

投稿日など報告しています。

DMで好きなキャラなど言ってくれたらそれを閑話で書こうかと思っています。

質問箱も用意しますので気軽に絡んでくれて結構です。


よかったら、ブクマ、感想をお願いします。

誤字報告ありがとうございます。

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