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男の子なのになぜか聖女と呼ばれてます...  作者: レーヴェ
5.学園生活
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45 入学式

 制服が届き、各々入学式に行くために学生服に着替えていく。


 女性は、ピンクのスカートに上は白を特徴とした制服となっている。

 後は学年が分かりやすいいように水色のリボンが今回一年生となる者の証らしい。



 ちなみに、男性はリボンではなくネクタイ、ズボンと普通の学生服だ。

 上に黒色のブレザーを着て登校する。

 そのブレザーには、Sをモチーフとしたバッジがついている。

 これがクラス分けの証となっている。



「ん、リアム、ネクタイ曲がってるぞ」

「お、おう。悪い」

 レオンがリアムのネクタイを直す。

 

 男同士だが何故かその光景が絵になる、お手本になる夫婦のようだった。


「さ、入学式に行こうか」

 準備を整え、入学式の会場に向かって行く。


 会場に入るとクラスごとに区切られた席が用意されていた。


「本当に人が多いね。それにやけに視線が…」

「まぁ、仕方ないんじゃないかな。一応、王女様がいるんだし」

「一応って何ですか!一応って、私はちゃんと、この国の王女ですよ」

 胸を張り自慢げに言うが、一週間以上屋敷にいるのでだらしない姿も色々と見ているのだ。


「寝相が悪い」

 ミュウがさらりとルナリアの痛いところを突く。


「さ、流石の私でもレオン君には負けます!」

「え、僕そんなに寝相悪いの?」

 何故か被害がレオンの方に飛んできてさらりと自分の悪いところを言われ少しショックを受けた。


 そして何よりレオン自身寝相が悪いと一度も言われたことがなく自覚していなかったのだ。

 

「ちなみに、僕の寝相ってどんなの?」

「えっと~」

「それは言えない」

 何故か目を合わせず、はぐらかされた。


「今から入学式を始めます」

 話を遮るよう入学式が始まった。


「先ずは、学園長の話と言いたいところですが学園長はまだ来てないので!先に、今回一人新しく入ってきた教師として紹介します。それでは、お願いします」

 教員がそういったあと入れ替わりにレオン達いや、他の人たちもよく見覚えがある人物が現れた。


「ご紹介に与りました、エイルと申します。普段は、この国で神官をやっています。担当は、回復魔法などを担当させていただきます。教師兼神官という立場ですが何卒お願い申し上げます」

 そう、神具を授かる時に出会ったエイルの姿がそこにはあった。


 勿論、エイルの登場に会場内が騒ぎ出すのも無理はない。


「はい、静粛に丁度学園長がいらっしゃたようです。学園長お願いします」

 騒ぎ出す生徒は、その言葉に一気に静かになる。

 余程教員が怖く見えるのか、少し萎縮しているようだった。


「えっと、皆さま、入学おめでとうございます。春風が吹くこの季節ですが・・・」

 つらつらと用意されたと思われる紙を学園長であるエレノアが読んでいく。



「では、最後に今回の主席に挨拶をお願いしたいと思います」

(え、そんなこと一度も聞いていないぞ!)

 エレノアは、笑顔でこっちを向き、魔法を放つ。


交換転移(エクスチェンジ)

 詠唱省力をしてエレノアのいた舞台の位置とレオンが座っていた座席、それぞれのいた位置を入れ替えた。


「え・・・」

「レオン君後は任せた。盛大にパーとやっちゃって」

 エレノアからの無茶ぶりがきたが仕方なしに対応するしかない状況となっていた。


 注目の視線が一気に舞台に集まる。

 そんな状況だから逃げ出すこともできないのだ。


「はぁ、仕方ない。皆さま入学おめでとうございます。今回の主席である、レオン・クロードウィルと申します。入学をして頂いた皆様に、祝福として魔法を披露してこの入学式を閉会としたいと思います」

 エレノアに笑顔を向け、魔法の使用を許可しろと言わんばかりの視線を送る。

 エレノアは、それに気づきジェスチャーで〇と手で大きく描いた。


 レオンは、両手を合わせ祈りを捧げるように目を瞑り魔法を唱える。


「光よ、七色に輝き咲き開け虹桜レグンブー・セリシール

 会場からあちらこちら七色の光が現れる。


 会場は、元々室内という事で暗く、飛び交う光は舞台の上へと集まり、舞台の上には七色に輝く桜の木が現れる。


 そして、色づいた桜の花が会場全体に散っていく。


 散りゆく七色の桜、言葉で表そうとするも幻想(ファンタジー)としかいいようがない。

 

「綺麗」

「すげぇ~」

「魔法ってこんなこともできるの?」

 その光景を見て生徒たちは騒ぎ出す。


「これはまた…」

「これほどの魔法、私は見たことないです!」

 教職員ですらその光景に魅了され思わず言葉がでてしまうほどだった。


「これにて主席からの挨拶を終了し…」

 教員からジェスチャーでもう締めてくれて構わないとジェスチャーより顔で訴えてくるようだった。


「入学式を終わりたいと思います」

 レオンは、魔法で締め切っていたドアを開けた。


「レオン君、まだ桜をそのままにできる?」

 ボソッと小さな声で教員からお願いが入った。


「大丈夫です、それより歩く通路が暗いので増やしてもいいですか?」

「できるなら構いません、ご協力感謝いたします」

 女性教員にあとは任せ、レオンは、魔法の方に集中する。

 

「後ろの人から順番に退出をお願いします」

 その言葉と共に通路側にも魔法で桜の幻影を作る。


「さぁ、皆さま桜が散る方に向かって下さい。その後、各々の教室にお入り下さい」

 桜はドアに吸い込まるかのように出ていきやがて空へと消えていった。


 ここから波乱の学園生活がスタートするのだった。


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