52 白銀の龍
「まさか、妾が召喚されるとは…」
光の中から現れた白銀の龍の第一声がそれだった。
「「「しゃ、喋った!」」」
生徒たちの龍に対しての第一声がそれだった。
白銀の龍は、大きく銀色の翼を広げ伸びみたいな動作をした。
「で、妾を召喚したのは貴様でいいのか?」
唯一大人であるルーカンスの方を見る。
「いや、俺ではない」
「僕ですけど…」
「ぬかせ小娘、お前一人で妾を召喚できるわけなかろう!」
「僕、男なんだけど、しかも召喚したのは僕一人だし…」
白銀の龍は、周りの生徒を見渡す。
生徒たちは、レオンの言っていることは本当だと無言に頷いていく。
「うむ、如何やら本当のようじゃな…」
白銀の龍は、生徒たちの無言の頷きを信じた。
「すまぬな小僧。我は強き者の下でしか従う気はないのじゃ」
「つまり、強さを証明しろと?」
「ふむ、お主如きに我が負けると思っているのか?」
そう言った瞬間、白銀の龍から凄まじい殺気が放たれる。
生徒の中には殺気にあてられ失神する者も出ていた。
殺気を直接あてられているにも関わらず、レオンは、何事もなかった様に平然としていた。
そのまま、レオンは、戦闘を予想し神具を出す
「お主、その神具…」
白銀の龍は、レオンの神具を見て驚いた。
「お主が、神どもが騒いでいた永遠を変える者か…」
「どういうことだ?」
「いや、なんでもない。うむ、気が変わった。お主の元なら少しは楽しめそうじゃ」
白銀の龍は、ゆっくりとレオンに向けて頭を下げた。
「先ほどの非礼を詫びよう。お主を我が主と認めよう」
「え、まぁ、これからよろしく?」
好戦的と思ったが急に手のひらを反すように謝罪をしてきて、レオンは、戸惑ってしまった。
先程までの緊迫感が一気に消えるやりとりだった。
「まぁ、こんなところで争われては面倒だったからな。正直ありがたい」
ルーカンスは、正直ホッとしていた。
巨大な姿をしている龍と今回最も魔力が多いと予想されるレオンが対決して学園が無傷では済まされないと簡単に予想されるからだ。
「少しトラブルがあったが無事全員召喚できたな。教室で説明したように最後に名前を付けて契約成立だ」
「名前か…」
「我が主よカッコイイのを頼むぞ」
(うっ、期待の眼差しが凄い)
白銀の龍は、レオンに向けて目をキラキラを輝かせてくる。
「そうだなぁ。シルヴィなんてどうかな?」
「ふむ、まぁ良かろう。そう言えば名前を聞いてなかったな。我が主よ、お主の名は?」
「レオン・クロードウィルだ。これからよろしく、シルヴィ」
その時、突然白銀の龍が光だし、光が収まったあと現れたのは裸の幼い少女だった。
レオンと同じ白い髪しかし先ほどの龍にあった立派な角が生えており、背中には銀色の翼、お尻の方には尻尾あった。
「うむ、この姿なら過ごしやすいじゃろ」
「その口調、シルヴィか!」
あまりに突然な変化にレオンは、驚いた。
「何を当然なことをいっておる。妾の主よ」
「と、とりあえず。これでも着てくれ」
レオンは、ブレザーをシルヴィに着せる。
「こんなものはいらんのじゃが」
「我慢して着といてくれ。先生、先に教室戻っていいでしょうか?」
「あ、あぁ。構わない。急いで連れて行ってくれ」
「ありがとうございます」
突然のことにルーカンスも戸惑ったが、レオンの一言で我に返り、今の状況を理解しレオン達を先に教室に戻ることを許可した。
「お、おい。我が主よそんな押さんでくれ」
「はいはい、急いでいくよ」
レオンは、シルヴィを連れ人目につかないよう透明化の魔法を使いながら教室に急いで向かっていった。
「はぁ~、初日の授業からこうなるとは…」
レオンの初日の授業は、結局バタバタとするのであった。
最近、この小説用のTwitterアカウントを作りました。
ID載せますのでフォローお願いします。
そちらで投稿日などを告知しようかなと思います。
Twitter ID @Loewe0126
質問箱など用意しますので気軽に絡んでくれて結構です。




