6 修行2日目厄介ごとは起きるのがセオリー?
移動2日目
旅は順調に進み予定よりも早く王都に着くらしい。
まぁこんなに平和なら何かイベントごとがあってもおかしくないな。
あ、今のフラグか
「これは?」
「どうしたのお父様?」
「いや、魔力反応の数が多くてな多分魔物だろう。ちょうどいい今日の修行は魔物討伐だ。」
「はぁ〜」
レオンはため息をつき馬車から降りて戦闘の準備をした。
ふむ、確かに魔物が近寄ってきてるが、魔物前を全力で走って逃げてくる女性の姿が見える。
「ねぇ、あれって」
「うむ、犯罪行為に近いが少し妙だな。魔物が多すぎる。まぁ、助けてやれ」
ジギルは呆れて言った。
「だ、誰か〜たしゅけてくださーい。ま、魔物に追われて」
「あれはプレーリーウルフだな。群れていたらDランクの冒険者でもやっとのレベルだな。数は7匹だが、
まぁ、お前なら余裕だと思うが油断はするなよ」
ジギルはそういうと鞄から剣を取り出し、レオンに渡した。
ふむ、鉄の剣は重いな。
「助けてやるから早く馬車の方へ行ってくれ」
「へぇ?あ、危ないですよ。子供であの数は...」
「いいからさっさと来い。死にたいのか!?」
ジギルが女性を叱りつけるよう言った。
「は、はい」
突然なことに驚いたのか女性は馬車の方へ向かっていった。
うーん、どうやってやろうかな?
「試してみるか」
そういうと、バチバチと剣に魔法の電気を付与した。
プレーリーウルフ達はグルルと唸りながらレオンを警戒していた。
足と手に最大までエンチャントをかけてと
ドンッと雷のような音が鳴り響きプレーリーウルフが次々と倒れていった。
プレーリーウルフの死因は剣にエンチェントした電気でのショック死である。
剣に電気を流し、切った瞬間に魔力を流し電気の威力を調整したのだ。
「助けてくれてありがとうございます」
助けた女性がそう言ってきたのだが、耳が尖っているのでどうやらエルフのようだ。
容姿が綺麗で金髪がよく似合っている。
さすがエルフ、そして何より胸が...
そう胸が大きいのだ
まぁ、そんな事は置いといて、ひとまず
「彼の者を縛り給え、《バインド》」
レオンはそう唱えると鎖が現れエルフを縛り上げた。
「きゃあ」
エルフは突然のことで驚いている。
「ど、どうしてこんなことを...」
「まぁ、一応犯罪行為をした事だし逃げられるのも面倒なので縛っておこうかと」
「に、逃げませんよ。てか、犯罪行為って何ですか?」
「なんだ知らないのか?他の人に魔物を擦りつける行為は殺人と一緒だぞ。」
「うぐ、だって仕方ないじゃないですか。仲間には逃げられ狼達はこちらに向かってくるんですから」
と言い訳を始めた。
スンスン、クンカクンカ
「あの〜、一体何を?」
レオンはエルフの近くで嗅いでいた。
「臭いな」
「し、失礼ですよ。いきなり、ちゃんと毎日シャワーだってしてるし、絶対臭くはありません」
臭いと言われたのがショックなのか...
「お前の事だがそういう意味じゃない。」
「これは臭い袋だな。ウルフなどの鼻が利く魔物を呼び寄せるものだな。まぁバインドしたままだが王都に連れて行こうか、ここからそう離れてないしな」
ジギルはそういうと馬車に戻っていった。
ちなみに臭い袋は証拠になる為ジギルの鞄にいれられた。
「お父様その袋鞄に入れても大丈夫なんですか?」
「あぁ、この鞄はマジックバックになっているから問題ない。臭いは出ないし容量も相当入るしな。どんなサイズだろうと容量が空いていたら何でも入るようになっている。」
ちょ〜便利だな。
欲しい
ちなみに商人などは殆ど持っているそうだ。
マジックバックは温度や時間が停止している空間の為、商人の必須アイテムとか言われている。
エルフは泣きながら馬車に入り、後々マリーやミュウに慰めてもらっていた。




