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男の子なのになぜか聖女と呼ばれてます...  作者: レーヴェ
2. 神からの祝福
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16 覚悟の証

母親のユリアに色々話した後、レオンはマリーの家に戻って来た。


それに気づいたのかマリーが家から出てきた。


「で、マリーは決めたの?」

「うん、決めた。私はもう迷わない」

マリーは握り拳を作り強く握りしめながら


「王都で学園生活をするよ。そして、お父さんを超えるぐらいいっぱい冒険するよ。」

マリーは笑顔でそう告げた。


そう告げた瞬間マリーの頭に詠唱が浮んだ。

マリーはその詠唱を思わず呟いた。


「私は仲間を支える一筋の矢とならん、支えの矢(スティニール・アロー)

マリーの手元が光ったと思ったらそこには弓が現れた。

マリーの神具、初心者の弓である。

弓の最も重要な矢が鍵となっていたのか...


案外、神具の詠唱は人の覚悟によって現れるのかもしれないな。

そんなことを考えるといつのまにかマリーの両親がいた。

「これが私の神具」

「まぁ!、マリーの神具は弓なのね。お父さんと一緒ね。」

「まさか、もう顕現させるとは...」

マリーの母親と父親らしき人が驚いていた。


「えっと初めまして、マリーのお父様、お母様、レオン・クロードウェルと申します。」

フィオーレはレオンの方に振り向き驚いた。

その容姿が女の子みたいなことに...


「あら、可愛いわね。えっと、あなたがレオン君なのね。」

フィオーレはレオンの頭に手をおき嬉しそうに撫で始めた。


「ありがとね、マリーをここまで連れて帰ってくれて。そして、マリーをよろしくね。」

フィオーレは安心しきった笑顔でそういった。


「さて、では帰ろうかマリー」

「うん」

マリーはレオンの手を取り再び空に飛び立っていった。


空がオレンジ色になり、その夕焼けの風景はまた一つの思い出としてマリーの中に残るのであった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

王城の書斎


「はぁ〜、まだ書類が増えるのかぁ」

そう言いながら、王室製の特別な机に突っ伏しているのはこの国の王様であった。

「もう、そろそろ休みたい。」

「ダメです。これらの書類を今日中までに見ていただかないと。」

すかさず、王様の隣にいた執事が言った。


数々の書類の中一つ奇妙な書類に目がいった。

「えっと、何々、スタンピードがおき冒険者ギルド多大な犠牲者が出たが幼き白髪の少女により多くの怪我人が救われ、冒険者からはあの奇跡のような出来事とその少女の美しさにより聖女と呼ばれている。さらに、さらにこの王都で天使が舞い降りたと国民の大半の目撃情報あり、なんだこの書類?」

冒険者での犠牲者の話はギルド長から聞いたが、国民が騒いでいたのはこの事かと思っていたが天使騒ぎによるものだったか。


ふむ、天使か気になる話題だな...

聖女の方もある程度、情報を集めてみるか。

後スタンピードの件も騎士団を出し調査させるか。


「ごほん、手が止まっておりますが」

執事は王様を睨みすかさず焦らす発言をした。


「はぁ〜、これだから祝事は好きじゃないんだよ」

王様はため息をつきながら、山積みの書類に目を通し片付けていくのであった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

王都の屋敷にて


「ただいま〜」

「レオン君大丈夫?」

魔力を大量に消費した為、若干の気だるさが残っているレオンとマリーが屋敷に着いた。


「大丈夫だよ。それよりも、ほら、マリーも」

「た、ただいま」

「おかえり、マリー」

レオンはマリーの返事に笑顔でそう言ったのだった。


「おかえりなさいませ、お坊っちゃん、マリー様も」

出迎えてくれたのは執事のデトルさんだった。

帰りが遅かったか、もう夕食の時間らしく、レオン達はそのまま食堂の方へ向かっていった。


「レオン戻ったか」

「「「おかえり〜」」」

ジギルの声を遮るようにミュウ、リアム、リーシャの3人が言った。


レオン達は少しその元気に押され気味だったが2人そろって「「ただいま」」というのであった。


その日の夕食はとても賑やかだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

バルコニーにて


お風呂を上がった後、レオンは1人この世界の星空を眺めていた。


あっちの世界よりよく見える星、これだけ綺麗な星を見たのはいつぶりだろうか?そんなことを心の中で考えていた。


異世界に来てまだ5年しか経っていないが、まだまだこんなに美しい世界があるのだろう。


そんなことを考えていると背後からの見られているような気配を感じ振り向いた。


そこにいたのはミュウだった。


「何してるの?」

「星を見てるんだよ。雲が少ない、いい夜だからね。ミュウも一緒に見ようよ」

レオンがそう言うとミュウは隣に来て一緒に星を眺めた。


「ねぇ、私も飛んでみたい」

「うーん、明日じゃダメ?」

「今がいい、今すぐ飛びたいの」

ミュウはレオンの腕を掴みながら言った。


物静かなミュウがここまで言うので結局押し負けて飛ぶことにした。


「はぁ〜、わかったよ。」

レオンは天使の力(エンゲル・マハト)を使いまた羽を生やした。

そのままミュウの背後に行きしっかり掴んで空へ飛んだ。


空からでは星がさらに近く感じる、町では所々だが火や魔法の光が揺れているのがよく見える。


「綺麗...」

「そうだな、綺麗だな」

地上とはまた違う風景、違う温度

見る角度を変えるだけでここまで変わるとは...


レオンはあっちの世界を思い出す、色々な人と出会い、助けたかった人々を...


僕が助けた子は元気でやっているだろうか、友達は悲しんでいるだろうか、そんなものがレオンの頭の中をよぎる。


「ミュウそろそろ戻ろうか」

レオンはそうミュウに尋ねるがミュウからの、返事がない。


「ミュウ、どうしたの?」


「憧れを抱き、その者に追いつくために、|憧れの自分になるために《アドミラシオン・モア》」

ミュウの詠唱によって、ミュウの神具が顕現した。


ミュウが神具を顕現させた後、ゆっくりと地上に戻って来た。


「びっくりした、まさかミュウも神具を顕現させるとは思わなかったよ」

「ん、よかった」

ミュウは嬉しそうに微笑み、「ありがと」と言って自分の部屋に戻っていった。


レオンも寝るために自室に戻り、ベットに着いたらすぐに眠ってしまった。


その日、夢を見た

暗闇の中1人泣いている少女の姿を...

その少女の姿を見ているとなぜか涙が流れた。


必死に手を伸ばしてもその少女に触れることすらできず、声を出そうとしても思うように声が出ない。


そして、少女がこちらを振り向むき、顔を合わせた瞬間その夢から覚めたのだった。

遅なってしまって申し訳ないです。

新生活が始まって投稿が遅れてしまいました。

次回から元のペースに戻るように頑張ります。

୧(๑•̀ㅁ•́๑)૭✧

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