32 レオンの婚約?
「あらあら、ごめんなさいね」
暫く、抱きしめられた後にレオンは解放された。
「本当に、もう勘弁してください」
レオンはぐったりしながら言った。
「それにしても本当に可愛いわね。いっそのことここで住まない?」
左手を頬に当て笑顔でそう告げるがレオンは背筋が一瞬だけゾクッとした。
「それはやめた方がいい。この国がユリアに消されるぞ」
ジギルは真剣な顔付きでレジーナに言った。
そう、レオンもジギルと同じ理由でブルブルと震えていた。
「あらあら、それは…」
レジーナもそれを聞くと黙り込んでしまった。
レジーナもユリアなら本気でやりかねないと悟ったのだ。
「あなたはケーニヒ様の…」
「そう私はこの国の女王よ。気軽にママと呼んでくれても構わないわ」
立派な胸を張りながら堂々と答える。
「それはさすがに構います」
「ふふ、でも。あなたは結局私のことをママと呼ぶこととなるわよ。なぜなら!」
「なぜなら?」
「ルナリアと一緒に寝たからよ」
「それってケーニヒ様がルナリア様を持ち上げ僕のベットに寝かせたからでは...」
レジーナの発言にレオンは呆れ果てた。
「そうだけど。幼いとはいえ男女が同じベットで寝たんだもの責任取らないとダメよ」
顔は笑顔のまま、凄い圧力がレオンに向けられる。
「だ、だけど。少し早すぎませんか?」
「別に早くないぞ、成人は16歳だしな。5歳で婚約するところは逆に多い」
ジギルはレオンの両肩を掴みあきらめろと言わんばかりの表情を見せた。
「ということで、レオン君にはおよ、げふんげふん、お婿さんに来て貰います」
「今、完全にお嫁さんて言いかけましたよね」
「気のせいじゃないかしら…」
レジーナは首を横に向けレオンに顔を合せなかった。
「では、しばらく一緒に過ごしてから決めてくれ、ということでジギル、ルナリアを頼むぞ」
「はぁ、承知しました」
ため息をつきながらジギルは承諾した。
「それとあの事件を引き起こしたディクは氷漬けされていたところを溶かし今は地下牢獄に監禁されている。それでだレオン、私はこの場で聞きたいことが一つある」
さっきまでの雰囲気が一気に変わった。
「お前は何者なんだ?」
ケーニヒはレオンに対し問い詰めた。
「氷魔法は水と火の複合魔法に当たるものだ。いくら魔導書などを見たところで真似することは難しい、それとお前剣技もだ。刀という武器はこの国で使っている者は少ないにも関わらずお前は使いこなしていた。それも騎士団であるルミに勝つぐらいにな。もう一度、訊こうお前は何者だ?」
ケーニヒはレオン方を見つめた。
レオンはルナリアの方に思わず振り向いた。
(これは話すしかなさそうだな)
「はい、私は転生者です」
悩んだ末、諦めたようにレオンが言ったのだった。




