31 平和の日常
「う、う~ん」
ベットで寝ていているなか、「ちゅんちゅん」と鳥のさえずりによって、レオンは目を覚ました。
「くしゅん」
レオンの寝ていたベットに不自然な膨らみがあった。
レオンは思わずその布団を取るとそこにはだらしない寝顔をしていたルナリアがいた。
「な、なんでここにルナリアが…」
「それはだな。お前の看病の為にずっといたからだ」
ドアの方を見るとそこにはジギルが立っていた。
「おはようレオン。あの事件から三日間、お前は眠っていたんだ。まぁ、魔力が吸収されて回復手段がなかったからな」
「三日も寝ていたんですね」
レオンはそう言うとぐぅーとお腹がなった。
だが、ぐぅーとなったのはレオンだけでなく隣で寝ていたルナリアからも聞こえてきた。
「そういえば、なんでルナリアがいるの?」
「それは疲れ果てたルナリアをケーニヒが持ち上げお前の横で寝かしたからだ」
笑いながらジギルは言った。
「それより、ご飯だな。ルナリアを起こしてやれ」
「う~ん、ご飯でひゅか…」
レオンが起こすより前にルナリアは目をこすりながら起きた。
「レオン様、目覚めたのですね~」
ルナリアは起きた途端、まだ寝ぼけているのか抱き着いてきた。
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寝巻きから着替え、一同は食堂に行くための廊下を歩いていた。
「あぁ、朝起きたことは忘れください!」
ルナリアは顔を赤くしながら言った。
「忘れろと言われても」
そんなことを言うと余計に意識してしまう。
王女様も朝には弱いんだなと考えているとルナリアから物凄い睨みつけがレオンに向けられる。
「ふん」
ルナリアは怒りながら一人小走りで食堂に向かった。
(そういえば、考えていることが分かるんだったな。すっかり忘れていた)
レオンは反省しながら重い足取りで食堂に向かう。
「す、すごい量ですね」
食堂前の扉を開けるとそこら中からいい匂いが漂い、机の上にはたくさんの料理が並んでいた。
「体の方は大丈夫か?」
料理の方に目がいっていたレオンは咄嗟に声が聞こえた方を見た。
「まだ、少し体が重いですが大丈夫です。ケーニヒ陛下」
「うむ、良かったが、そうかしこまるな。今日は公の場じゃないからな陛下は不要だ」
ケーニヒの姿は王様とは思えないくらい普通の服装だった。
「さぁ、いっぱい食べたまえ。お前の為にたくさん用意したからな」
ケーニヒはそう言うと狙っているかのようにレオンのお腹が鳴りだす。
「では、いただきます」
机の上には様々な料理が置かれていた。
パスタやスープ、パンなどがあるがレオンが一番驚いたのはプリンがあったことだ。
レオン的にはやはりご飯やみそ汁が欲しかった所だが…スイーツの存在によりどうでもよくなった。
「う~ん。美味しい」
レオンの前の机にはプリンの空の容器が沢山置かれていた。
「お前、流石に食べすぎじゃないか?」
「スイーツは別腹です」
「あっそう…」
レオンの迫力に押されジギルは黙り込んでしまった。
レオンは幸せそうにプリンを口に運んでいく。
「満足して頂いてよかったわ」
レオンは思わず声のする方向を向いた瞬間、柔らかいものが顔に当たった。
「レジーナ、離してやれレオンが喋れないだろう」
「だって可愛いんだもの」
レジーナと呼ばれる女性は、レオンを抱きしめながら答えるのだった。
「早く離してやれ気絶しかかっているぞ」
ジギルが言う前にレオンはとっくに伸びていたのだった。




