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『自己進化 』 ~自分の道は自分で決める~  作者: 零度霊水
『人生分岐』 俺の人生は始まった。
8/64

08、『王国本棚』 落ちこぼれなのに無能はマズイよね。

もっとテンポよく物語を進めて行くのでお願いします。

 俺は食器をそのままにして部屋を立ち去る。なんでもここの使用人達が片付けてくれるらしい。

 城の待遇がやっぱりいいね......ただ、俺がいつまでこの待遇で居られるのか()......


 そんな事を考えながら城の中に入って行く。

 別館と城の間は一本の通路で繋がっていて、そこから中庭が見えるようになっている。


 中庭には、木を手入れしている人くらいしかいない。

 城になぜ中庭が有るのか知らないが、そこで鍛錬をしている人など居ない。小説でたまにあるがあれってどうなんだろう。訓練をする場所があるならそこですれば良いし、折角手入れしているところが荒れてしまうからな。


 さて、十五メートル程歩いて城に到着した。地図は貰っているので二階右端の部屋に行く、そこが図書室だ。


 城の中を歩いていると使用人の何人かが憐れむ様な目を向けてくる。

 城の使用人なんだからあからさまな憐れみはやめて欲しい。それとも俺なんてどうでもいいってか?

 勝手に呼んでおいてそれは酷すぎだと思うんだよね。第一この世界の問題はこの国の人達に解決してほしいよな。


 やべっ心が荒れてきた、癒し(彼女)が欲しいなぁ。








  ◇◇◇



 ふう、図書室に着いた。


 図書室はあまり広くなく、学校の教室くらいの大きさで、長机が一つと椅子が五つだけだった。

 やはりお城というだけあって、机や本棚も作り込めれた装飾があった。


 本の数は案外少なく多分百冊くらいしかなく、ただ、この部屋にいる人数を見て納得した。休みを貰ったと思われる二人の使用人しか利用していなかった。

 お城に図書室なんて本当に必要なのか疑問に思ったが、納得する答えを出す事が出来た。

『多分この図書室は勇者達の為の本が置いてあるのではないだろうか?』という答えだ。。


 どうでもいいが、既に依良はいなくなっていた。


 まぁ、取り敢えず読みたい本を探すか......


 数分後俺は数冊の本を重ね、椅子に座っていた。


 俺の思考は本に入って行く......










  ◇◇◇



 ◆( )はこれを読んでいる時の主人公の思考です。




『異世界、勇者の為の勇者召喚情報 第一巻 〜初代勇者様そして異世界召喚〜 』


 この本は『勇者の叡智』には、記録されていない最新の勇者召喚情報を残してある。



 ・『勇者の叡智』とは、『いくらでも書きたせる』という能力を持った国に七冊しかない、初代勇者様が作った凄い魔道具だが、書ける項目数が決まっており、書き足しはいくらでも出来るが範囲が狭く、項目の内容に関するものじゃないと書けないというデメリットが存在する。


 その問題を補うためにこの本を作成する。


 この本に書いてある冒険談は初代勇者様のものだけです。



『一項目 初代勇者様』


 ・初めて召喚に成功した勇者様。

 男性三人、女性一人の計五人で召喚され、四匹の始祖獣(しそじゅう)そして、邪麟(じゃりん)を討伐した者たち。職業は 勇者様、賢者様、索敵師様、回復術師様、流動変換師様だった。

 この中で、勇者様と流動変化師様は新しい職だった。


 この後は初代勇者の冒険が書かれていたので割愛。



( なるほど、初代勇者は五人召喚されたのか。俺の予想では、このオタク? にわか? 専用の『勇者の叡智』を作ったのは流動変換士の勇者だな。

 職業は確か固有スキルによって神様が勝手につけるんだったから、冒険者は称号になるんだよな。

 つーかなんだよ邪麟って、邪悪な麒麟か? しかも語呂悪いし。あっ麒麟って神獣の方ね。


 それはともかく、五体目が麒麟なら始祖獣って四神(四獣)、霊獣か? 中二心をくすぐるね......高二だけど。


 勇者の冒険談はハッキリ言ってテンプレラノベだった。流動変換士の使う技は、経験スキルの『メタルストップ』とかだった。


 なんでも、流動変換士は、気体や個体を一瞬で液体にしたり、液体を個体にしたりする能力だった。


『メタルストップ』とは、金属の鏃に魔法をかけ相手の体に矢を射り、刺さった瞬間金属を液体化させ、すぐに固体化させることによって、血の流れを止めて殺す、一撃必殺だった。


 矢が刺さる敵にしか効かず、連続で使える能力では無かったが、矢さえ刺さればダンジョンのボスでも一撃で殺すチートな技だった。


 はっきり言って勇者より凄いと思うな......)





  『第二項目 〜勇者召喚〜』

 ・今まで行われた勇者召喚は記録されているものが十一回、勇者召喚は百年周期で行われ、世代によって勇者に何を願うかは別になるが、その願いはどれも世界(異世界)の発展、進行に重要な願いである。

 

 ・勇者様は一人で召喚されるだけではなく、複数人で召喚される事もあり、今までの最大同時召喚人数は第ハ代目の三十人召喚されたものが、その中に固有スキル『勇者』を持つ者は一人だった。

 しかし、全員三つ以上スキルを保有しており、世界の発展に多大な功績を残してくれた。


 ・召喚された者達は、女神様にステータスを授けてもらい、人によってはこの世界に適応した名前貰うこともある。

女神様との間に会話は存在せず、こちらの提案を女神様が受け入れてくれることは無い。


・別世界で死んだ人間を召喚するので、元の世界に戻す事は出来ない。



( 集団転移した人達も例外なく能力を三つ以上持っているって......俺ってマジで例外中の例外じゃん!!

女神様はこっちの話を聞いてくれないのか。忙しんだろうな女神様、今回も時間かかっているみたいでしな。


俺のステータスが気になるなぁ。 )



( 『異世界、勇者の為の勇者召喚情報 〜初代勇者様そして異世界召喚〜 』の一巻は読み切った。全十一巻も有るので全部読んでる時間は無いので、取り敢えず十一巻を読んで、時間があったら他の巻も読むかな )










◇◇◇



「もう夕方か......」


 俺は本に没頭しすぎていたようだ。気づけば何故か透き通ている窓から夕日が入っていた。

 図書室には既に人はおらず自分一人だけだった。

五冊ほど読んだが歴代勇者がしてきた事は、『魔物の討伐』や、『流行り病の撲滅』、『全世界平和交渉のお膳立て』などで、最後に至っては「この世界のやつがどうにかしろ」と言いたくなるくらいどうでもいい事だ。


ただ、この本には絶滅した魔物も書いてあったので魔物も絶滅する事がわかった。


他にも、今まで召喚された勇者は年齢はバラバラで、一番若いのが中学三年生、学生だけでなく医者や料理人、大工なども召喚され、異世界の文明発展に貢献してきたらしい。



俺は取り出した本を本棚の元あった場所に戻した所でやっと自分が空腹である事に気付いた。


「そろそろ夕食でも食べるか 」

俺はそう独り言を呟き、食堂へ行く。まだ少し早いかもしれないが、一応城の客人扱いなので問題ないだろう。




俺は来た道をそのまま帰ってくるが、相変わらず哀れんだ視線を向けられる。

本当に俺が城で客人扱いなのか気になってきた。本当は『勇者召喚に巻き込まれた哀れな奴』とか、『スキルの数は無能だが、使えるかもしれないから生かしておく』みたいないつ死んでもいいみたいな感じになってんじゃねーの?





閑話休題(俺、命危うし!)








◇◇◇


食堂には俺以外誰も居なかった。もしかしたら俺を除いた地球での仲良しグループで、『やったな!! 』とか『あいついらなくね? 』とか言ってんのかな? さっきから思考がネガティヴになっているな。

変に期待を持つのはやめたほうがいいが、希望を捨てないようにしないとな。


俺は一度廊下に出て、そこらへんを歩いていたメイドさんに夕食を食べる事を伝え、食堂の中に戻った。


十分後位に何らかのポタージュのスープと厚さが薄いステーキ、白パン、サラダが出てきた。


料理が出てくるのが早すぎて驚いたが、手抜きではなく案外美味しかった。やっぱり、化学調味料が無いから少し違和感があるが、ステーキにかけてあるソースが凄く美味い。


サラダにかかったドレッシングも美味い。何代目かの勇者が料理人だったのかもしれない。


俺は夕食を堪能し、部屋に戻った。


特にやることが無かったので、ラノベを読んで寝た。














◇◇◇


朝日に顔を照らされ目が覚めた。時計を見ると七時だったので、ゆっくり起き上がって部屋に付いている洗面所で顔を洗い、歯磨きをした。


その後昨日と同じデザインの服に着替え、時間が来るまで昨日図書室で借りたこの世界の英雄の実話を読んだ。

短編集みたいなものだったが、騎士から成り上がった物や冒険者からの成り上がりなど、殆んど成り上がり物だった。


ふと、時計を見ると七時半だったので俺は本を閉じ、昨日と違って歩いて食堂に向かった。


食堂に居たのは竜吾と依良と美奈と瞳だった。相変わらず俺は最後らしい......健二は除いてだけどな。


みんな顔に緊張が浮かんでいる。多分俺が一番ひどい顔をしているだろう、何たって俺以外の人達はハズレスキルが来たとしてもチャンスは四つあるんだから、一つハズレても三つ良ければ十分暮らしていける。


でも、俺の場合は違う。この世界で成り上がった人も何人か居るようだが、固有スキルが一つで成り上がった人は居ない。俺が無能にならないためには今日如何にか女神様にいいスキルを授けてもらうしかなさそうだ。



朝食が始まる五分位前に健二が走ってきた。


朝食は白パンと昨日と同じポタージュだった。


会話数も昨日に比べて少なくみんな無言だった。


朝食を食べ終わり皆がそれぞれに時間を潰し九時になる数分前に王女(ラン)が入ってきた。


「では、魔法陣のある場所に行くのでついて来てください」


俺たちはランに従い城の中庭を通り別館の反対の場所にある教会? のような場所に着く。


教会の中に入ると地球にある教会は作りが違った。

椅子が一つもなく、部屋の中心に大きな魔法陣が白いチョークの様なもので描かれていて、ステンドグラスから入ってきた光が魔法陣の中心に虹色の光が当たりとても幻想的な空間だった。

「女神様と面談するので、竜吾様からこの魔法陣の中心にに乗ってください」


ランにそう言われ竜吾が魔法陣の中心に乗る。乗った瞬間紫紺の光が放たれ光が収まると金色の鎧を着た竜吾がいた。


凄い、今の一瞬で面談を終えたのか。時間が止まったのかな。


「ステータスは纏めて確認するので、勇者様の使命を教えてください」


「わかった。俺の使命は邪麟を倒す事だと言われた」


マジか......邪麟って初代勇者が倒したやつだよな? この世代ってやばいんじゃね? 多分俺覗く残りの四人は四獣を倒すとか……


「まさか、邪麟がまた現れるなんて......」


どうでもいいけどやっぱり語呂悪いな邪麟ってさ。


「なんなんだその邪麟って?」


「初代勇者様が討伐した最恐(最強)の魔物です。まさか復活するなんて」


なんか竜吾が決意に満ちた顔をしている。


その後スキルの数を測った時と同じ順番で女神様と面談した。俺の予想どうり他の四人の使命は四獣の討伐らしい。


ただ、依良の名前がエンスになったとか。



そしてついに俺の番になった。


「では、深海様、魔法陣の中心へお願いします」


魔法陣の中心に立つと紫紺の光が溢れ思わず目をつぶった。目を開けるとそこはーー真っ白な空間だった。


そして、正面に座っている? 女神様は光の玉にしか見えなかった。









この女神は僕が不定期更新している『転生ガチャで出たのは呪いの木刀でした』に出てくる女神様と友達です。


読んでいただきありがとうございます。


誤字脱字等教えて頂けると有難いです。

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