39 試験開始
二人に与えた訓練は、二人とも無事、氷魔法を使えるようになっていた。
試験当日
学園の門に入るだけで色々と騒ぎになっていた。
それもそのはずルナリアが変装を解いて学園の試験を受けるからだ。
王族であるルナリアの隣を歩いているレオン達にも変な視線が次々と飛んでくる。
まず初めの試験は筆記試験だった。
「試験時間は1時間だ。体調不良が生じた場合、手を挙げてくれ。では、回答始め!」
先生の言葉と共に一斉にカタカタと鉛筆の音が聞こえてくる。
(これ一体何問あるんだ?)
初めの合図と共に配られた回答用紙を裏返す。
問題は裏表に書かれており、そのプリントが三枚もあった。
問題数としても300問ぐらいあるが、簡単な計算問題が多くレオンは20分で二枚を終わらし、三枚目のプリントは魔法関しての知識への問題だったが、魔法に関しての問題もあっさりと解いてしまいレオンは暇になった時間を寝て過ごした。
「回答止め、後ろから問題用紙を集める為、しばらく待つように」
試験が終わった途端、会場がざわざわしだした。
「終わった」
「やばい、難しすぎだよ」
「親に叱られる」
と言った嘆きの声がそこら中から聞こえる。
「よし、次は実戦での試験だが、今回実戦での試験は4~6人でのパーティーを組み、現役の冒険者と戦ってもらう。2時間の昼食時間と共にパーティーメンバーを探し役割を話しておくように」
そんな試験官の言葉に会場は一段と騒ぎ出す。
レオンは、事前に待ち合わせをしていた場所に向かっていた。
ルナリアの朝の騒ぎは予想していたので事前に屋敷で何処に集まるか待ち合わせをしていたのだが、ルナリアの周りに人が集っていた。
「はぁ、何やってるんだが…」
ルナリアはたくさん人に囲まれ少し、おろおろと動揺し、レオンを見つけては必死に助けてくれという顔向けた。
「咲き開き人を酔わせよ、千本桜・酔乱」
桜が舞う春の季節一つぐらい魔法で桜を作ったところで簡単に気づくことはない。
この魔法の特徴それは、相手に惑わせる幻術を作り出す。
実際に学園に来る少し手前にもこの魔法を使い、あまり世間を騒がすことなく登校していた。
だが、流石に門の手前では学園でどうせ騒ぎになることを見越して魔法を解いた。
あの時はレオン達がいたので誰も話掛けて来なかったようだったが試験終わった後にはパーティー戦と聞いた者たちがお近づきついでにパーティーに誘うという口実ができたのであの群がりができたみたいだ。
「消えた!」
「一体どこに行ったんだ?」
突然消えたルナリアを見て騒ぐ者達、千本桜・酔乱によって取り囲まれていたルナリアが消えたように見せた。
女の子それも王族であるルナリアに触れようとする者はいないからこそできる魔法だ。
幻術類それも人を消すようにする魔法は触れてしまえばすぐにその魔法は解かれてしまうのだ。
「あそこにルナリア様が…」
レオンは咄嗟に別方向にルナリアの幻影を作りそちらに意識を向けている間に未だ囲まれていたルナリアを救出した。
「はぁ、初日から大変だな」
ルナリアをお姫様抱っこしながら、待ち合わせだった場所に身体強化魔法を使いジャンプで飛んで行った。




