02、『自己紹介』 俺だけスペック低すぎね?
やっと出てきた主人公の名前。
おかしなところもありますがよろしくお願いします。
「え、ああ、わかった。この後すぐかな?」
いきなりだったんで少し吃ってしまった。
「うん、そうしてくれるとありがたいんだけど」
俺も自己紹介して欲しいし「わかった」と答えた。言葉数が少ないのは、俺が少し人見知りだからだ。
「よし、じゃあみんなでさっき説明された集会所に行こうか」
集会所とは、勇者達の泊まる建物の小さい会議室のような所だ。ここで話し合いをして欲しいと言っていた。
「みんなもそれで良いかな?」
森原が俺以外の人達に聞いた。
「わかった」 「大丈夫」 「うん」 「はい」四人とも別々の返事をした。
うん、森原普通にいいやつだな。
◇◇◇
勇者の館は大きな屋敷だった窓が多く透明なガラスだったことに驚いた。集会所含め二十を超える部屋があり、使用人も多数いた。
そして一通り屋敷を見てきた俺たちは集会所に集まった。
◆
なぜか透明なガラス窓から夕日が室内を照らす中、自己紹介が始まった。
「じゃあ、俺から始めるぞ。俺は、森原 竜吾。学校では剣道部で部長を務めていた。趣味はランニング、あと剣道だ」
さっきまで敬語だったのはなぜなんだ? 部活、剣道部だっt「全国大会でいいところまで行ったんだぜ!!」
俺の思考を中断してラグビーやってそうな奴が大声で言った。
「俺は無双 健二高校では、ラグビー部に所属していた。趣味はアウトドアとトレーニングだ。ちなみに森原同様彼女はいた」
く、このイケメンどもがてめーらリア充は敵だ。でも本当にラグビー部だったのか。
森原はテレビで男性アイドルやっててもおかしくない黒髪の細いイケメン、背は高めで多分百七十五センチメートルくらいあると思う。無双は元気な高校生という雰囲気のマッチョ茶髪イケメンで 、背は百八十センチメートルくらいだ。男の描写はこれぐらいでいいか。
「私は雫田 美奈。高校では剣道部、一応全国大会二位よ。趣味は読書」
「因みに、美奈は俺と幼馴染だ」
な、何!? 森原こんな黒髪ポニーテール、圧倒的巨乳、そして大和撫子その言葉はこの人の為にあると言う様な美人いや美少女の幼馴染だと? 羨ましい、嫉しい。 森原の彼女ってこの子か?
雫田は、肩にかかるぐらいの黒髪ポニーテールの超絶美少女、アイドルやっててもおかしくないレベルの美しさで、可愛いというより美人って感じがする。
「竜五でいいっていつも言ってるだろ、美奈」
ん?なんかこいつは俺の女て見せつけられた気がする。
「いや、名前はまだ、ごめん」 「そうか」
何があったんだよ。それに、まだってなんだよ!まだって、ラブコメみたいなの見せんな!!
「えーと、私はは麻野 瞳高校では弓道部に入っていたわ。全国三位まで行ったわね、趣味は美奈同様読書。ちなみに彼氏は美奈と同じで、できたことないわ」
この子は肩よりも下に伸びている黒髪ロング、雫田同様すごい美少女。そしてこれまた巨乳。バストとかよくわからないがすげーでかい弓引く時邪魔にならないのか?
……だめだ、どうもテンションがおかしい。完全に変態だぁ! もっと自重しろ、俺。
とりあえず、情報を信じるなら雫田さんも麻野さんも、彼氏いないのか。やったぜ!
まぁ、俺には関係ないんだろうけどなぁ。
つーか俺以外メガネ含め美少年、美少女しかいねーじゃん。スペックが全然ちげーよ。
「僕は、衣良 解高校では科学部だったよ、と言ってもこの人達みたいなすごい功績はないかな。趣味は「俺も全国行ったしな」割り込まないでくれる?」「おお、ごめん」
「改めて、趣味は実験。ああ、安全なヤツね」「こいつも彼女がいたぞ」
無双も全国行ったのか。あと、いらん情報教えるな無双。
解も他の男子二人には見劣りするが、メガネをかけた少し長めの茶髪のイケメンだ。背は百六十五センチメートルくらいだ。因みに俺たちの高校は紙の色や長さについてはそこまで厳しくなかった。
まぁ、解は真面目そうだから染めたとかじゃ無くて地毛とかかな?
科学部は割とある部活だろうが、俺の通っている高校は色々な部活がある事で有名だった。俺は帰宅部だがな!
そういえば、全国大会がどうのこうの言ってたっけ。俺には関係ない。とあまり関心なかったからなぁ。
この雰囲気の中、帰宅部の俺が自己紹介。やりずらいな......でも、よし!やるか!!
「ぉ、俺は深海 崇史。趣味は読書で、高校では帰宅部だった。彼女はできたことない」
第一声がおかしかったけどどうにか言ってやったぞ!! 俺だけスペック低いし、彼女いたことないし、部活入ってないけど言ったぞ!
うん。なんか少し微妙な雰囲気だな。
「よろしくな崇史、竜五でいいぞ」「よろしく崇史、健二でいいぜ」
イメージ通りコミュ力の高い森原、無双は一気に距離詰めてきたな。
「わかった。こちらこそよろしく」
「「「よろしく」」」
残り三人もよろしくと言ってくれる。
「よろしく、雫田、麻野、衣良」
この三人は苗字か名前覚えるの苦手なんだがな。どうにか覚えないと。
「この後の事なんだけど、みんなはどうする?」
この後の事か……異世界ってのはすげー嬉しいけど地球にはもう帰れないんだよな......異世界集団転移小説では大抵巻き込まれが出てそいつがチートになることが多いが、現実だしな、落ちこぼれは容赦なく死ぬだろう。
「まず、この国の人達の言葉を信用していいんですか?」
衣良が聞く。
「ランが嘘ついてると言いたいのか?」
怒った様子はなく平然とそう聞き返す。この状況をある程度理解しているんだな、すごいと思う。テンプレ主人公は、信じきったりするからな。
「その可能性もありうるというだけです。例えば戦争の道具とか……」
「ああ、それは俺も考えた。行動を起こすなら、俺たちの情報がほとんど知られていないうちにしないといけないが」
割り込むならここだ「話に口を挟んで悪いが意見いいか?」
「ああ頼む、崇史の意見も聞きたいしな」
「戦争の道具だとしても、勇者だとしてもスキルを得て、この国での生活の仕方を調べるのが必要だと思う、今何かわかっても逃げ出せない。そして、探ってることがバレたら今の俺たちだときついかもしれない」
「そうだな……取り敢えずスキルを得られるまでは様子見だな。ただ、スキルが得られるまでの2日間は用心するようにしよう」
ここで口を挟んだのはこの話し合いを早く切り上げるため、そしてーー「ところでさ、俺もう地球に帰れないってわかってるのに悲しくないんだけど……みんなはどうかな?」ーーこの議題を出すためだ。
透明なガラス窓の向こうの空では赤い星が輝いていた。
誤字脱字教えてくださるとありがたいです。
ありがとうございました。