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『自己進化 』 ~自分の道は自分で決める~  作者: 零度霊水
『輪廻転生』 〜光を示すもの〜
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45、『魔法社会』 歪な世界

大変遅れてしまい申し訳ございません。

「ご協力ありがとうございます。では、現場に向かいます」


 王都を出る時に触ったステータスの犯罪歴を調べる水晶に触ってこちらに非がない事を証明する。


「いえ、お願いします」


 細かい手続きと身分証明的なものはツバキとシフォンがやってくれた。

 手を出し、余計な事をして手間を増やさない為に二人の後ろでレフィーヤの手を優しく握っていた。

 さっきの一悶着からレフィーヤへの依存度が上がった気がする。

 レフィーヤは ”しょうがないなぁ” みたいな顔をしながら静かに手を握ってくれた。指と指を絡ませて握るーーまぁ、恋人つなぎというやつだ。


「あっ」


 依頼人に仕事をさせてその後ろでイチャイチャするのは常識知らずだから繋いでいた手をそっと離す。


「不甲斐なくてごめん。もう、大丈夫だから」


「そっか」


 役所みたいな建物を出て、人の邪魔にならないところでツバキ達にもしっかり謝る。


 俺の本当に短い人生で学んだ事だがお礼や謝罪はその場、もしくは出来るだけ早く伝えておくべきだ。

 そうした方が、誰とでも円滑に安定した友好関係を築けるからだ。少なくともお礼すら言えない奴よりは印象が良くなるだろう。


「ツバキ、シフォン、ごめん。それと、手続き等ありがとう」


「大丈夫ですよ。さっきは助けていただきありがとうございました」


「依頼だし、助けたかったからな」


 それから十分ほど雑談と警戒をしながら歩いて訓練場についた。


「ここの一室を借りています。そこで戦ってください」


 一室貸切って本当にいいのか?

 つい恐縮してしまう。


「本当にいいのか?」


「はい。レフィーヤさんが止めて下さらなければ私はミストさんを殺していました。これはそれに対するお詫びなのでそんなに恐縮しなくて大丈夫ですよ。

 ただ、私は奴隷身分のためお詫びのしわ寄せがお嬢様に行ってしまうのは申し訳なく思いますけどね」


「そうか……ありがとう、助かる」


「ちなみに、お金の心配は要りませんよ。私が商会に行く事が決まってから父は私の頼みをある程度聞いてくれるようになりました。きっと私の機嫌をとって私が自殺したり逃げ出さないようにする為ですけどね」


 シフォンはそう言ってまた自虐的に笑った。


「なぜ、シフォンは逃げ出さないんだ?」


「それは、私のせいなの。私はお嬢様がこの町から逃げ出そうとしたり自殺を図ったら止めるように命令されているから。その命令を破ったら私は殺されるので、お嬢様は私を守るために逃げられないの……実のところ守られてるのは私の方……なのよね」


 ツバキも自虐的に笑う。この二人はどこか似ているところがあるな。

 ただ、ツバキの説明に疑問を感じた。


「でも奴隷身分の者を殺してもペナルティは受けるんだろ? 貴族がペナルティなんて受けたらまずいんじゃないのか? 自分から犯罪者って事を告白してるようなもんだし」


「ええ、普通は奴隷にできる命令は契約段階で決めた事だけだし、その中に犯罪行為(ペナルティ)は設定できないわ。ただ、ファイルは奴隷を()と思っているの。貴方が自分の物を壊してもペナルティは受けないでしょ? つまりはそういう事なのよ」


 者を物として見ているか。たしかに自分の所有する『物』を壊しても犯罪にはならない……当たり前だ。でも、『者』は違うだろ。

 このステータスのシステムは穴が多すぎる。その上この世界の人たちはそれに頼って生きている。

 さっきの水晶がいい例だ。あれだってもし俺たちが快楽殺人集団で、罪悪感もなく殺人を犯していたとしても反応しなかった可能性だってある。


 本当に、この世界はどこか(いびつ)で、未完成だ。

 この世界は科学があまり発達していない。技術力は中世ヨーロッパとかその辺くらいなのに、魔法という力で楽ができる為、地球であったであろう『毎日水汲みは大変だ……そうだ! 道具を作ろう』というような事が無かったのだろう。

 なんせこっちでは『毎日水汲みは大変だ……そうだ! 魔法を使おう』となるんだから。


 しかも、過去勇者の影響もあって変なところは科学が進んでいたりする。

 巨大な外壁や家の作り方、紙の作り方などだ。

 逆に、医療学や、馬車などの移動手段に関してはあまり進歩していない。


 今度女神様に会ったら話をしたいな。





 ◇◇◇




 俺は学校の教室程の大きさの部屋でツバキと対峙していた。シフォンとレフィーヤは結界装置を挟んだ向こう側にいる。



 ツバキは忍者衣装(くノ一装備)で二本のククリナイフを構えている。かつての戦闘の再現だ。

 俺はアサシンベルクを右手に持ち、左手には投げナイフを持つ。


「いきます!」


 掛け声と共にツバキは煙玉を地面に投げつけた。一瞬にして周囲に煙が広がる。


 四方を煙に包まれた。どこから攻撃されるかわからない。


 俺は暗殺者の第六感(アサシンセンス)を全力で展開する。


 瞬間、背後ーー


 ーー左斜め後ろから首を狙うの強い殺気を感じる。


 前方に飛び出し、左腕を犠牲に初撃をかわし痛む左手でナイフを投げる。


 どうにか牽制にはなったようで少し距離が開いたのが感覚でわかった。


 さて、どう攻めるかな……










今回は大変遅れた上、ギリギリの投稿なので短くなっています。

次回は『後編』に近いものが上がります。本当にすみません。


読んでいただき本当にありがとうございました。

誤字脱字、矛盾点等ございましたらご指摘していただけると幸いです。

よろしければ次回もご覧ください。


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