12 ステータス確認
「坊っちゃま、お客様が来られました。それと今回祝福を受けた三名の方々も連れて来てくださいとの申し出です。」
そう言ったのは執事をしているデトルさんだ。
食事の用意や家の掃除など、この家の管理をこなしている。
まさにできる執事さんだ。
まぁ、もう1人メイドがいるのだが、彼女はドジっ子で、名前は確か、スティカだったかな。
スティカはドジっ子だが、掃除の腕と裁縫の腕は確かである。
家の隅々まで綺麗に掃除されていたのはスティカのおかげらしい。
「わかった、すぐ行くよ。リーシャは好きにしといて...て言うまでもなかったか。」
レオンは庭にあるハンモックで寝ているリーシャの方を見た。
「まぁいいや皆んな行こうか。」
レオンはマリー、ミュウ、リアムの3人を連れて応接室に向かった。
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応接室にて
「失礼しま、ぐふっ」
レオンは入った瞬間柔らかいものにタックルされたというか抱きつかれた。
「聖女様」と言われて....
「ごほん、取り乱してしまい申し訳ございません。」
どうやら飛びついてきたのはエイルさんのようだ。
いきなりのことなので誰だかわからなかった。
というかキャラ変わりすぎでは?
「で、聖女とは一体どうことですか?」
「あ、説明不足でしたね。人々のために倒れるほど魔力を注ぎ人々の命を救ったとして、冒険者の方々からはその見た目からその神のような所業から聖女と呼ばれているんですよ」
エイルは笑顔で語った。
なんだ、その不名誉な称号は...
レオンの心の中でそんなことを思った。
確かに、見た目は少女っぽいけど...
「1つ訂正させてもらいますけど、僕は男ですよ。」
「「「「え!(ん!)」」」」
エイルだけではなくミュウ、マリー、リアムの3名も反応した。
その反応にレオンは思わず、3人の方を見た。
「3人ともなんだよその反応は?」
「い、いや〜まさか本当に男とは思わなくて」
リアムは慌てながら誤解を解こうとしているがすでに動揺しているのがわかる
「わ、私は分かってたよ。ほら、レオンて名前男の子みたいな名前だし。」
同じくマリーも必至に誤解を解こうとしているが目が泳いでいる。
「私は、男の子だと分かっていたよ。」
ミュウは顔を横にずらし目を合わせないようにしていた。
そして、エイルさんはというとその発言で固まっていた。
「ごほん、で、本当の要件は?」
ジギルは固まったエイルに対して咳き込んで場を元に戻した。
「あ、そうでした、そうでした。実は皆さんに話していない事がありまして、皆さんステータス・オープンと唱えてください」
そういえば、神具の説明辺りで冒険者がいきなり入り込んできたな。
「「「「ステータス・オープン」」」」
一斉にその言葉を唱えた。
唱えた後、目の前によくゲームで見るようなステータスが表記された。
【名前】レオン・クロードウィル(如月 裕治)
【種族】人間 【性別】男? 【年齢】5歳
【レベル】4
【神具】無名の魔道書
【体力】120
【魔力】185832
【能力】A
【魔法】
火魔法Lv.4
風魔法Lv.5
水魔法Lv.4
土魔法Lv.3
光魔法Lv.6
闇魔法Lv.6
結界魔法Lv.8
強化魔法Lv.8
回復魔法Lv.7
生活魔法
創造魔法
【スキル】
体術Lv.8
剣術Lv.9
双剣術Lv.4
弓術Lv.3
槍術Lv.2
詠唱破棄Lv.10
魔力操作Lv.10
秘技・早着替え
【称号】
転生者
男の娘
聖女と呼ばれる者
【加護】
創造神の加護
自然神の加護
魔法神の加護
武道神の加護
死神の加護
こ、これがステータスか、だがなんか表記に悪意があるぞなんで性別の男?なんだよ。
あと、称号の転生者はいいものの他の2つはどうなってるんだよ。
あと魔法の桁だけ違いすぎだろ。
「皆様のステータスは自身にしか見る事が出来ません。ステータスの最大はLv.10となっております。他の方のステータスを見る際は鑑定のスキルで見る事ができますが自身よりレベルの高いものは見ることができないようになっています。」
エイルさんがステータスについて解説してくれた。
「お父様、一般人の魔力の平均ってどのくらいですか?」
「うむ、三千ぐらいだぞ、宮廷魔法士ならば五万はあるはずだぞ。」
やばい、普通に超えている...
生命の雫や生命の息吹は相当な魔力を使うみたいだな。
そういえば、詠唱破棄というものがあったな。
レオンは詠唱破棄の欄を指で押したら詳しい説明が表記された。
すげぇ、ハイテクだ。
【詠唱破棄Lv10】
無詠唱による魔法の効力の低下がなくなる。
これ普通に強いよね、これから多めに魔力を使わなくてもいいし、詠唱しなくてもよくなったのか...
確かに便利だが、緊急時以外は普通に詠唱しておくか、これは自重しないとまずい気がするし..
一応、創造魔法も見ておくか
【創造魔法】
魔法を組み替え、新たな魔法と作り変えることのできる魔法、但し、組み替えるの相当な魔力が必要となる。
ふむ、これならあの魔力量も妥当なものだな。
これもなかなか便利なものだな。
「そういえば、適正魔法とかあるんですか?」
「それも、説明していませんでしたね。魔法自体はどの属性どの魔法も基本的に使うことはできます。ですが、それぞれその人にあった魔法のイメージがあるんですよ。偶に全属性使える人とかもいますけどね。1番イメージしやすいのは火魔法ですね。料理や焚き火の時に見ますし、人も生物も火というものは恐ろしいものと理解していますからね。」
エイルはレオンに対しての質問に答えれてえらくご機嫌だ。
「あの〜、せい、レオン様のステータスを確認してもよろしいでしょうか?」
こいつ今、聖女と言いかけたな。
まぁ、ステータスで性別が確認できるし問題ないな。
「大丈夫ですけど、ステータス欄で見られたくない欄がある場合はどうすればいいですかね?」
「ステータスを開けてその部分だけ隠秘をかけるといいですよ。」
とりあえず、魔力と称号、能力、魔法とスキルのレベルを隠すか。
なんかほとんど隠しているから逆に怪しい気が...
「はい、これで大丈夫ですよ」
「では、鑑定。はい、ありがとうございます。これはすごいですね。この歳で全属性魔法覚えているとは...」
エイルがレオンを見る目が更に変わった。
まるで神童を見ているように...
「本当に男の子なんですね」
エイルはレオンたちに聞こえないようにボソッと呟き心の中で落ち込んでいるのであった。
それと共にレオンが男の子ということにも密かに喜んでいるのであった。




