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男の子なのになぜか聖女と呼ばれてます...  作者: レーヴェ
5.学園生活
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閑話 ルミ・クロードウィル、レオンとデート?後半

 広場にある噴水、そこに一昨日選んだ白いワンピースをきたルミがいた。

 悩みに悩んだ挙句、うじうじとしているルミをみていたハーパーが無理やり着せて外に出されてしまったのだった。


「何あの美人」

「どこかのお嬢様何でしょうか?」

「綺麗...」

「ちょっと声かけてこいよ」

 広場の近くにいた人達がルミの印象をみてヒソヒソと話していた。


 そんな声が聞こえてきたのか恥かしくなりつい下を向いてしまっていた。


「お姉ちゃん?ルミお姉ちゃん?大丈夫?」

 そんな声と共にルミは思わず顔を上げ笑顔になった。


「あぁ、少し考え事をしていただけだ。行こうかレオン」

 ルミは、自然と手を差し出しレオンは思わずその手を握った。


 そんな微笑ましい姿に周りの人たちからは、仲の良い()()思わずそう見えてしまっていた。


「試験は上手くいったか?」

「うん、Aランクの冒険者相手だったけど何とか勝てたから、多分大丈夫だと思うよ」

「そうか!凄いじゃないか」

 ルミが優しくレオンの頭を撫でる。


「もう、ルミお姉ちゃん」

 レオンは、少し恥ずかしながら歩いていく。


 そんな姿を見つめるものが7人ほど遠く離れた距離から監視しているものがいた。

 


「何あの子可愛すぎなんだけど」

「あぁ、あれはルミ隊長の弟じゃなかったけ?」

「可愛い...欲しい...」

 ルミの買い物に付き合ってくれたハーパー、そしてエヴァとエブリンのグループが後をつけていた。


 そしてもう一つのグループは、ミュウ、ルナリア、リアム、そしてメイドのスティカが付添いと一緒に行動していた。


「あれ誰?」

「騎士団の方ですね。よくお見かけします」

「騎士か、強いのかなぁ?」

「あれは、レオン様の姉のルミ様ですね。てっ、そろそろ戻りますよ。後をつけるなんていけないことです」

 スティカの言葉を構いなしに3人は、コソコソと後をつけていった。


「ま、待ってください~」

 三人は、凄いスピードでレオンを追いかけ、スティカも少し出遅れたが急いで追いかけていった。



「お姉ちゃんは、どういった店をよく行くんですか?」

「そうだな。武器屋とかはよく行くな」

「武器屋とか、ふ、服屋とかかな」

 ルミは、突然のレオンの問いに慌てて自分のいった店を思い出すのだった。


「そういえば、今日は可愛い格好ですね」

「かわ、ごほん。やはり、私がこういう服を着ていたらおかしいか?」

「とっても似合ってますよ」

 ルミは、顔を赤く染め少し取り乱した反応をした。




「何あの可愛い隊長」

「やばいわ、こう女の私でもキュンとくるものが...」

「これがギャップ萌えというやつか恐ろしいな」

 エヴァは、興奮しすぎて鼻血が出てエブリンとハーパーは、ルミの可愛さにあてられ思わず下を向いていた。


 そんな三人に市民からの視線が冷たく刺さるが三人はそれどころではなかった。



「ルミお姉ちゃん次はどこにいくの?」

「そうだな。少し寄りたいところがあるからそこに寄らしてくれ」

 ルミとレオンは、色々な所に寄ったあと、スラム街の方へと歩いていった。


「ここは?」

「まぁ、入ってみれば分かるだろう」

 ルミ達は、スラム街にある少し大きくボロボロの家の扉を開けて入っていく。



「ルミお姉ちゃん~」

「ルミお姉ちゃんだ~」

「ルミ姉~」

 奥の部屋からレオンより小さな子供が次々と出てくる。


「ここは孤児院ですか?」

「あぁ、見まわりの時によく寄るようにしてるんだ」

「いらっしゃい、ルミちゃん。そちらの方は?」

 同じく奥の部屋から大人の女性が出てきた


「レオン、彼女はこの孤児院を切り盛りしている院長のソフィアだ。ソフィア、こっちは私の弟のレオンだ」

「よろしくお願いします」

「こちらこそよろしくね。しかし、ルミちゃんどうしたのその恰好?」

「い、いやこの方がいいと思ってな」

 ルミは。何故かレオンの方をちらちらと見る。


「あらあらそれもそうですね」

 何かを察したようにソフィアは、ただ微笑むだけだった。


「で、そろそろ目的を教えてくれませんか?」

「それもそうだな」

「あら、今回の協力者ということなのね」

 そうこのデートは、今回の事件の問題解決であった。


 最近、子供が失踪する事件が多くルミもそれなりに調べてはいたがが失踪の原因は不明。

 子供だちは誘拐されている可能性が高いとのことなのでわざわざ誘拐され易そうなスラム街にきて、レオンが孤児院に入ったことによって新しい孤児の子という印象を与えるためだったらしい。


 そのためルミもそれなりに目立つ格好をしていたのだった。

 ソフィアも作戦を知っていたのか協力者の一人だった。

 ソフィアとしても孤児の子も被害者となっているので黙って見過ごすことはできなかったらしい。


「なるほどね、作戦は分かったよ。つまり自分はわざと捕まればいいのね」

「すまない、それしか方法がなかったからな。捕まったら直ぐに追いかけて敵の本拠地を潰すから」

 少し殺意を向けながら犯人を絶対に許さないという気持ちでいっぱいだった。


「さてと、なら少し準備をしますか」

「ん?何をするんだ?」

「服を少し汚して、嘘泣きをしながらスラム街を歩く」

「な、なるほど」

 少しノリノリであるレオンであった。

 ルミは、そんなノリノリなレオンを見てある意味心配をしていた。




 ということでズボンの方を少し汚し、目をこすりながらレオンはスラム街を歩いていく。


「おう、嬢ちゃんどうしたんだ?」

「うっ、おねぇちゃんと、離れちゃって」

 鼻をすすりながら泣いたふりをしながらレオンは、声をかけて来たおじさん説明をした。


「そうか、そうかとりあえず泣き止みな、おじさんが一緒に探してあげるから」

「ほんとに?」

「ホント、ホント」

 そのままおじさんは、レオンの手を取りスラム街の奥へ入っていった。

 こんな時に前世の演劇での練習が役に立つなんてレオンは、思いもしなかったのだった。


「・・・」 

 そんな光景を後ろから見ているルミは終始驚いていた。

(あれ本当に演技?正直別人かと思ってしまった)

 演技がうますぎるレオンの姿に思わずルミは、感心するのだった。



「おじさん、ここは?」

「いいから入れ!」

 急に性格が変わったみたいにおじさんの性格が急変しレオンの頭をなぐり気絶させた。

 勿論レオンは、そんな攻撃を予測し、頭を守るように魔法をかけ気絶する演技をした。


「こいつは売れば結構な値段になるだろう。その前に一発楽しもうかな。ぐへへ」

 ゲスのように笑い方をしレオンを担ぎながら隠していた地下への入り口を開け入っていき、レオンを牢獄へと投げ込んだ。



「おい、ガキども大人しくしてるんだぞ」

 その牢屋の中には、少し服が汚れていた子供が5人ほど入っていた。


 そのままおじさんは、怒鳴ったあと上機嫌に地下から出ていった。


「君大丈夫?」

「うん、大丈夫だよ。それこそそっちこそ大丈夫?一応これでも助けに来たんだけどね」

 自分より小さいであろう女の子に心配されたあげく、助けに来たと言いつつ捕まっている姿にレオンは、思わず苦笑しながら答えた。


「さてと、とりあえず神具を出すか...」

 レオンは、神具を出し刀へと姿を変えて刀を檻に向ける。


「無駄ですよ。私も試したけど傷つけてもすぐに元に戻ってしまいますし」

「えっ!」

 思わずレオンは、別のことで驚いてしまう。


 暗がりでよく見えなかったが目が慣れてきて見覚えがある制服が見えてきた。

 そして、何より神具が出せるということは自分より年上だということになる。

 思わず失礼なことを思ってしまったなどと心の中で反省をした。


「まぁ、一度試してみようかな!!」

 レオンは、力一杯に刀を振り恐らく鉄格子であろう檻の柵を切ったが驚いたことに瞬時に元に戻っていく。


「あ、ありえない...」

 鉄格子をいとも簡単に壊してしまったので彼女は、驚いていた。


「なるほどね」

 レオンは、鉄格子の再生を見て一つの仮説が出てきた。

 この牢屋自体大きな神具だと考えたのだ。

 壊れたとしても時間が経ったら元に戻る性質は神具と一緒だったからだ。


「さてと、なら何度でも壊すだけだな」

「そんなことしたって...」

 レオンは、彼女の声を無視し柵を何度でも斬りまくる。

 すると、牢屋に徐々に変化していく、最初の再生速度より遅く再生するようになってきたのだ。


 壊れた神具は、2、3日かかると元に戻る。

 このことから、神具が元に戻るには何かしらの条件が必要となるということになる。

 何かしらの条件、何かしらのエネルギーだけで元に戻る。

 少なくともレオンの中でそんなエネルギー的なものは魔力しかないと考えた。


「さてと、もっと斬りまくるか...」

 斬った柵次々と落ちては消えていく、再生の速度がドンドンと落ちていき、牢屋の再生が止まってしまった。


「再生...しない...」

「さぁ、皆出ようか?」

 レオンは、手を差し伸べ子供たちを先導する。


「帰れるの?」

「帰れるよ絶対に」

 そんな会話をしていると地上から「ドォーーーン!」を凄い音が響いてきた。



「レオン!大丈夫か?」

「うん。今、絶賛潰されかけたよ」

 先ほどのおじさんを引きずり、他にも仲間であろう者達が全員気絶していた。



「す、すまぬ」

 ルミは、少ししょんぼりしながら言ってきた。

 周りを見渡すとそこら中、凍りついていた。


「はぁ、ならお返しはまた今度お願いしますね。ルミお姉ちゃん」

「あぁ、わかったよ」

 ルミは、嬉しそうに返事をしたのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 一方後をつけていた者たちは、途中レオンが演技をする前に、レオンが後をつけられていると言われた、ルミが反応し対応した。


 スティカ達は、あとでこっぴどく叱られ。


 ハーパー達には、翌日、3倍の訓練を課せられたのであった。


「「「すみませんでした~」」」

 三人のそんな声が訓練所で響くのであった。 

祝!!10万pv突破記念

皆さま、本当にありがとうございます。

こんな不定期投稿者の小説を読んでいただきとても感謝しています。

これからも頑張らないと…


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