46 早速、決闘みたいです
Sクラス教室
「これから、このクラスの担任となるルーカンスだ。よろしく頼む。まずは、自己紹介といきたいが時間がないので飛ばす、先に、各々が学ぶ授業について説明する」
レオン達の担任になったのは、あの時騒ぎを止めてくれた者だった。
体が堅く、筋肉ダルマと言いたくなるが意外にも体育会系のようなノリではないのでレオンには少しホッとした。
「では、説明する。お前たちが学ぶのは基本的に5つに分かれる。騎士科、冒険科、魔法科、錬金科、鍛治科この5つから更に分岐される。騎士科なら剣術や槍術といった感じにな。詳細は机の上に置いたパンフレットを見てくれ 。この5つの内、科を2つ選び、その中で分岐しているものを選んで机に置いてある紙に記入して提出してくれ、期限は5日設ける。5日間それぞれ体験することができ、それでどれを取るかを考えてくれ。ちなみに、2年ごとに再び選択するという形になっているので全部回れることはできないが上手く時間を使えばある程度多くの授業を受けることができるだろう。朝は数学や歴史、文字の読み書きなどは必修となっている。これは全員参加してくれ。Sクラスの特権としては出席点がないということだけだ。朝の授業に参加せず、他のことに時間を使ってくれて構わない。テストで点数を取ってくれたらそれで構わないからな。この学園は8年で卒業となる。話は以上だ、あとは好きにしてくれ、帰るさいは最後の人がここの鍵を閉めてくれ」
何やら急ぐようにルーカンスは、教室を出て行った。
ドアを開けた瞬間、廊下から騒がしい声が聞こえていた。
「レオン様に合わせてくれ~」
「レオン様付き合って下さい」
「キャァァァ」
「ルナリア様、ルナリア様」
ホームルームが終わった他のクラスが如何やら騒いでいたらしい。
「まぁ。自己紹介ぐらいしようか?」
「・・・そうだな」
顔も名前もわからない状況下、仕方ないので無理やり話題を作る為にさっき飛ばされた自己紹介をすることとなった。
Sクラスということで人数は少ない、数えると21人、元の世界なら40人ぐらい都会なら当たり前だっただろう。
「では、まず僕から今回の主席レオン・クロードウィルです。よろしくお願いします」
仕切ってしまった為、一番最初の方がいいと思い簡単な自己紹介をした。
後を続くようにルナリア、リアム、マリー、ミュウと自己紹介を手短に済ませて行く。
それに続くように順番に自己紹介をしていった。
「なぁ、一つ聞いていいか?」
「いいですよ。フェヒター君」
フェヒター、ミュウの自己紹介した後に自己紹介をしてくれた男の子だ。
流石は、Sランクと思えるほど5歳とは思えないぐらい体が鍛えられている。
「Aランク冒険者を倒したという噂は本当か?」
「本当だよ」
何食わぬ顔でレオンは答える、嘘をついたとしてもなんの得もないからだ。
「俺と剣で対決してくれないか?」
真剣な顔つきでフェヒターはそう言った。
「お断りします」
フェヒターの誘いを即答して断った。
「何故だ?」
「僕にメリットがない。寧ろ、君のような戦えと言ってくる奴が増える。自分の時間が少なくなる。よってお断りします」
レオンの言葉にSクラスの皆は固まっていた。
普通は決闘を受けたら受けるの礼儀というものだがレオンが即答して答えたことに戸惑っていたのだ。
「まぁ、そんなこと言わずにやってやろうぜ」
リアムがニヤニヤしながら言ってきた。
リアム的には、同級生がどれだけ強いか知りたいのだろう。
「はぁ、仕方ない。他に戦いたいやつはいるか?面倒だから相手をする。但し、5人までだ。僕は、リアムだけで充分だ」
「2対5というわけか?」
フェヒターは、不満そうに言ったがレオンの自信ありげな顔を見て黙り込んだ。
レオン的には、2対5でSクラス同士が対決して一瞬で終わったら誰も勝負して来ないだろうという考えを持っていた。
「俺まで巻き込むのか?」
「面白がって見てたやつが巻き込まれて当然だ。二人で前衛して速攻で終わらすぞ」
入学式初日、早速戦いが始まろうとしていた。




