71 休日
レオンは、気がついたらいつも寝ているベットで寝ていた。
「主!!」
起きたレオンに、シルヴィは、そのまま抱きついてくる。
「シルヴィ重いんだけど」
「まぁ、そう言ってやるな。何しろ二日は寝ていたんだからな」
シルヴィの声を聞いてやってきたジギルが、そう言った。
「二日も寝てたのか...」
「もう、あんな真似をするんじゃないぞ!?」
「わかったわかったら少し緩めて首が絞まっているから」
更にシルヴィにより強く抱きしめられる。
「レオンくん!」
「レオン様!」
起きたと分かったレオンにアイラとルナリアが部屋に入って来ては抱きしめられる。
「ちょ、ちょっと」
「あなた達、レオンを放さないとまた倒れるわよ」
「苦しい...」
倒れそうになるレオンを見て、ユリアは、二人に離れるようにいった。
「助かった...」
「全く、約束も破って無茶しすぎよ。途中で領を守ってくれたのは助かったけどね」
レオンは、そのままユリアにも抱きしめられる。
先ほどとは違い大きく包み込まれ優しいく頭を撫でられる。
「さて、あなたは、少なくても三日は安静にしてないとだめよ」
「うん、わかったよ」
レオンは、そういった後、お腹からぐぅ~と音がなる。
「あらあら、二日も寝ていたから当然よね。直ぐに準備するわ」
ユリアは、突然なことで思わず笑ってしまった。
レオンは、そのままご飯を食べると庭には出て良い許可を貰い少し歩いていた。
「二日も寝てしまったから少し歩きずらいな。そういえば、あのライフルはどこに一旦だろう?」
レオンは、握ったはずの右手に目を向けると手首に何かが巻き付いていた。
「主よ、それは何なんじゃ?」
「そう言われても分からないんだけど」
レオンは、眠る前に眺めたライフルの形を思い出した。
その瞬間、手首に巻き付いていたものが消えレオンの手には、ライフルが握られていた。
「これは!?」
「主?それは先日の呪いの武器か?」
「多分そうだと思うんだけど」
ライフルを見ているレオンは、先ほどどうやって出したのだろうと思っていると、そのまま再び手首に巻き付いた。
「これは、凄いな」
再びライフルをイメージするとライフルが現れる。
「呪いの武器だったものだと思うけど」
「体調とかは大丈夫か?」
「別に怠いという感じもないかな。それにしても思ったものより軽いな」
レオンは、弾などはどうしているのだろうと弾薬を確認するが弾薬はもちろんなし、どういった原理なのか一切わからなかった。
「魔力か」
レオンは、黒い塊が放っていたことを思い出し、ライフルへ魔力を流すとライフルからカチャンと音がなる。
「う~ん、とりあえず、空中に放つか」
レオンは、ライフルを空中に向けそのまま放つとそのまま雲を突き抜け発射される。
「少しだけしか流してないんだけどな...」
レオンは、そこまで威力と射程距離が高いとは思わず少し不思議に思ったが夜の戦いを思い出し納得する。
接近戦をやらず魔法攻撃での戦闘だったのでこの武器にその魔力が集まっていたのだ。
魔力が効かないということではなく魔力が吸収されて効いていないように見えたのだった。
「魔力を吸収し、それを放つことができるか。この世界では過ぎた武器だと思うんだけど」
「魔力、それはただ放つだけなのか?」
「うーん、風魔法を意識したら変わるかもしれないけど流石に魔力がないからな。確かめるの今は、いいや。なんか久々にのんびり過ごせるなぁ」
「そうじゃな。今はゆっくり休め」
レオンは、庭に寝転がりそのまま寝てしまった。
木のおかげで日差しも入らず、心地よい風がなびいてくる。
元の世界と違いこちらでは自然が多いためか、空気が美味しく感じ夏でも涼しい環境であった。
ゆっくりと過ごしている中、誰かが近づいてくる感覚があり思わず目を開けるとそのまま見知った顔の人物に抱きしめられる。
「み、ミュウ、どうしてここに」
「走ってきた」
「走ってきたって...」
クロードウィル領は、広く屋敷から平民が住むところからは結構離れていた。
「強化魔法を使ったら結構早く着けるぜ」
「リアムまでいるのか...ということはマリーもいるよね」
「もうリアム、見つけても勝手に入っちゃダメでしょ。ミュウもね!」
「まぁ、あまり気にしなくていいよマリー」
ミュウは、マリーに怒られ抱き着くのを止め、リアムは、思わずその場で正座をした。
「よし、レオン勝負だ」
「う~ん、三日はまともに魔法が使えないんだけど」
「え、なんで?」
「えっと、それは...」
「少し前に夜の防御魔法...」
「え、何かあったの?」
ミュウが夜の出来事を見ていたのか、突然そう言った。
「良く知らないけど。夜に防御魔法が張ってるのを見た」
「まぁ、そうだね。主にそれが原因かな」
「あの時は、流石の妾も焦ったのじゃ」
「魔物が出たの?」
「そんなところだよ。だから今日は戦うのをやめ...」
レオンは、そう言いかけたがこれはこれでライフルの特性の実験になるのではないかと考えてしまう。
「主...」
「わ、わかってるよ」
シルヴィは、レオンが何を考えたのかわかったのかジト目でこちらを見てくる。
「はぁ、そういうことで暫くは、森にも入れないし。勝負もできないよ」
「はぁ、折角ここまで来たのにな~」
「まぁ、まぁ。今日はゆっくりしようよ。いい天気なんだから」
「なんだか、爺臭いぞ」
「うぐっ」
リアムに、痛いところをつかれレオンは、精神的にダメージを受けた。
そして、そのままミュウとマリーもレオンと同じように 木の陰で寝転がりそのまま眠ってしまったのだった。
ちなみに、リアムは、ジギルの元まで行き剣の稽古をつけて貰っていたそうだ。
Twitter ID @Loewe0126
投稿日など報告しています。
DMで好きなキャラなど言ってくれたらそれを閑話で書こうかと思っています。
質問箱も用意しますので気軽に絡んでくれて結構です。
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誤字報告ありがとうございます。




