第八話 謎の数字
第八話 謎の数字
「リノンおねーちゃーん!」
「よう、ライア、ちゃんと練習してきたか?」
「はい、毎日魔力が空っぽになるまで頑張りました!」
「そうか、だったらその成果を見せてみな」
この三日間で俺は[氷魔法]のスキルを習得できたので、氷は結構楽に出すことができるようになっていた。
俺は両手の間に氷をイメージしていく、まずは製氷機で作ったような真四角な氷、そこからどんどんと大きくしていく、そしておおよそ15センチくらいの氷ができた。
「へぇ、なかなかうまいもんじゃないか、このあたりの土地は温暖な気候だから氷を上手くイメージできないと思ってたんだけどね」
そうか、このあたりは一年を通じて暖かい、池とかに氷が張ることもないし、俺がどの程度イメージがちゃんとできるのかをはかるための氷の魔法でもあったのか…
「よし、それじゃあ、約束通りほかの魔法を教えてあげるよ、そうだね、まずは自分の状態をちゃんと知るためにアナライズの魔法から行こうか」
おお、さっそくか、確かに自分の魔力とかしれたほうがギリギリまで練習しやすいしな。
「まずは魔力操作の応用で目に魔力を集める、そして相手を強く知りたいと思う、そして最後に呪文を唱える」
『アナライズ』
見た感じには変化はないけど多分魔法が発動しているのだろう、しかしイメージさえ固めれば氷も出せるのに、呪文っているんだろうか?
「リノンおねーちゃん、呪文ってどうして唱えるの?何も言わなくても氷とか出せるのに」
「ああ、そうだなあたしも最初はそう思った、だけど呪文は魔法の指向性…つまりどういう魔法を使うかを決めるのに大事なんだ、まずイメージを固めて属性を決める、そしたら呪文で、どんな魔法を使うかを決めてやるんだ」
『アイシクルランス』
槍状の氷が近くの木に突き刺さり、半分に裂けた。
『ダイヤモンドダスト』
今度はキラキラとした氷の粒を含んだ靄があたりを包む。
「こんな感じで両方とも氷の属性だけど全く使い方が変わってくる、アイシクルランスはもちろん攻撃用の呪文だし、ダイヤモンドダストは相手の視界を見えにくくしたり、移動速度を遅くする効果がある、慣れてくると呪文だけで一瞬でイメージを固めることができるようになる、つまり早く魔法が出せるようになるということだ」
ふむ、つまりいちいち集中して魔力を変換する必要がなくなるということか。
「とまぁ、説明も終わったところでアナライズの修行に戻るぞ、とりあえず試しに私に向かってアナライズを使ってみるといい、これは初級の魔法だからすぐにできるだろう」
「はい!」
魔力を目に集中集中…
『アナライズ!』
「どうだい?ちゃんと見えてるかい?」
「はい!えーっと職業、魔法使い、レベル32、それから93…」
あれ?93のステータスなんかなかったはずなんだけどねぇ…
「…58、きゅうじゅう…」
「って、なに、みてんだい!このマセガキ!」
ドゴ!
顔を真っ赤にして思いっきり殴られた…なんの数字だったんだろう?解せん…