49 騎士科は脳筋だった。
授業初日、朝から算数の授業があった。
もちろん、それに参加はしたが肝心の授業は簡単すぎてレオンは爆睡していた
授業が終わりチャイムが鳴った。
結局、レオンは授業の始めも終わりも爆睡状態で気がついていたら昼食時間だった。
「う〜ん、よく寝た気がする」
「半日寝といて何を言ってるんだか」
算数、国語、歴史、魔法基礎、体力基礎、これらの授業を体力基礎以外は寝て過ごしてしまったレオンを見てルナリア達は、呆れていた。
「授業はちゃんと受けないと駄目ですよ」
ルナリアの発言がレオンへと突き刺さる。
「うぐっ」
「なんでそんなに眠そうなの?」
「ま、まぁ色々とね。あはは」
レオンは、無理やり笑って誤魔化した。
「まぁ、主席様にとってこんな授業は簡単でしょうね。目の前で堂々と寝られる教師の顔、あれは面白かったよ」
「グハッ」
追い打ちをかけるようにメロディが言ってくる。
それがレオンの罪悪感と思う気持ちにグサグサと刺さる。
「まぁ、別に出席点はないわけだから出なくてもいいところをわざわざ出席したのだから。ねぇ…」
レオンの言っていることは、自分に言い聞かせているようにしか聞こえなかった。
フェヒターやメロディ、他のクラスメイトも主席の強さを認めたのか、今では皆親しい仲となった。
相変わらず、休憩時間の時の勧誘が来るがSクラスの階層である4階層に他のクラスがは入ることは禁止とされているのでまだ少ない方だ。
しかし、sクラスの上級生はいるわけでその人たちが勧誘に来ることは変わらなかった。
幸いSクラスの騎士科だけなのでそこまで多い人数ではないし、まだ常識を弁えている人が多いので無理な勧誘は少ない。
精々、顔合わせ程度がほとんどだった。
「さて、冗談はさておき。昼食としようか」
昼食時間、学園内にはちゃんと食堂も作られているが、食堂は一階、降りて行った瞬間、勧誘、握手、歓喜の騒ぎまっしぐらだ。
最早、アイドル並みである。
そのため、事前にお弁当を用意し、屋上で食べることになっていた。
ちゃんと、雨対策として屋根も用意されている。
屋上には、教員とsクラスの生徒しかいない。
先程説明した通り、4階は立ち入り禁止となっているからだ。
少し不平等な気もするが、食べる所を制限されているのだからこちら側も中々迷惑を被っている。
「美味しそう」
バスケットを開き中を見たメロディの素直な感想だった。
中にはサンドイッチが入っていた。
トマト、ハム、レタス、卵と色々な種類のサンドイッチがバスケットに入っていた。
「これ、やっぱりメイドとかが作ってるの?」
「これは僕が作ったんだよ。まぁ、執事のデトルさんも手伝ってくれたんだけどね」
「料理までできるの?」
「まぁ、ある程度ね。さぁ、食べよ食べよ」
元々、前世の時、趣味でお菓子を作ったり、体育会系の人達のマネージャー的なことで大量に料理をしていたので寧ろ得意分野であった。
「美味しい」
「ん!」
「大袈裟だなぁ。只のサンドイッチ何だからそんな反応されると困るよ」
目をキラキラと輝かせ、サンドイッチを取られまいと各々両手に2個常に持ってる状態になっていた。
パンは表面を焼いてサクサク、ふわふわ感を、卵にも塩コショウで味付けし、トマトがケチャップ的な役割を持っていた。
この世界では、ケチャップやマヨネーズなどは売っていない。
作るにしても材料を探さないといけないので簡単には作れないのだ。
20分もしないうちにバスケットの中身は空っぽになってしまった。
「ふぅ、満足。次は確か騎士科の体験だっけ」
「正直、僕はあまり意味がないかな…」
剣と刀、似てるようで違う性質を持っているので剣を教えられてもレオンは、只々困るだけだった。
「刀を使っている先輩とかいるかな…」
騎士科のクラス、脳筋というか、暑苦しい集まりだった。
素振りをしたり、校庭を走りったり、練習試合をしてたりといったことをやっていた。
レオン的には、普段やっていることと全く変わらなかった。
「私は、現在騎士科の主席を務めている。上級生のルウチェだ。よろしく頼む!」
ルウチェはそのまま、レオンに向けて強烈なパンチを叩きこむがレオンは受け流し、そのまま当て身投げを決めた。
「あいたたた」
「いきなり何するんですか…」
「いや~、噂の主席君を試そうと思ったけど、これは予想外だったよ。あははは」
ルウチェは、笑っていると後ろからまた女性が現れ、そのままイリヤの頭に向けて拳骨をした。
「あうぅ~」
「この馬鹿が失礼した」
イリヤよりも凛々しい姿、騎士みたく青の甲冑を身に着けていた。
「白薔薇騎士団所研修生、次席のリタです。本当に申し訳ない」
「あ、いえいえ別にあなたが悪いわけではないので、気にしないで下さい」
正社員の如く深いお辞儀をしてくるリタにレオンは少し戸惑った。
「それより、今白薔薇騎士団って…」
「ええそうです。私はあなた様の姉君ルミ・クロードウィルの部隊に所属して、只今研修生としています。あなた様の強さはルミ様から色々聞いています。剣技では敵わぬほどと…」
「それは少し褒めすぎのような気がしますけど…」
レオンの中に嫌な予感が頭を過る。
「そこで一つ手合わせを願いたい」
(ほら、やっぱり…)
「あぁ、ずるい。私が対決しようと思ってたのに」
ルウチェは、頬を膨らませまるで子供みたいにポカポカとリタを叩く。
「ごほん。せめて勝負をするにしても騎士科の説明をしてからにしてくれないか?」
ルーカンス先生に無理やり遮られたがレオン的には結局、試合は避けられそうにないと少し憂鬱に説明を聞くことになった。
「まぁ、百聞は一見に如かず、やることは見ての通り、剣を振り、体を鍛え、精神を鍛える。やるのは基本的にそんな感じだよ。別に剣以外にも槍、弓、レイピア、短剣などの先生や上級生がいるから別に剣が使えない人でも大丈夫だよ」
騎士科はほとんどが男性が多い、6対4といった感じだ。
そのため女性騎士を目指す者は相当な努力が必要とされている。
主席や次席になるには年に一度の騎士科での大会で優勝しないといけない、もちろん4つのブロックからの勝ち抜き方式、下級生から上級生が参加するので人数は三桁を超える時もあり、女性で主席、次席取ったのは前例がなかったらしい。
「よし、説明終了!何か質問がある人は?」
「刀を使える人はいますか?」
「刀か…確か東側で作られた剣だっけ?今はいないかな。昔はそれはもうめっちゃ強い先生がいたんだけど定年でやめちゃって。まぁ使う人も少なかったからね」
レオンは、駄目もとで聞いてみたけどいないと分かり、少し落ち込んでしまった。
「てことで質問はこれだけ?」
「そういえば、絶対に上級生の元で剣を教わらないと駄目なのか?」
「それは、人それぞれだよ。一人で鍛える人もいるし、教師に教えて貰う人や、騎士科以外からの人に教えて貰う人も中にはいたかな?」
ルウチェは、何故かレオンの方を見てきた。
「て、ことで、レオン君どうかな私の元で剣を学ぶ気は…」
「ないですね」
ルウチェは、レオンに即答され少し落ち込んだ。
「まぁ、まだ時間があるしやろうかレオン君」
「はぁ~」
重い溜め息をつき訓練場の片隅にある練習場で戦うことになってしまったのだった。
最近、この小説用のTwitterアカウントを作りました。
ID載せますのでフォローお願いします。
そちらで投稿日などを告知しようかなと思います。
Twitter ID @Loewe0126
質問箱など用意しますので気軽に絡んでくれて結構です。
寧ろ、絡んで下さい|*・ω・)チラッ




