53 シルヴィ問題
シルヴィ騒ぎの後、先ほど騎士科の時に着た体操着を渡し、透明化の魔法を駆使しながら屋敷へと帰った。
勿論、帰った後にもジギルなどに驚かれたが事情を説明し、取り急ぎシルヴィの服を用意してもらった。
用意してもらった服は、背中の方を大きく切られており、背中の翼が上手いように出ている。
「妾は、服なんぞいらんぞ」
「龍の姿ならともかく、人型で過ごすんだから着てろ。てか、その角や翼は隠せないのか?」
「無理じゃ。これは妾のあいでんてぃてぃじゃからな」
シルヴィは、誇らしげに尻尾をフリフリと振る。
「それ、意味分かって言っているのか?」
「もちろん、分からん」
何故が胸を張りながら威張ってくる。
「はぁ〜」
レオンは、思わず重いため息をついた。
「服が問題だな」
「うむ、仕方ない少し知恵をやろう」
「お前の問題なんだよ!」
無駄に威張ってくるシルヴィに対し思わずレオンは、拳骨をした。
「うぅ、痛い。いきなり拳骨をするなんて、ひどいぞ我が主よ」
「自業自得だ、さっさと知恵とやらを教えろ」
「わ、わかったのじゃ。だから、その構えている手を抑えてくれ」
レオンは、堪えきれず拳を握り締めていた。
透明化の魔法をかけながら帰っている時に、「あれはなんじゃ、これはなんじゃ」とシルヴィが見るもの全て興味深々であちこち歩き周ろうとしていたところ引きずりながら屋敷戻って来たのでレオンは、精神的に疲れていた。
「とりあえず、さっさと教えろ」
「服にしすてむ?的に付与魔法をするんじゃよ」
「つまり、服に龍の姿になったら消え、人型になると戻るようにするということか?」
「そう、そんな感じじゃ」
「そんなことできる訳ないだろう。大体、その時の服をどこに…」
レオンは、一応理屈上できないことはないことに気づく。
転移魔法で服をマジックバックに移すようにしたらできないことはないが戻った時に着せるという方法が思いつかない。
「やっぱり難しいなぁ」
転移魔法は、万能ではない、指定した場所に飛ばすことはできても呼び出して着せるみたいな某有名な魔法少女的な変身はできない。
「それなら知り合いの服屋に相談してみよう。少なくともある程度の案を持ってると思うからな」
レオンが悩んでいるのを見かねたジギルが話の内容を察し案を持ちかけた。
「解決できる服屋が居るんですか?」
「あぁ、そいつは一流の魔法服屋だからな。あらゆる付与魔法を服に付与して商売をしているからな。相談したら作ってくれるかも知れない」
ジギルの案に乗る気ではあるが実際には、ものすごい無茶振りをすることになるのではないかとレオンは内心思ってしまった。
しかし、他に方法もないのでその案を受け入れるしかなかった。
「ということでシルヴィ、次の休みまで龍化は禁止ね」
「なに!それは酷いぞ我が主よ!」
「いいから我慢してくれ」
「「「「ただいま」」」」
レオン達がそんなやり取りをしているとリアム達が帰ってきた。
シルヴィの件があり、レオンは、みんなを置いて先に帰ってしまったのだ。
幸い、ルナリアは、普段から使っている変装の魔法で髪を変化させているのでそう簡単には気づかれなかったらしい。
「あぁ、おかえり」
「何騒いでるんだ?」
「リアム、助けてくれ、僕は結構疲れた」
「なんだ、まだ召喚してたのか、帰還で戻してないのか?」
「今なんて?」
「だから、、帰還で戻「帰還」」
リアムの説明を聞かずレオンは、魔法を唱えた。
「ふう、これで解決だな」
先ほどまでいたシルヴィを帰してしまったがレオンの近くに再び魔法陣が浮かび上がる。
「こりゃ!何をする我が主よ!」
「一体どうやって戻ってきたんだ!」
再び光の中からシルヴィが出てきてレオンに抱き着きレオンは、思わず体制を崩した。
「はぁ、もう戻さないからどいてくれ」
「本当か?本当の本当なのか?」
「本当の本当だから」
説得をし、戻しても戻ってくる時点でもうどうにもできないと諦めてしまった。
「それじゃ、お願いだから暫く人の姿でいてくれ」
「うむ、わかったのじゃ」
シルヴィは、反省をしたのか少ししおらしく答えたのだった。
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