30 vsディク
レオンは地上に降り、羽を消しすぐさまツクヨミに切り替えた。
だが、先ほどの紫の着物は来ておらず刀のみ握られていた。
「ふっ、魔法が使えるようになったからって舐めるな!」
ディクは腕を薙ぎ払う動作をするとレオンはその動作に反応して後ろに下がった。
「お前!何故?」
ディクは焦る一方だった。
不可視の剣を躱されたことにディクはさらに驚く。
動作だけで注意を向けていても簡単に躱さられるものではないのだ。
「その剣は僕には一切見えてはいない。その剣はね」
レオンの魔力量を持ったとしてもディクの剣は一切見えていないのは本当のことだ。
躱せた理由それは、レオンの瞳が月のように黄色に輝いてる魔眼。
月読の魔眼、相手の動きを先読みすることができる魔眼だ。
ディクの剣とレオンの刀が激しくぶつかり火花を散らす。
だが、ツクヨミに体を預けているときに体力を大半持っていかれたレオンはディクのパワーに押されていた。
「所詮はガキ、大人の力には叶わないようだな」
ディクはレオンの腹に蹴りを入れ吹き飛んだ。
ツクヨミの先読みで能力で蹴りを躱した後、剣が体に突き刺さる光景が見えたのでわざと蹴りを喰らい後ろに吹き飛ばされた。
ツクヨミの力で先読みすることは出来ても、今のレオンではうまくタイミングを合わせることができなかった。
「はぁ!」
レオンは吹き飛ばされた所から飛び出て、刀を振りかざす。
「軽いわ!」
ディクはレオンの刀を受け止め薙ぎ払うがレオンは上手く受け身をとり体制を戻す。
大人と子供の体格では力の差は大きいがそれも魔法があればそれを補うことができていた。
レオンも普段ジギルと戦っているからこそ大人との戦闘は慣れているが魔力の回復が段々追いつくくなってきている。
「どうした動きが鈍くなっているぞ」
ディクは右手に持っていると見せかけ、左手に持ち替え剣を振るがレオンはそんなフェイントも刀で受け流した。
「はぁ、はぁ」
「どうやら体力の限界のようだな。お前を殺した後、急いでルナリアを探してこの国をでようとするか」
レオンは息があがって限界が近くなり、ディクはその姿を見てニヤついていた。
「だから僕は人間が嫌いなんだ。そうゆう強欲で、支配でしか人を動かせないところがとても…」
レオンはそう言いながら刀に魔力を集める。
「一体どれだけの魔力を持っているんだ‼」
レオンの刀に集まり目で見てわかるほどの魔力が刀に注がれていく。
「はぁぁぁぁぁ‼氷の花よ咲き開け雪月華」
刀を地面につけ青白い炎纏いながらディクに振りかざす。
ディクは思わずその攻撃を受け止めるがディクの体は一瞬のうちに凍り付き動けなくなった。
その姿は氷の華が咲いてるかのようにディクを中心として美しく咲き開いていた。
「はぁ、はぁ。うっ」
レオンは思わず倒れそうになるがぎりぎり踏みとどまった。
「ルナリアを迎えに行かないと…天使の力」
翼を広げ、ルナリアをお姫様抱っこしながら飛んでいく。
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「うんん」
レオンが飛んでいる中お姫様抱っこされているルナリアは少し目を見開いた。
ルナリアはそのまま一言「レ…オン…」と言ったあと再び気を失った。
レオンはふらふらと飛びながら王城に向かっていく。
血を吐き、魔力を引き絞りながらレオンは飛び続ける。
ディクの蹴りを受けたとき肋骨にひびができていたのだ。
「帰らなくちゃ…」
一心不乱に飛び続け、レオンは王城に着いた瞬間、ジギルの声が聞こえたがレオンはそのまま意識を失った。
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神界
「まったく、やりすぎじゃ貴様は!」
創造神は神界に帰って来たツクヨミを叱りつける。
「そこまでの被害をだしていないのだからセーフじゃろうが‼」
ツクヨミは正座させられ頭にたんこぶを作られていた。
「まさか下界に降りるとはとはね。ふふっ、それはちょっとやりすぎだね」
桜色の着物着ている女性コノハナサクヤヒメだった。
「お主も同じように叱られよ、お主もあの小僧に手を貸してるではないか!サクヤ姫」
叱られる仲間を増やすかのようにツクヨミは言った。
「ほら、私は下界に降りてないし、神具だけ貸しただけだよ。うん」
ツクヨミの言葉に笑顔で返事をする。
「今回は大きな被害は出なかったようじゃが貴様が降りたら多少なりとも重力が変化するんじゃぞ」
「うぐっ、すまぬ…」
ツクヨミは創造神に素直に謝った。
「その前に何故お主らあの者に手を貸したんじゃ?」
「ま、まぁ色々とな。な、なぁサクヤ姫」
「えぇ、色々とね」
二人は分かりやすく慌て始めた。
「もしやお主らあっちの世界でこっそり下界に…」
創造神は二人を睨みつける。
「はぁ~、まぁ良い。今回のことはこのぐらいにするかの。あちらの世界に土蜘蛛が召喚されていたのは儂も予想外じゃし。何よりあの者を救ったのことじゃし」
「はぁ~、やっと解放された」
ツクヨミは創造神の言葉を聞くとすぐに足を崩した。
「ツ~ク~ヨ~ミ~」
ツクヨミはこの声を聞こえた瞬間、反射的に逃げようとするがさっきまで正座していたため足が痺れて動けなかった。
「た、たしゅけて」
ツクヨミは思わず涙になりながらコノハナサクヤヒメに助けを求めた。
ツクヨミの下に黒い穴が現れ巨大な手によってツクヨミは掴まれそのまま穴へ引きずり込まれた。
「「怖」」
創造神とコノハナサクヤはその光景を見て思わず言ってしまった。
「この穴、黄泉か、ということはツクヨミの母親か…」
「はい、多分今頃ツクヨミちゃんはイザナミ様に説教されていると…」
創造神は思わずツクヨミに申し訳なくなり、その穴が閉じられるの見送るだけだった。
ふう~次回から新章に入ります。
まぁその前に閑話を挿みますが…
今回はリクエストのあったキャラクターと再び裕治の話を閑話で書く予定です。
良かったら見ていってください。
あと、好きなキャラクターがいたら是非、感想やコメントしてください。
そのキャラクターの閑話を書くかもしれません。




