第四話 スキルによるステ補正
第四話 スキルによるステ補正
父親の作ってくれた短めの鍬はやはりまだ少し重かったが、それでも元のものと比べればはるかに扱いやすかった、当然柄が短いので土を深く掘り返すことはできないが、全く扱えないよりは遥かにマシである。
「よいっしょ…よいっしょー!」
「ははは、ライア、もっと腰を入れないとうまくできないぞ」
6歳の子供に腰を入れろって言ってもわからんだろうに…というか元一般高校生だった俺にも腰の入れ方なんてさっぱりだ。
ともかく、スキルゲットのために掘って掘って掘りまくる!
朝から昼過ぎまで畑を耕していたが、スキルは覚えることができなかった。
多分転生前からの経験などもあったんだと思う、農業や採掘などは転生前にも経験がなかったから熟練度が0だったんだろう、採取や投擲などは子供の頃にやった石拾いや野球とかである程度熟練度が溜まっていたから、あれほどあっさりと覚えることができたんだろう。
となると地道にこなすしかないか…
「よし、今日はここまでにしようか、ライア、マークを呼んで来てくれ、飯にしよう」
「うん、わかった」
それから俺はマークを呼びに行き、家で昼飯を食べた。
とりあえず、午後はさっきの仮説を立証しに行ってみるかな。
「おとーさん、僕、お魚さん釣りに行ってみたいな」
「ん、そうか、それじゃあ、一緒に行くか、マークも一緒に行くか?」
「うん、僕も一緒に行くよ」
今回は前回と違って嘘はついてないからふたりが一緒でも問題はない。
釣りは転生前に友達につれられてよく行ってたから、熟練度は溜まっているだろう。
「じゃあ、昼からは近くの川に釣りに行くか」
「「はーい」」
それから三人で近くの川へ行き、釣り糸を垂れた。
「ライアは釣りに連れてきたことはなかったはずだが、エサを付けるのがうまいな」
「そ、そんなことはないと思うよ」
と違和感を持たれたみたいだが、テッドさんに教えてもらったと言ったら納得してくれた。
「テッドは猟師だが釣りもうまいからな」
ということらしい。
そして10分ほどして最初の当たりが来た。
「あ、おとーさんお魚さんが来たよ!」
「ライア、手伝うか?」
「大丈夫、一人で頑張ってみるよ」
まぁ、リールも何もない竹竿だから、タイミングを合わせて引き上げるだけだ。
「…よっと」
小さいヤマメのような魚が釣れた、さすが汚染とか何もない川だね、まぁこの魚が汚染に弱いかどうかは知らないけど…
『熟練度が一定に達しました[釣り]スキルを習得しました、[投擲]スキル[釣り]スキルを習得したことによりレベルアップ時のDEXに上昇補正が入ります』
え?スキルって覚えたらステータス上昇に補正が入るの?
だったらレベル上げる前になるべくスキルを覚えたほうが強くなれるってことか…よし、なるべくいろいろ出来そうなことをやってスキルを増やして補正をたくさん付けるのがカンストへの近道だな。
よし、明日は農作業の後、またテッドさんの所に行ってなるべく早く狩猟系のスキルを覚えないとな、他にはたしかテッドさんの家の近くにコーゼス婆さんが住んでたはずだ、コーゼス婆さんは産婆さんもやってるが、基本は薬師だったはずだから、薬の知識とかも得られるかもしれないし、時間に余裕があったら寄ってみよう。
ちなみにこの後三匹くらい釣ったところで[釣り]スキルがレベル2になった。
スキルにもレベルがあったんだな…なら覚えるだけじゃなくてちゃんと熟練度を上げていったほうがよさそうだ。
もうしばらく、スキルを覚えるだけのお話が続きます