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男の子なのになぜか聖女と呼ばれてます...  作者: レーヴェ
5.学園生活
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閑話 賢者の書

 私の名は、アテナイ。

 大昔、賢者と呼ばれ、恐らく君達の知るのは、物語の八人の英雄の一人と認識されるであろう。

 否、正確には、私は、英雄ではない。

 この本は、その英雄、いや勇者の話を記すものだ。



 今、この世界の半分以上は壊滅と言っても過言ではない。

 魔王によって滅ぼされた国々は、数多く、そんな生き残りが集まった連合国エンデが最後の砦となっていた。


 エンデでは、あらゆる種族が一致団結し、魔王に対し準備をしていた。

 こうしたおいしい食事や寝床が残っているのも全種族が知恵を使いなんとか住める環境を整えていったからだ。


 だが、いくら住める環境を整えたところで魔王に戦う術はなく、私達は、全員神に祈るしかなかった。


 そして奇跡は起きた、それが一枚の破れたページ、そこに書かれていたとある召喚魔法、そう勇者召喚だ。


 神殿でいつの間にか置いてあったこの魔法を使い、私達は希望の光、勇者を呼び出したのだったがこんな小僧、小娘が勇者とは思いもしなかった。


「ここは一体どこだ?」

 勇者達の記念すべき一言めがそれだった。

 当然と言えば当然だろう。

 気づいたら知らない場所にいて知らない人達に囲まれていたのだから。


 私達は、勇者に事の経緯を全て話し、協力をできるように懇願した。

 もちろん、そう簡単に信じてはもらえなかった。

 だが、魔法やこの国の外側を見てもらいやっと本当の話という事で信用はされたようだった。


 男子5人に女子3人それぞれ皆、同じような服装をしていた。


 せいふく?というやつを着ており、彼らは、まだ学生らしい。

 こんな、年端もいかない若者達が本当に勇者なのかと一同は思った。


 だが、この者達に特別な力を身に着けていたのは鑑定を使用したらすぐにわかった。

 勇者達には、特殊な魔法、固有スキルが備わっていた。

 それは様々な能力を持っており、すぐに勇者としての片鱗を見せた。

 剣術に優れたものや回復に優れたもの、弓術や錬金などと8人それぞれに固有スキルが備わっていた。


 勇者達が来てから一年の月日が経ち、その月日の間、勇者たちを鍛え、その時賢者だった私が勇者の案内役兼サポート役として勇者と一緒に冒険することになった。


 荒れ果てた大地を歩き、波が激しい海を越え、全員満身創痍になりながらも魔王を討った。


 だが、魔王を討ったとしても土地が元に戻ることはない。

 土地は荒れ果てたまま、緑豊かな大地が戻るはずもなく、死んだ者の命も戻ることはない。


 しかし、魔王がいなくなったことによって連合国エンデでは、技術が大きく発展していった。


 主に、錬金術の使い手・モリヒコが中心となって国は、がらりと変わってしまった。

 太陽を利用し魔力に変換するものや物を複製していくもの、地下に大きな避難所などと色々作り、兵士の戦力の拡大として強力な武器を作った。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 月が綺麗な真夜中、街の光が消え月明りのみがある暗闇に2人の姿がそこにあった。


「全く、お主の錬金術は凄いものだな」

「あぁ、アテナイか、どうしたんだこんな真夜中に?」

「いや、少しお主と話しをしたくてな」

 少し思いつめたような顔をしながらアテナイは、モリヒコと話しをする。


「お前は、本当に元の世界に帰るのか?」

「そうだね、元の世界に親もいるし、友達もいる。なによりこの世界の為には、僕たちはこの世界にいてはいけないんだよ」

「どういうことだ?」

「僕たち8人の固有スキル、これはこの世界では異質すぎるんだ。もしこの連合国の代表である者達が勇者を取り入れてしまったら間違いなく戦争が起きてしまう」

「つまり、勇者たちが戦争の火種となると...」

 モリヒコは、少し真剣な顔つきでアテナイに話す。


「少し前、この世界に残らないかと言われた所だ。まぁ、帰る手段が未だに発見されていないし、研究家達も、半分諦めているだろう。とある人から、女性や大金などなんでも渡すから専属になってくれとまで言われたぐらいだからな」

 モリヒコは、少し笑いながらアテナイに言った。


 アテナイは、そのモリヒコの表情がとても辛そうだと感じた。

 魔王と戦った時、最も貢献したのはモリヒコだと言える。

 魔力を回復させるポーション、壁を作り攻撃を防いだり、咄嗟の錬金で武器を変幻自在に形を変え魔物を倒していった。

 サポート役であるはずの錬金術師と思えない活躍、アテナイの中で、勇者パーティーの中で最も強いと思っている。

  


「僕たちの世界では戦争の歴史が多かったからね。自然とそんな考えが出ただけだよ。さ、もう寝ようか続きは、また明日ね」

 悲しそうな笑顔を向けモリヒコは、自室に戻っていった。


 そして、それが彼の最後の笑顔と知れずただ最悪の時を迎えた。


 とある会議、聖女と名乗る者からの一言

「勇者の一人・モリヒコが真の魔王だ」と告げた。


 一同は、慌てふためく。

 あれ程戦いに貢献し国を発展させた人物が本当に魔王なのかと?

 だが、そんな思考を巡らせると一人の兵士がモリヒコに剣を向ける。


「もう戦争はこりごりなんだ大人しくここで死んでくれ」

「モリヒコ!!」

 アテナイは、モリヒコに捕まり咄嗟に緊急避難用のテレポートを発動した。


「はぁ、はぁ。大丈夫か?」

 詠唱を省略して移動したせいかアテナイは、少し疲れてしまった。



「それはこっちのセリフなんだけど、ほらポーション」

 モリヒコは、自分で作った魔法バックからポーションを取り出しアテナイに渡す。


「ありがとう」

 アテナイは、少し照れながらポーションを受け取る。


「さてと、これから魔王として生きるのか...いっそのこと自殺した方がことは進みそうだが、あれを見る限りそんなことは出来なさそうだな」

 モリヒコは、天に向けて指をさす。


 アテナイも思わずモリヒコが指さした方を見る。

 そして信じられない光景を見ることとなった。


「な、なんだあれは!!」

 天候がおかしいのか?それとも世界そのものがおかしいのか?空が赤色に染まり、雷の音が大地に轟く、この世の終焉を迎えるかのような雰囲気漂う空だった。


「アテナイ、とりあえず拠点を確保しようか?」

「そ、そうだな」

 モリヒコは、アテナイを連れ、魔王討伐の時に使用した仮拠点に向かった。


「モリヒコ、これからどうする気だ?」

「さぁな。あ(・)れ(・)と対決して勝てる気はしないけど、どうせ国にはもう戻れないし逆にアテナイはどうするんだ?」

「わ、私か...私も、もう国には戻れないだろう。魔王であるお前を逃がしたんだからな」

 アテナイは、笑いながらモリヒコに言った。


「それもそうだな」

 二人は、暗い洞窟の中、寒い夜を過ごしたのだった。



 翌朝、何時の間にかモリヒコは、消えていた。


 そして、手元には、一枚の紙が置かれていた。

『さよなら、親愛なるアテナイへ』

 不自然に濡れている紙をアテナイは、握り締めながら泣いた。


 私が寝ている間にどこかへと行ったのだろう?

 何故?何故、私を置いて行ったのだろうか?私にはそれが分からなかった。



 洞窟の中で泣いた後、森を彷徨い魔物を倒し、森の中でひっそりと生活出来るようにと魔法で家を作った。

 元々、エルフである私はこういった生活に慣れている。

 暫くは、ここで過ごすとしよう...


 モリヒコが、消えてから一体何日経っただろうか?

 日に日に、モリヒコに対し憎悪の感情が沸いてくる。

 思いたくない気持ちに無理やりされているかのように、あ(・)い(・)つ(・)を恨みたくなり、呪いたくなり、殺したいと思ってしまう。

 お願いだ、誰かこの感情を消してくれ、私は、私はあいつのことが...





 半年後、魔王になったモリヒコが殺された。

 死者は、数十万人、前回の魔王よりも多大な被害が生じた。


 兵士達の武器は次々と壊れ避難所となった場所では魔物が現れるようになり、そうした場所が数多くでき、いつしか「ダンジョン」と呼ばれるようになった。


 私は、モリヒコが死んだという新聞を見て思わず嬉しさと悲しさが襲ってくる。

 私は、壊れてしまったのだろうか?

 一体何時ぶりに泣いたのであろう、年甲斐もなく泣きじゃくり、何時の間にか眠っていた。


 お願いだ、この本を解読できし知性在りし者よ

 こ(・)の(・)世(・)界(・)を(・)、変(・)え(・)て(・)く(・)れ(・)... 




 賢者が書いたであろうその本の最後のページは涙で濡れたかのようにしわしわになっていた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「おい、レオンそろそろ寝たらどうじゃ?明日も学校なのじゃろってどうしたのじゃ!?」

「ああぁ、何でもない何でもない。ただ本を見て泣いていただけだから」

「そうか、それならよかったのじゃ。急に泣いておるから少し驚いたのじゃ」

「あはは、ごめんごめん。それじゃ、寝ようかってまた一緒のベットに寝るのか?」

 レオンがベット寝ようとするとシルヴィは急ぐようにベットに潜り込む。


「ふん、別にいいじゃろ。それとも主は、妾の体に欲情でもするのか?」

「しないよ。いやそういう問題じゃないんだが...まぁ、いっか」

 促されるようレオンは、ベットに入りシルヴィと共に眠るのだった。

いつもと少し違う感じで読み辛かったらすみません。

次回も閑話・元の世界での話です。

Twitter ID @Loewe0126

投稿日など報告しています。

DMで好きなキャラなど言ってくれたらそれを閑話で書こうかと思っています。

質問箱も用意しますので気軽に絡んでくれて結構です。

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