表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『自己進化 』 ~自分の道は自分で決める~  作者: 零度霊水
『輪廻転生』 〜光を示すもの〜
38/64

38、『昇格依頼』 星屑の鞘

すいません。リアルが忙しく、大変遅れてしまいました。

 朝起きた後色々とあり、宿を出る時には昼の時間帯になって居た。

 レフィーヤの宿から出て、二人並んで道を歩く。


「今日中にギルドに行かないといけないんだっけ?」


「うん。迷宮(ダンジョン)遊戯(メイキング)をクリアした者として私とミストの顔写真が公開されたから多分ランクアップとかだと思うよ」


 俺たちの関係は恋人に進展した。そしてレフィーヤは俺に対しては口調が柔らかくなった。宿の受付に対しては前と同じような感じだった。


「ランクアップか……俺はCランクになるのか。レフィーヤはAランクになる、と……」


「ミストが上がるのは確実だと思うけど、私はわからないや。もしかしたら昇格試験としてクエストを受けるかもしれないけど……手伝ってくれる?」


 レフィーヤが俺を少しでも頼ってくれている。これを断ることなんて俺にはできない。


「手伝うよ。レフィーヤの助けになりたいし、それに……俺たちは……ほら……その……恋人……なんだし……」


 堂々と恋人って表すのが怖い。俺の勘違いって事はないと思うけど、レフィーヤが大事だからこその恐怖。そのせいでとてもたどたどしい答え方になってしまった。


「ふふ……ミストの恋人……嬉しいなぁ」


 たどたどしい俺にレフィーヤは優しく微笑んでくれた。俺はレフィーヤの手を取り、しっかりとそれでいて強く握りすぎないように優しく包み込む。

 するとレフィーヤは少し驚いた顔をしながら嬉しそうに笑って、腕を俗に言う恋人繋ぎと言うものにしてきた。

 いや、俺たちは恋人だから恋人繋ぎする事は別に何にもおかしくないし、すっげぇ嬉しいんだけど。やっぱり恥ずかしい。



 どうしても視線が下を向いてしまう。ふとレフィーヤの顔を見上げるとレフィーヤの顔は耳の先まで真っ赤になって居た。

 レフィーヤからしてきたことだが、腕をしっかり組んだ上で指を絡める繋ぎ方はやっぱり恥ずかしいようだ。

 ただ、不思議なのが周りからの視線が気にならないのだ。他人からの評価よりレフィーヤからの評価のが大切に思えるのだ。

 もうこの際バカップルでもなんでも良いやと、俺が自暴自棄なった頃ギルドに到着した。



「お待ちしていました。この後副ギルド長と会談があるのですが、お時間はありますか?」


 俺たちに気づいた受付嬢が駆け寄ってきて、こう告げてきた。


「ああ、私は特に問題ない。ミストは?」


「俺も特には……」


「わかりました。では私について来てください」


 受付嬢についていくと、部屋の前にベンチが有り、そこで待てるようになっている場所についた。

 面接を受ける際の待機場所の様になっている。


「こちらでお待ちください」


 そう言うと受付嬢は部屋の中へ入っていった。


「ギルド長は居ないんだっけ?」


「うん。確か今はギルド長が集まる会議に行って居て、不在らしいよ」


 取り留めのない会話をしていると部屋のドアが開き、先ほどの受付嬢が手招きしてきた。


 部屋に入ると身なりの良い中年の男性が立って居た。部屋の中は校長室とか、テレビで見た社長室とかそういった雰囲気の部屋だ。


「君達があの迷宮遊戯をクリアしてくれた者たちで間違いはないな」


「はい、そうです」


 俺が答える。レフィーヤは頷き肯定の意を示す。


「では、まず初めに私はケーフといいます。この街の冒険者ギルドで副ギルド長をやって居ます」


「ギルド長、副ギルド長の秘書キュラーテです。よろしくお願いします」


 ケーフさんはとても下に出て居た。まるで日本人のようだ。受付嬢だと思って居た女性はどうやら秘書だったようだ。

 危ねぇ〜もし受付嬢って言葉を口に出してたら失礼きわまり無いぞ。


「今回呼んだ理由は冒険者ギルドと迷宮の街(クロム)からの報奨金と二人のランクアップです」


 やっぱりか。さて、報奨金はどのくらいもらえるんだ?


「報奨金は……街を救ってくれた英雄には申し訳ないのですが、五十万ジルドしか出せません。本当にすいません」


 副ギルド長は俺たちに深く頭を下げた。これは本気の、心からの謝罪だ。

 そして、あっち側の言い分もわかる。あの事件は災害の様なものだし、あれによってこの街が得した事は一つもない。むしろあの事件で死んでしまった兵士や冒険者分言い方は悪いが、損しただろう。


 戦闘に関係のない街に住む人々とはあの事件が相当ヤバかったという危機感はないだろう。だからこそ賞金を与えたいから税金を多くするとは言えないし、俺たち以外にも第一軍として迷宮に入った人達にはある程度の金を渡さないといけない。これは認めるしかない。


 何より俺はあの事件で、彼女が出来た。ここで印象を悪くしてまで金は望まなくて良いだろう。


「レフィーヤはこれで大丈夫?」


 俺たちはパーティーなのでレフィーヤにも確認を取る。


「ん〜私も問題ない。私はただあいつを倒せればよかったから」


「では、その額でお願いします」


「ッ! ありがとうございます!」


 お礼を言われるほどのことでも無いんだけどな。


「それと……ランクアップに関しても問題がありまして、ミストさんのCランクへの昇格はすぐにでも可能なんですが、レフィーヤさんのAランク昇格にはこちらが指定する依頼を何件か受けてもらう必要があります。」


 俺の方は問題ないけどレフィーヤの方は問題ある……やっぱりAランク冒険者ってのはなるのが大変なんだな。


「それは私も理解しているから問題ない。それで……私はどんな依頼を受ければ良い?」


「最初に受けて頂くのはクロムの街に隣接する街、ルビの()の領主の娘の護衛です。2日後にこの街を出るので、護衛対象と領主が雇った護衛に着いて行きルビの町で一定期間彼女を守って頂くのが依頼内容です」


 領主の娘って言うとワガママとかか? それとも縦ロール? うーむ、俺の想像力が乏しいのか全く想像つかない。


「ミストも一緒でいいのか?」


「はい。パーティーメンバー同伴可能な依頼です」


「ミスト、協力してk「いいよ。いちいち確認取らなくて。俺はレフィーヤのパーティーメンバーで恋人だ。一緒にクエスト受けようよ。それともやっぱり俺じゃ頼りないか?」


「頼りなくなんかないよ。ただ、そうだな。これからよろしく頼む」


 レフィーヤが手を差し出しくる。


「こちらこそよろしく」


 俺は差し出された手をしっかり握る。


「あの〜そろそろよろしいでしょうか?」


「ああっ! すいません。では依頼の詳細を……」





  ◇◇◇◇◇






 依頼の詳細を話し合った俺たちは街で買い物をして居た。お金に関してはパーティー共有財産が十万ジルド。俺とレフィーヤがそれぞれ二十万ジルドとなった。

 パーティーのお金は、長期依頼の必要道具を買ったり移動時にかかったお金を出したりする為のお金だ。管理はレフィーヤがしている。


「ポーションや食材、調理済みの料理も買ったし、他に買う物ある?」


「生活用品はないかな。次は武具を買いに行こうよ」


「わかった」


 生活用品を売っている場所から移動し、適当に選んだ店に入っていく。選んだ理由は多くの人が出入りして居たし、店自体が大きいからだ。


 店内はそこまで広くないホームセンターの様だった。壁に長剣やナイフが飾ってあり、値札が書かれている。

 成る程、武器に押してある印によって盗んだり収納バックにしまったらすぐにわかるようになっているのか。


 因みに情報源は壁にデカデカと書かれている注意書きだ。


「俺は投げナイフを買いに行くけどレフィーヤはどうする?」


「私は適当に店内を見ているよ」


 店内にある時計を確認するとあと約15分で2時になるようだ。


「わかった。じゃあ15分後、2時にここで落ち合おう」


「了解」


 レフィーヤと別れ、俺はナイフ売り場に行く。

 ただの投擲武器なら水晶龍の短剣(アイシクルダガー)の氷柱があるので、麻痺毒の投げナイフ(パラライズナイフ)毒の投げナイフ(ポイズンナイフ)を4本ずつ、ボタンを押した三秒後に爆発するナイフ、ナイフボムと強力なワイヤーがついた特殊なナイフをそれぞれ一本ずつ買った。


 ワイヤー付きのナイフは返しが大きく、うまく引っかければぶら下がったり出来そうだ。それとナイフを収納できるベルトを二つ買った。腰のところでクロスさせ右に毒とワイヤー、左に麻痺と爆弾ナイフを装備している。


 全て、特にワイヤーと爆弾は高かったため、懐が潤っている俺でも、大量には買えなかった。

 麻痺毒と毒も結構良いお値段した。


「鞘も見ておくか……」


 紡がれる思い(アサシンベルク)に丁度いい鞘はないか探してみたが、やはりフランベルジュに合う鞘は無いらしい。


「ミスト、この鞘はどう?」


 振り向くとレフィーヤがいた。レフィーヤが持っていた鞘は深い黒色をしているのだが、光に照らすと金色の輝きが散りばめられており、まるで満天の星空のようだ。


「確かに綺麗で俺の好みのデザインだけどアサシンベルクには合わなくないか?」


 そう、その鞘は長剣用の鞘だったのだ。


「これは万能鞘と言ってね、長ささえ合えばどんな武器の鞘にもなるっていう魔法の道具なの」


 確かにその効果なら是非とも欲しい。


「でもお高いんでしょう?」


「うん。鞘だけで二十五万ジルド。これは形状しか合わないから五十万は超えないけど……」


 うーん、ギリギリ出せるな。どうするか……


「私も出すから買わない?」


「いや、悪いよ。俺の装備なんだし俺がだs「私達は恋人でパーティーメンバー、でしょう?」


 うぐっさっきのやり返しをくらったな。


「そうだな。じゃあ恋人としてお願いしようかな」


 普通はパーティーメンバーの装備を仲間が買うなんてないでしょ。


「じゃあレジに行こうか……」


 店を出た俺の装備は少なくとも見た目だけは十分冒険者だ。

 腰にはベルトを斜めにクロスさせ、いつでもナイフを抜けるようにしている。腰の裏側には横向きにナイフがはまっており、すぐに抜ける様になっている。ベルトより少し高めの左側の脇腹付近には鞘にはまったアサシンベルクがしっかり装備されいる。

 収納バックは左肩から右側にかけてある。

がさばる槍はあまり使わないのでバックに入っている。



 万能鞘の名前は星屑(スターダスト)というらしい。


 さて、宿に戻って『自己進化(メイキング)』だ!


次回は一気に物語を加速できたらと思います。

それと、大変遅れてしまい、本当に申し訳ありません。次回はなるべく早く出来るよう頑張ります。


読んでいただきありがとうございました。

誤字脱字や物語のおかしな点等ございましたらご指摘頂けると幸いです。

読んでいただき、本当にありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ