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男の子なのになぜか聖女と呼ばれてます...  作者: レーヴェ
6.学園イベント
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61 ダンジョン依頼 後半

「おら!、さっきの威勢はどうしたどうした?」

 意気揚々とリーダーは、剣を張ってくる。


 そのまま、リアムの剣を弾き身体に切り刻んでいく。


「まず1人、男は、いらねぇからな。悪く思うなよ」

 リーダーは、高らかに笑いだす。


「なぁ、レオンあれって何見てるの?」

「なんならリアムも見てみる?」

「い、いや遠慮しておく...」

 リアムは、露骨に嫌そうな顔してレオンの誘いを断る。


 レオン達は、ただそのリーダーを傍観しているだけだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

時間を少し戻そう


「油断するなよ。この階層に来れる時点で戦い慣れしてるからな」

「「「「おう!!」」」」

 リーダーの声と共に襲いかかってきた。


「まぁ、こっちもただ待っていただけじゃないんだけどな。さぁ、物語を始めよう、プロローグ(始まりを告げる言葉)

 レオンは、神具を取り出し詠唱を始める。


「リアム!」

「あいよ」

 リーダーからの一撃目をリアムは軽々と剣で受け止める。


「このガキ!」

「まぁ、とりあえず。レオン」

「さぁ、誘おう夢の世界へ深き眠りへ(ヒュプノス)

 レオンの神具の形が変わり武器とは、似つかわしくない枕がその手に握られていた。



「最高で最悪なる夢を滅びの悪夢(モルペウス)

「どうなって...」

 誘拐犯全員眠りにつき先ほどの体験をすることとなっている。



「今頃彼らは僕らを倒した夢を見て、きっとそれから最悪な結末を迎えてるんじゃないかな?」

「その枕、そんな効果があるなんて」

「ふかふか、気持ちよさそう」

 ミュウが、枕をポンポンと叩いてくる。


「枕自体には眠りの作用しかないけどね。あくまで夢を見せているのは別のものなんだけどね」

「だから2回神具の詠唱をしたのか、でも枕から変わってないけど?」

「もう一つの神具も形は、枕だからだよ。まぁ、こっちは夢を操るんだけどね。これで攫った者の情報も聞き出せるだろってことでやってみたんだけど、結構魔力が消費されてしまったなぁ」

「一気に2回も新しい神具を出すからじゃ。ほれ肩をかしてやるからさっさと帰るとするぞ」

 シルヴィがレオンを支え、地上に帰るためのゲートへと向かう。


 ダンジョン内では、5、10と間隔をあけて、帰還ゲートが用意されてある。

 もちろん帰還ゲートが無いダンジョンも中にはあるがほとんどが帰還ゲートが設置されているらしい。


 どういった原理か分からずその階層まで行っておいたら再びその階層から始めることもできるといった仕掛けになっている。



「シルヴィ、少しおぶってくれる?眠ってあいつらの情報聞くから」

「了解じゃ」

シルヴィは、軽々とレオンをおんぶし、レオンは、その背中によりかかるように眠る。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

夢の中


「さてと、もう満足でしょうか?ここから悪夢の時間です」

 愉悦に浸っていた誘拐犯は、その声を聴き慌て始める。


 先ほど切り捨てたリアムも消えていきまるで何事もなかったような現場となった。


「誘拐した者の場所を教えてもらいたいのですが?まぁ、素直に教えてくれるとは思えませんね」

「どこにいやがる!さっさと姿を出せ!」

 不適な笑みを浮かべレオンは、ゆっくりと暗闇の中から姿を出す。


「お前ら殺れ」

 4人一斉に、レオンに対し剣を突き刺すが、まるで幻を切っているかのように剣は身体を突き抜ける。


「まぁ、悪くは思わないで下さい」

 レオンは、無詠唱で魔法を使い、4人の身体に大きな穴を空ける。


 その姿に思わずリーダーの男は、恐怖する。

 いたいけな子供に瞬殺される仲間達、周りにはその仲間の血溜まりができていた。

 そう、本能で分かってしまったのだ、その強さが...


「もう一度、聞きますね。拐った者は、どこにいる?教えてあげたら先ほど殺した者も生き返らせてあげても構いませんけど」

「へ、そんなことできるわけが...」

 そう言うと、レオンは、1人実際に蘇生させて見せた。



「俺は、殺されて...なんで?」

「嘘だろ...」

 リーダーには、その光景が信じられなかった。

 死者を蘇生させる魔法など聞いたこともないからだ。


 まるで()でも見てるかのようだったが、目の前の仲間を見てリーダーは、信じるしかなかった。



「さぁ、どうだ満足だろ?」

 そう言うとレオンは、再び生き返らせた男を殺す。


「ま、待ってくれ。分かった教える、教えるから、これ以上は...」

 リーダーは、素直に情報を提供した。


「も、もう良いだろ。仲間を生き返らせてくれ」

「そうだな」

 レオンは、全員生き返らせ、姿を消した。


 だが、これはあくまで夢の中、これから始まる悪夢に誘拐犯達は、ただ恐怖するしかなかった。


 ドンッと巨大な足音、安全地帯であるはずの場所から想像もつかない足音が聞こえてくる。


「なんだ今の?」

「わ、分かりません」


 ドン、ドンと巨大な足音が暗闇の中から聞こえ、地響きが伝わってくる。


「ここは、安全地帯なんだよな?」

「はい!そのはずです」

 リーダーは、迫る恐怖に思わずキレ気味に仲間に言った。


 そして、安全地帯である場所の地面が割れ始める。


(嘘だろ?)

 地面から巨大な腕が突き出て、仲間をまるで虫を叩き潰すように殺した。


 災害とも言われる最悪な巨人型の魔物、ギガース...


 そんな魔物は、下の地面を突き破り顔を覗かせる。


(これは、夢だ。夢だ。夢だ)

 リーダーは、そう考えるしかなかった。


 目の前で潰される仲間の悲鳴がダンジョン内を木霊する。


「は、ハハ、ハハハハ」

 リーダーは、狂ったように笑うしかなかった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ん、はぁ〜、ありがとうシルヴィ、もう良いよ」

「ん?もう起きたのか?」

「うん、情報は、聞き出せたよ」

「そうか、まぁ、もうギルドに着くがな」

ダンジョンの出口手前で目を覚め、レオン達は、ダンジョンから出る。


「レオン!大丈夫か?怪我はないか?」

「大丈夫だよ、ルミ姉ちゃん、だから離して」

「す、すまん」

出てきたすぐ、鎧を着たルミに抱きしめられる。


「誘拐犯は、5層の安全地帯に眠ってるよ。あと、誘拐された子供の情報も聞き出せたよ」

「分かった。誘拐犯には、私が行こう。情報は、騎士団に話してくれ」

 ルミは、急いで誘拐犯達を捕まえるため、部下を何人か連れて行き、5階層へと向かった。



「騎士団の方に行く前に依頼を報告しておこうか?」

「あれで難易度C⁺か、レオンがいたから案外あっさり終わったな」

 受付嬢に話しをやり無事に依頼を達成、さらに聞き出した情報提供で追加報酬を受け取った。


 すっかり疲れて切ったレオン達は、今日は早めに屋敷に戻るのだった。


Twitter ID @Loewe0126

投稿日など報告しています。

DMで好きなキャラなど言ってくれたらそれを閑話で書こうかと思っています。

質問箱も用意しますので気軽に絡んでくれて結構です。


よかったら、ブクマ、感想をお願いします。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ストーリー自体は楽しく読ませて頂いてます。この先どうなるのか、とても興味深いです。 [気になる点] どの場面にも「とりあいず」という単語を使用していますが「とりあえず」ではないでしょうか?…
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