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男の子なのになぜか聖女と呼ばれてます...  作者: レーヴェ
6.学園イベント
84/94

閑話 対決花伝継承者前半

本当にすみません。

キリがよかったので閑話を書いてしまってました。

前半ということで次回も閑話となります。

あと、投稿が遅れてしまい申し訳ありません。

「ほんと、デタラメすぎるでしょ...」

 とあるニュースのタイトル、新聞紙の一面ですらとある話題でいっぱいだった。


 全国、いや、全世界の政府に対しハッキングがされたという普通では、ありえないことが起こっていた。


 ファイアウォールをブチ破り、カウンターすら受けつけず、未だ正体不明なハッカー、そいつは現在私のスマホに住み着いていた。


 あの日、裕治が言った夢物語のような言葉、それがあながち冗談じゃない気がしてならなかった。


 少なくともあの時いた5人は、ハッカーの正体を知っているということになる。



「はぁ、次はタイムマシーンでも作る気?」

「そんなもの、作る気なんてないよ」

 由香は、思わず呆れそうになる。


 作る気なんてない、つまり作れないこともないということに捉えてしまったのだ。

 どこかの青い猫ロボットのような、その内便利だからとかいう理由だけで不思議なポケットとかも作り出しそうだ。


「はぁ、それよりハッカーさん、今私のスマホに入っているけど疑われないよね」

「それは大丈夫。ぜーんぶ海外のサーバーとかで飛ばしてるから」

 元々、世界を旅していた裕治だったので複数のアドレスや機器など沢山保有していたせいで探す行為は不可能に近い。



「はぁ、それより何なのこのアプリ...」

「言った通り、連絡が取れるアプリだけど、あ、言った通り拡散してくれた?」

「しました。クラスメイトには、事情を話してるから」

「いや~警官もいるのにね」

「それに関しては、警察自体の汚職ファイルを探してくれってきたよ」

「あはは、全く変人クラスはそのままか」

「一番の変人?が何を言うか」

 人工知能という人の存在からかけ離れた裕治に変人という言葉少し可笑しな感覚だった。


「あ、少しお願いがあるけどいい?」

「ん?別にいいよ。まぁ、今の僕に叶えられるものなら何でも」

「なら、花恋(かれん)先輩に「無理だな」」

 由香が言いかけの所、途中で遮られてしまった。


「とりあえず、話だけでも聞いてお願いだから」

「はぁ、仕方ない聞くだけ聞くか」

「いきなり本題に入るけど花恋先輩実は今」

「僕が死んでしまって引きこもってしまったか?確かに僕の責任だけどね...」

「知ってたの?」

「考えたら誰でも分かるよ。けど今の僕が彼女の所に行っても彼女の思いは受けとめきれないんだよ」

「何故?」

「体がないからだ。これは生きているとは言わないし、あいつは剣じゃないと理解できないよ」

 裕治自身は行きたいという気持ちではあったが、体がない今の状態であった所であまり意味がないと判断したのだ。


 何か言いたいことがあるならば剣で交わせ、花伝での教えなのか、体がない今の裕治では難しい問題だった。


「体ならありますよ」

 いきなり会話に入って来たのは裕治が作ったAI、 シララだった。


「そんなもの作った記憶は、ないんだけど」

「忘れちゃったんですかご主人様、二人目のAIを作ろうとした時に私と一緒に作ってたじゃないですか?」

 裕治は、自分の中での記憶を整理し、一つの画像を取り出した。


「あぁ、そういえばそんなもの作ってたな。理由までは覚えてなかったわ」

「なら、それ使えばいいんじゃないの?」

「・・・いや、作ったけど、サイズがね。まぁいいか」

「よし!」

 シララが思わずガッツポーズを取った。


「はぁ、お願い由香迎えに来てくれる?」

「わかったわ。流石に離れすぎているもんね」

「まぁ、それもあるんだけどね」

 何か言いかけたようにも見えたが裕治は、そのまま電源を切ってしまった。


 由香は、とりあえず車を用意し裕治の館へと向かった。


「相変わらず不気味な場所、まぁ、静かだから仕事には向いているかもね」

 そんな一人ごとを言いながらも由香は、館の扉を開けるとそこにはメイド服を着た少女とまるで入院者の格好みたいな服を着た少年が立っていた。


「えっと...誰?」

「見て分からないか、僕しかないだろ」

「いや~ご主人様ステキですよ」

 そういいながら少女は、少年に抱き着いている。


「えっと、そっちはシララさんってことは、まさか裕治なの!?」

 白い髪にが短く綺麗に切られており、背丈などはその辺の小学生と変わらず、声までもいつもと違いまるで少し幼くなっていた。


「偉く可愛くなったものね。ふふっ」

 由香は、思わず笑わずにはいられなかった。


「仕方ないだろ。体を作るコストが高いんだから。ちゃんと人間ぽく作れてこれが限界だ」

「ほんと、ロボットとは、思えない。肌の質感もパッと見じゃ分からない」

「やめろやめろ、そんな触らないでくれ」

 由香は、興味ありげに髪や頬を触る。


「あ、ごめんつい」

「はぁ、合いに行く前に服を買わないとな」

「私も!私も連れて行って下さい!」

「シララ出たら、誰がこの屋敷の管理をするんだ」

「超強力防衛システムを作動しときます!!」

 シララからは、「絶対に付いていきますからね」という威圧的なまでの視線が飛んでくる。


「はぁ、わかった。わかったから」

「えへへ」

「はぁ~」

 一体何をどうしたらこんなAiになってしまったのであろうか裕治は、重い溜め息を吐くのだった。


 裕治達は、館を出ると鍵を閉める。


 鍵を閉めた瞬間、全ての窓のカーテンが閉まり、玄関の扉が一瞬ビリッと電気が走る。


「えっと...何したの?」

「トラップの館にした。まぁ、人体実験では死人はでてないから大丈夫だよ。多分」

 何故か目を逸らし、誤魔化す裕治


「それ、もしかして私達が迂闊に扉を開けたら...」

「・・・大丈夫あの時はほら、ラボに籠っていたから、ね」

「はぁ~あの時最初に扉に触れたのが龍ヶ崎くんでよかったわ」

 そんな話をした後、一同は車に乗り込み近くのショッピングモールまで走らせる。


「あ、由香、電話貸して」

「はいはい」

 由香から、電話を受け取ると裕治は、花恋にメッセージを送る。


「あ、既読が着いたけど、返事がないか」

「私もそんな感じだったかな」

「まぁ、それなら電話するだけだな」

「本人はでないと思うけど」

 そんなこと気にせずに裕治は、花恋に電話をかける。


 コールが鳴り続けるも出る様子はなかった。


「仕方ない。強制的に声を聞かせてやるか」

 裕治は、再び電話を鳴らし強制的に電話を繋げる。


「おい、聞いているだろ。昼にそっちに向かう。その腑抜けたお前を叩き起こしてやるよ!!」

 裕治は、そう言ったあとそのまま電話を切った。


「ちゃんと聞いてるかな?」

「既読がついた時点で起きてるから問題は、ないだろう」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 花恋side


 暗い部屋の中、彼を失ってから私は、閉じ籠った。


 私の目標だった。

 私の希望だった。

 そんな彼が死んでしまった現実を私は受け止められなかった。

 少女を救い死んだ彼のことが今も忘れることができなかった。

 彼らしい死に方だったのだろうか、だが私は、それに納得はしなかった。


 スマホが光、反射的にその画面を見てしまう。


「由香か...」

 裕治を通して彼女と仲良くなったが正直今はあまり会いたくはなかった。

 だが、彼女から送られてきたメッセージを見て思わず息が止まりそうになる。


『裕治は、生きている』

 何の冗談か由香から送られてきたメッセージ、信じたいが葬式で見た顔を思い出す。


「ほんと、悪い冗談だ...」

 そう呟き、花恋再び目を閉じる。


 そして再び、携帯から着信音が鳴る。


『今日の昼、そちらに向かう!』

 明らかに丁寧な由香の言葉ではないものだったが花恋は、そんなことを意識して見てはなかった。


 そして再び電話が鳴り始める、今度は電話がかかってきた。

 思い出したくもにない気持ち、その電話を取るのが果てしなく怖かった。


 その電話を取ることなく、再び目を瞑ろうとした瞬間再び電話が鳴り出す。


 突然、ブツッと音と共に何故か強制的に電話が繋がった。


「おい、聞いているだろ。昼にそっちに向かう。その腑抜けたお前を叩き起こしてやるよ!!」

 由香の声は、かけ離れた男の声、少し幼くも聞き覚えのあるその男性の声に思わず反応してしまった。


「裕治...」

 返事もできぬまま一方的に、電話は切られた。


 きっと何かの夢だ、そう思いたかったが、携帯の履歴を見ては信じるしかなかった。


「こんなことするのは、あいつぐらいだな...」

 そういい自分の部屋にある鏡で自分の姿を見る。


「酷い顔だな。あいつが来るんだゆっくりは、してられないな」

 花恋は、そういうと自室の扉を開ける。

 ほんの一枚の扉、開けるのが重いとまで感じた扉が嘘かのように簡単に開いた。


「先ずは、風呂だな!」

 花恋は、そういい長い髪を後ろで束ねポニーテールを作る。


 花伝継承者、花街(はなまち)花恋当時の姿に戻りつつあったのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 そのころショッピングモールに辿り着いた裕治だったが、普通に歩いているだけで変に注目されていた。


「何あれなんかの撮影?」

「外国人の二人かな。あの女性は親?それにしても若いわね」

 メイド服に白い病院服ぽい格好のせいか目立ちまくっていた。


「先ずは着替えね。その服を早く変えないとね」

「それもそうだな。お金あるし服を買ってくるか」

「はい、行きましょご主人様」

 服屋に入るだけでキャッキャと声が聞こえてくる。


「いらっしゃいませお客様、よかったら私にコーデを選ばせてくれませんか?」

 店に入るといきなり女性店員に話かけられ何故か顔を赤くしながら話しかけられる。


「えっと、その...」

「適当に見繕って貰おうかな」

「私は、ご主人様に選んで欲しいです」

「わかったよ、シララの服は、僕が見るよ。店員さんお願いできますか?」

「はい!!、ありがとうございます!!」

 店員は、深いお辞儀をしてくる。


「身長は、140cmちょっと、股下55cmぐらいかな。あまり目立たない格好で、詳しくは、別に測らなくていいよ。予算は、特に気にしないから」

 裕治は、店員にそう言い残すと、シララの服装を探しに行った。


「これでしょ」

「これとこれも合わせるべきよ!」

「何言ってるのこっちの服でしょ」

 女性店員は、慌てて服を探す中、裕治は、シララの服装を手早く取っていく。


「よし、シララちょっと着てこい」

「分かりました。ご主人様」

 シララは、裕治が見繕った服を手に取り早速試着室に入っていく。


 ほんの数秒で着替えたのか、シララは、そのままカーテンを開ける。


「如何でしょうか?ご主人様」

夏らしい、涼しさを意識した白のワンピースに麦わら帽子、手首にピンクの小さな腕時計、どこの二次元キャラですか?と質問されてもおかしくはなかった。


「流石元アイドル...」

「それは、ネット上ででしょ。よく似合ってるぞ、シララ」

「ありがとうございます!」

 反則級の笑顔見せられ、そこに居合わせた人も思わずシララの方に目がいってしまった。


「ご用意できました!」

 シララの買う服が決まったあと店員が元気な声で呼びに来てくれた。


「ありがとう」

 裕治は、そのまま服やズボンを受け取り試着室で着替えていく。


 1,2分程度たち裕治は、カーテンを開ける。

 さっきまで来ていた衣装のせいかまるで別人のような印象を持った。

 

 ズボンは、青の濃いズボン、上は無生地の服、上着に黒い上着を羽織っていた。

 ボーイッシュをイメージしたのか元気のある男の子の感じを残しつ少し大人びた服装になった。

 ワンポイントとしてズボンを少し捲り脚をよく見せて印象を少しでも変えた所だろう。


「良く似合ってます!」

「馬子にも衣装だな。さっきと別人だな」

「ふむ、それじゃこれら全部買うよ。着ていくのでタグとか全部取ってくれる?」

「は、はい。わかりました」

 あっさりと決めてしまったことに驚いたのか店員は、思わず慌てていく。


「あ、あのあの最後に写真を撮らせてもらってもいいでしょうか?」

「すみません、写真はNGで、じゃ、クレジットで」

「ブラ...はい、お買い上げありがとうございます」

 ブラックカードで支払いを済ませ、そのまま店を出ていく。


「由香も何か欲しかった?」

「え、私は別に欲しいものとかないかな」

「別に遠慮なしに何でもいいよ」

「いや、これ以上目立ちたくない。てかなんで写真は、NGにしたの?」

「SNSとかに拡散されたくないからかな。変に注目を集めるし」

「既に変な注目は浴びているでしょ。そんなの盗撮とかされてるんじゃ」

「それに関してはご安心、カメラで撮ろうとしてピントがまともに合わないと思うので」

 シララが何故か自身満々な顔を向ける。


「どういうこと?」

「電子機器に干渉してピントをずらして、ぼかして誰か分からないようにしてる」

「なるほどね。故障とかしないの?」

「そこら辺は大丈夫、しばらくすると勝手に元に戻るよ。さて、買い物もこれくらいにしてさっさと行くか!!」

「はぁ、ほんとデタラメすぎる...」

 車に乗り込みそのまま花恋の家へと向かった。


 ちなみに余談だが、SNS上では、裕治達の話で話題となった。

 だが、写真という写真が全てぼかして写されていたせいか、そんな話題はすぐに消えてしまい。

 ある意味、幻の人物として扱われるようになった。


Twitter ID @Loewe0126

投稿日など報告しています。

DMで好きなキャラなど言ってくれたらそれを閑話で書こうかと思っています。

質問箱も用意しますので気軽に絡んでくれて結構です。


よかったら、ブクマ、感想をお願いします。

誤字報告ありがとうございます。

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