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『自己進化 』 ~自分の道は自分で決める~  作者: 零度霊水
『人生分岐』 俺の人生は始まった。
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06、『無能力者』 巻き込まれる奴って大抵チートじゃ無いの?

 俺が本を閉じると他のみんなはまだ本を読んでいた。

(文字は俺のが多いはずなんだけどな。もしかして第二項目も読むのか? すぐに本開くの、さっきの本の閉じ方からしてあんまりしたくないんだよなぁ)


「あの、すいません。第二項目も読むんですか? 」

 俺は気になったことを素直に王女様に質問した。昨日敬語じゃなくていいとか言ってたし変な敬語になっても大丈夫だろう。


「いえ、第一項目だけでいいですよ。それにしても深海様は読むのが早いですね」

 ん?なんで俺の名前知ってんだ?

「俺、王女様に自己紹介しましたか? 」


「昨日勇者様方の話し合い(自己紹介)が終わった後竜五様に聞いたんですよ」


「そうだったんですか」

 そうだったのか。竜五夜に王女と会っていたのか。召喚される前の俺なら妬んでいただろう、だが!! 俺はその時間、美奈と会っていたのだ。どうだ、羨ましいか?

 ははははーー



 閑話休題(俺もリア充? )





 そんな事を考えてるうちに美奈が読み終わったようだ。

 俺が早かったのは普段から、ラノベを読みまくっていたからだと仮定する。

 依良とか本読むの早そうだったけどな。

 どうやら美奈も読み終わったようだ。


 おっ美奈がこっちに近ずいてくる。


「ねぇ、どんなことが書いてあったの? 」

 そう俺の耳に口を近ずけて聞いてくる。

 ヤヴァイ、やばい美奈の息が俺の耳に--


「えっと、大したことはなかったよ。違いはエルフはヤンデレとか書いてあるだけだと思うよ」


「そっか」



 数分後全員が読みおわった。

 一番最後だったのは健二だった。



「では、皆さん読み終わりましたね、では、質問がある人は今質問してください」

 質問タイムか、冒険者と種族の仲の良さについて聞いておくか。


「龍人族については本当になんの情報もないのか?」

 竜五に先越されたな。


「はい、『存在はしている』と歴代勇者様が仰っていました。しかし、情報が何もないんです」

 やっぱりそうか。


「えっと、三つあるんだけどいいですか?」

 やばい、変な敬語になってしまった。


「いいですよ」

 間違いについては大丈夫そうか。よかった。



「一つずつ質問します。冒険者とはなんですか? 」

 

「それは本の第二項目に書いてあるので、そちらを見た方がわかりやすいと思います」

 そうなのか、あとでもう一回本開くか。


「わかりました。二つ目の質問は、俺達は第十二代目勇者何ですか? 」

『最後に十一代目より』って書かれていたからな。


「はい、そうですね。今までで十一回勇者様が召喚されていますね」


「崇史、俺の本には何代目勇者とか、書かれていなかったけど。お前のには書かれてたのか? 」

 やっぱり、俺のこれ()だけか。


「うん。最後に『幸せに』っていうメッセージが十一代目勇者よりって書いてあったから、俺たちは十二代目なのかなって」

 少し書いてあった内容違うけどな。



「最後に、勇者って毎回六人呼ばれるんですか? 」

 必ず六人なら俺が巻き込まれただけっていうことは無くなるな。


「いえ、そうではなくて、一人だったこともあれば、二十人くらい呼ばれたこともあるそうですね。初代勇者様は五人だったそうですがね」


 え……これはまずい。俺が巻き込まれただけの可能性、大じゃないか。


「ありがとうございます。俺の質問はもうありません」

 これ今更だが、俺ではなく、僕や私の方が良かったかもしれない……いや、絶対そっちのが良かった。しくっじたな。


「他に質問はありますか? 」


 え? 誰もいない。てっきり依良とか質問すると思ってたのにな。

 なんとなくあいつこの国信用してない気がするな。

 美奈には聞く機会があったら聞いてみるか。


「では、質問はもう無いようなので次へ移ります。女神様との面談ですが、明日の十時に決まりました。そして今この場で、スキル適性検査をします」


 おお!! 女神様が色々忙しいのはわかったけど、重要なのはそこじゃない。スキル適正検査の方だ。

 これによりここでの人生の全てが決まると言っても過言ではない。


「あの、スキル適正検査って、どれくらいスキルを持っているか調べるってことですか? 」

 その疑問を発したのは以外にも依良だった。

 俺は驚いた今日王女の前で依良は喋らないと思っていたからだ。


「そうですね。ここで検査をします。これから特殊な魔法陣の上に乗っていただきます。乗ると魔法陣が輝き出します。

  青色で、弱々しくひかるなら固有スキル一つ、緑色で、ぼんやりひかるなら二つ、赤色で、ひかるなら三つ、銀色で、輝くなら四つ、そして勇者様(五つ)金色(こんじき)に輝くそうです」


 俺は緑色は行きたいな、銀色は無理そうだから赤色が目標かな。青色は嫌だな......


「ここで、スキルの内容もわかるのか? 」


 さすが竜五よくタメ口で話せるよな、でもその質問は俺も気になっていたんだよな。


「いいえ、スキルの内容を判別するには女神様にステータスを作ってもらわないといけないので今確認することはできません。

 その時に名前も変えてもらうことになります」


 え? 名前も変えるのか?


「名前を変えるってどういうことだ? 」


「これは歴代勇者様が提案したことなんですが、そちらの世界(地球)とこちらの世界(異世界)では名前の価値観が違うことがあるので女神様に新たな名前を授かることができます」


「それは強制なのか?」


「いえ、やりたい人だけですね。しかし、苗字はなくしてもらいます」


 俺は変えようかな名前、この名前そんな特徴ないしこっちの世界で馴染みずらそうだし……ただ変な名前は嫌だな。

 そしてやっぱり苗字は無しか。貴族だけなんだろうな。


「スキル適性検査を始めます。右の人からお願いします」


 俺たちの並び順は右から......依良、健二、竜五、麻野、美奈、俺だ。


 王女の両サイドにいる魔法使いが何かを唱えると俺たちと王女の間に紫紺の光が輝き魔法陣が浮かび上がってくる(展開される)


 おお!! カッケー 魔法すごくかっこいいぞ、これは魔法剣士とかに憧れるな。

 俺は興奮しながら周りを見るとみんな唖然としていた。やっぱり魔法なんてものを見せられたら嫌でも、ここは異世界なんだと理解させられるからだろう。


「では、お願いします」

 王女がそう言うと依良が前に出た。


「はい」


 依良が恐る恐る魔法陣に乗ると魔法陣は最初に見たように一瞬紫紺に光り、そしてすぐに赤色に光った。


「僕は固有スキル三つということですか? 」

 依良がそう王女に問う。


 少し意外だった、てっきり俺以外はみんな四以上スキル持っていると思ってたのに依良は三つだったからだ。


「そうですね、歴代勇者様でも赤色の人はいたので安心してください。

  では次の人お願いします」


 依良が魔法陣から降りると魔法陣は元の紫色に戻った。


「おう」


 健二は物怖じもせずに堂々と魔法陣に乗る。

 すると魔法陣が依良の時と同じように一瞬紫紺に光り、そしてすぐに銀色に輝いた。


「おってことは俺は固有スキル四つってことか」


 そう言って健二はすぐに魔法陣から退く。やはり魔法陣は紫色に戻る。


 やっぱりこいつ持ってるな、四つとか天才レベルじゃないか。でもここは俺の予想当たったな。


「では、竜五様お願いします」


 竜五はどうか知らないけど少なくとも竜五除く全員がこう思っているだろう『こいつが勇者だろ』と、全員勇者とはいえそのスキルを持っているのは一人だけだろう、そしてその一人が竜五なんだろう。


 そんなこと考えていると竜五は普通に魔法陣に乗った。

 ここでも魔法陣は一瞬紫紺に光るがすぐに強い金色(こんじき)の光を放った。眩しすぎて竜五のことを直視できないほど光は強く、その光は竜五に集まる。

「ッッ」誰かの息を飲む声が聞こえる。

 やっと竜五を直視できるようになった時竜五(勇者)金色(きんいろ)の鎧を纏っていた。誰がどう見てもその姿は誰がどう見ても勇者(希望)だった。


 俺はそれを見て文武不相応にも憧れてしまった。人類の......世界の救世主(勇者)に!!



「前回の勇者には、こんなことありませんでした」

 多分エルフと思われる老人魔法使い? がそういった。


 こいつは、竜五はやっぱり勇者だった。それも飛び切りの天才だ。

 俺が読んでた本の最後のメッセージに、『真の勇者......適性度が最高の勇者は鎧を纏うんじゃないか? 』と二代目勇者が仮説を立て、三代目と七代目の勇者だけ鎧を纏っていたようだ。


 つまり、この仮説は限りなく正解に近いと思う。ただ、スキル適正検査が始まったのは五代目勇者からなんだけどな。


 空気が静まり返る。竜五が魔法陣から退くと魔法陣はやはり、紫色に戻る。

 そして、金色の鎧が輝き元の服に戻る。


「えっと、俺が勇者ってことでいいんだよな? 」

 竜五自身も驚きながらこの場にいる全員に聞いている。


「はい! そうですよ!! 」

 王女が嬉しろうにそういった。なぜ嬉しそうかについては追求しなくていいかな。


「どう見てもお前だろ!!」 「いや、これで勇者じゃなかったらなんなんだよ」

 みんなで竜五の疑問に答えている。当然俺も答える。



 ただ、美奈さんこの空気の流れで次、大変そうですね。



  閑話休題(頑張ってください)

 



 数十分後やっと場が落ち着いた。王女は泣き出すし、依良は影ですげー悔しそうな顔してたし、超混沌(カオス)だった。


「でも、なんで俺は鎧を着ていたんですか?」

 確かにそうだな。


「私達もわからないので全員のスキル適性検査を行なった後確認しましょう。幸いこの魔法陣は後二時間ほど持つので」

 そんなに長い時間持つのか、コスパいいのかな。


「わかった」


「では、雫田さん。お願いします」


「はい」


 美奈が魔法陣に乗ると一瞬紫紺に光りすぐに銀色に輝いた。


「四つ、ですね......」


「竜五様にかすれてしまうけど、すごいことですよ」


 この空気だからか王女ーーもうランでいいかランもそう言う。


「はい、わかっているので大丈夫です」


 別に落ち込んでいる様子はなく美奈がそう言い魔法陣から離れる。魔法陣はやはり紫色に戻る。


「次の人、お願いします」


 麻野が魔法陣に乗ると一瞬紫紺に輝き(・・)すぐに銀色に輝く。


「今なんか光強くなかったか? 」


 俺は近くにいた健二にそう聞くが健二はーー「そうか? 俺にはわかんねーな」としっかり考えた上で言っていた。


 もうわかっているので特に喋らずに魔法陣から退く。


 俺は名前を呼ばれる前に魔法陣へ歩き出していた。


 すごく緊張している。ほとんど奴が銀色とかやばいって、俺だけ緑とかだったらーー


 俺が心の中をグチャグチャにしながら魔法陣に乗る、するとーー今までは一瞬しか光らなかった紫紺の光がとても強く輝いた。全員が言葉を失う中、一分位が過ぎた時紫紺の輝きは収まり今度は弱々しく青色の光が光った。

 またしても全員が言葉を失う中今度は魔法陣がガラスが割れたような音を立て砕け散った。


「えっと......俺って......固有スキル......ひ、一つだけ?」

 俺は敬語も忘れ、どうにか言葉を絞り出した。


「はい、最初と最後に起こったことはわかりませんが固有スキルは一つしかないと予想されます」

 そうか......

「わかりました」


「ですが、固有スキルが少なくても強い人や、成功した人はいたので安心してください」


 ランはそうフォローしてくれるが、安心できないよ......


「はい、わかりました」


 もうわかりましたしかいえないな......


「ま、まあ頑張れよ」 「そんな気分落とさずにさ」


 クソっスキル四つ(天才)五つ(勇者)にはわからないだろうよこの気持ちは!


 リア充爆発しろ!!!


 俺は異世界生活二日目で前世で一度も使わなかったとある言葉を使ってしまった......







読んでいただきありがとうございます。


誤字脱字等、教えていただけると幸いです。

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