9 神具の確認
「うぅ〜頭が痛い」
レオンは起きた途端、頭痛が襲ってきた。
「エイルさん、レオン君が目を覚ましたよ〜」
マリーが神官さんを呼びに言った
神官さんの名前はどうやらエイルさんというらしい、来た瞬間、加護の準備をした為名前を聞いてなかった
「大丈夫?」
ミュウが心配そうな顔で言ってきた
「少しくらくらするが大丈夫かな?」
レオンはそう言った途端、扉が開き神官のエイルが入ってきた。
「目覚めたのですね。加護を与えられた瞬間気を失ったので驚きましたよ。念のためにヒールをかけておきますね。」
「あ、はいお願いします」
「彼の者を癒し給え、治癒」
エイルはそう唱えるとレオンは緑色の光がある包み込まれた。
これがヒールか魔道書で色々見たけど実際に見るのは初めてだな。
何というか、暖かく優しいものだな。
「ありがとうございます」
「いえいえ、これぐらい神官とした当然ですから。どうやらよほど神に好かれているのでしょう。神の加護の光が眩しいくらいでしたからね。」
エイルはレオンの頭を撫でながらそう言った。
「ほんとびっくりしたぜ、レオンが物凄く光ったと思えば急に倒れるだからよ」
レオンに起きたのに気づいたのか、リアムが言った
「ごめん、ごめん心配かけたね。僕はどのくらい寝てた?」
「ほんの数分だよ、本当に大丈夫なの?」
マリーは心配そうに言ってきた
「エイルさんにヒールかけてもらったから大丈夫だよ。さぁ、冒険者ギルドに向かうか。」
レオンはベットから起き上がったが少しふらふらしこけそうになったがリアムが支えてくれた。
「本当に大丈夫か?」
「ごめんごめん、少しふらついただけだから。もう大丈夫」
レオンは笑顔をリアムに向け誤魔化した。
「冒険者ギルドに行く前にちょっと待ってください。」
エイルさんに呼び止められた。
「皆様の神具の確認をさせてください」
「しんぐ?」
マリーが不思議そう言った。
「神具とは神様に与えられる道具です。形などは様々ですが基本的に剣や弓、杖などが多いですね。そして、神具は持ち主と共に成長していく物です。私たち神官どのような神具を持っているかわかるようになっています。しかし、顕現の仕方まではわからないのでそこは頑張って見つけて下さい」
「顕現の仕方?詠唱みたいな感じですか?」
「それに近いですね。私の場合は、この杖が神具です。常に顕現させてる人もいれば手の内を明かさないために隠してる人の方が多いですね。」
エイルさんの神具は白い杖で所々に金の装飾がついている。
エイルさんは神具を一度仕舞い顕現の仕方を教えてくれるようだ。
さすが魔法、手に持っていたものが光となって消えてしまった。
「私に神の癒しの力を...」
エイルの手に光と共にさっきの杖が現れた。
「おぉ、凄い」
「かっこいいー」
「んんん」
3人ともそれぞれ反応する。
「杖に名前とかあるんですか?」
「えぇ、この杖はハイリングステッキです。では、そろそろ皆様の神具を見さしてもらいますね。まずは、リアム君から順番に言いますね。」
「おう、よろしくお願いします」
ビシッとかしこまって何故か敬礼している。
「リアム君のはフィールソードですね」
それを聞いた瞬間リアムは少しへこんでいた。
「ただの鉄の剣...」
「神具は成長するんだぞ、鉄の剣だからって落ち込むなよ」
レオンがそういうとリアムは顔を上げた。
こいつ成長することもう忘れてたな
「次はマリーさんですね。」
「は、はい」
「マリーさんのはノービスアルク」
「弓か〜、杖とかが良かったなぁ」
杖?魔法が使いたかったのだろうか?
「弓使いの人でも魔法を覚えることができますし、弓使いなら風の魔法の適性が高いと思いますよ」
すかさずエイルがアシストする。さすが神官
「次はミュウさん」
「ん」
「ミュウさんのはノービスワンドですね」
「やった」
小さな声で呟き、喜んでいた。
よほど魔法使いになりたかったんだろう。
「最後にレオン君ですね」
「はい、よろしくお願いします」
「レオン君のは...アノニマスグリモワールですね、これは少し珍しい物ですね。」
創造神の言う通りやはり本か...
だが本の名前が無名...
本に必ずあるもの、それはタイトルと思っていたがその考えは少し違うようだ。
そんな考え事をしていると勢いよく扉が開く音がした
「神官様、はぁはぁ、急いで冒険者ギルドに来てください。」




