40 作戦会議を始めよう
「はぁ。全く何やってるんだか」
「ごめんなさい。ごめんなさい」
ルナリアは申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
「そんなに謝らなくてもいいよ。実戦試験がパーティー戦になった時点で誘おうとしている人が多くなったのは想定済みだからな」
二人並んで歩いていると待ち合わせ場所に既にみんなが来ていた。
「遅いぞレオン、早く食べようぜ」
昼飯が待ち遠しくリアムはレオンを急かした。
「悪い悪い少し、厄介ごとがあっただけだ」
「まぁ、どうでもいいけど飯にしようぜ」
レオンは、そのまま急がされ、お弁当を取り出した。
「さてと、食べながら作戦会議としますか?」
「その前に腕輪の交換だな」
パーティー戦の説明の時にクラス全員にとある腕輪が配布された。
パーティーを組んだ証としてその腕輪を交換する。
腕輪は一度装着するとそれが所有者と認識することができる。
それで、この腕輪は魔道具でメンバーを集めリーダーとなる者にその腕輪を渡し契約するらしい。
「じゃぁ、はい。レオン」
リアムは、レオンに腕輪を渡した。
それに便乗するかの如く、他の人も腕輪を渡す。
「やっぱり、僕か…」
「まぁ、当然ですね」
「んん」
「当然だね」
皆、揃えて頷く。
「まぁ、別にいいけど」
レオンは、ため息をつきながらみんなの腕輪を受け取る。
レオンは、腕輪を受け取り一つずつ装着していくとやがて全ての腕輪が一つにまとまった。
まとまった腕輪は、教員の持っているマジックアイテムに記載されるらしい。
「まず、誰と戦うか全く分からない状況で作戦会議と言われてもな。ある程度の作戦だけを考えるか…」
「まぁ、俺は当然前衛だよな」
そうそれがこのパーティーの欠点、前衛が一人しかいないのだ。
パーティー戦において最も重要なのが前衛、中衛、後衛の三つだ。
前衛は剣、中衛は弓や槍、後衛は魔法というのがパーティー戦の基本だ。
前衛、中衛の役割は魔法での詠唱にかかる時間を補う役割がある。
「仕方ない。後から前衛にまわるか…」
「なら、最初は誰が前衛に行くんだ?」
「ルナリアが務めるさ。いけるだろ?」
「はい!もちろんです」
ルナリアは、元気よく返事を返す。
ルナリアの神具はレイピア、本人の希望により魔法を教えていたのだ。
元々レイピアの練習は王室に住んでいる時にやっていたらしい。
レイピアの剣術の特徴それは突き、刃の部分が細いため切ることより突くことしかできない。
そして何より扱いが難しく、刃は折れやすい。
神具だから暫くしたら元に戻る。
「さてと、作戦だが」
小一時間ほど食べながら作戦を練り、次の試験に向けて万全な状態にした。
「まぁ、戦う相手が誰かわからないし、人数もわからないから作戦はこんなものだろう」
「人数は言ってましたよ」
「え?そうなの?」
「そういえば、筆記試験から40分ぐらいにレオン君寝てましたね。寝ぼけて聞いてなかったとか…」
レオンは必死に目を逸らす。
「ほ、ほら、一様腕輪とかも貰っているし聞いてなかったことはないよ。うん」
レオンは必死に弁解をした。
「あはは」
「ふふ」
無理やり誤魔化すレオンを見てマリーとミュウは思わず笑った。




