表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『自己進化 』 ~自分の道は自分で決める~  作者: 零度霊水
『新人期間』 〜暗闇のエルフ〜
17/64

17、『無言空間』 そろそろ進展が欲しいです

 自己紹介が終わった後はエクス(赤髪)レフィーヤ(エルフ)監修の下、バラバラに別れて見張りが始まった。

 俺は積荷を運んでいる馬車にレフィーヤと一緒に乗る事になった。

 エクスは馬車を運転? している依頼主の隣に座っている。エイラ(茶髪)は乗客と一緒の馬車に乗っていた。


 今乗っている馬車は二台が連結している馬車で、一台目に冒険者用の部屋とちょっとした積荷が置かれており、乗客は二台目に乗っている。


 見張りと言っても、盗賊を警戒する必要はほとんどない。なぜならステータスの犯罪履歴に罪状が記入されればその罪を贖罪するまでステータスが反映されなくなる。具体的に言うなら善行をするか、時間経過だ。

 時間経過の長さは罪によって変わるらしいが、詳しい時間などは常識ではないようだ。


 この世界では平民や冒険者にとってステータスが反映されない=死の方程式が完成される。

 生活魔法や固有スキルが使えなくなれば仕事がこなせなくなり、金が入らずに死ぬ。

 だからこの世界の冒険者は人より高いステータスを持っているが悪事を働かない。

 まぁこの世界にも盗賊や暗殺者などの職業もあるから何か抜け道があるようだがな。


 そんなこんなで盗賊の心配はほとんどしなくていい。だから人を殺す覚悟とかは必要ないと思うな。


 さて、色々と思い出したりして時間を消費していたが暇な上に気まずい......こんな狭い密室に美人エルフと二人っきり最高の、夢のようなシチュエーションのはずなのに! 会話が全くない。

 最初のうちは窓から始めてみる大草原に驚いたり、馬車って案外早かったんだなぁとか初めて見る光景に感動して、気づいたら数時間経っていたが、流石に飽きてしまった。


 あーコミュ力が欲しい! こんな状況をぶち壊す力が! 俺の経験スキル、『圧倒的コミュ力』発動!

(心の中で)そう叫び手を前に突き出す!


 シーン


 そんな音が聞こえてきそうだった。幸いレフィーヤには見られてはいないようだった。

 はぁ〜、何やってんだよ俺! 疲れすぎなのかなぁ?


 さっきちらっと見たがエクスは依頼主と楽しそうに談笑していた。議題は『デート中の彼女との距離』だそうだ。依頼主もエクスもイケメンだからこんなリア充トークが出来るのだろう、羨ましい。

 エイラは乗客の一人のお婆ちゃんと話をしていた。エイラは背が低く、幼く見えるのでその光景はどことなく孫とお婆ちゃんに見えた。


 結局その日は何事もなく日が暮れた。夜は誰かが寝たら見張りができなくなるので二人組になった。

 前半が俺、レフィーヤペア。後半がエクス、エイラペアだ。こういうのって普通男性、女性で組むんじゃないのか? 男女で分けると起こす時めんどいからペアでテント使おうってことになってどうやら俺はれフィーヤと同じテントで寝るらしい。

 乗客が寝る場所は依頼主が三角形のテントを二つ張った。一つは男性の乗客用、もう一つは女性の乗客用だ。


 俺たち冒険者は自分たちで組み立てるらしい。

 まずいな、俺テント組み立てられないぞ。仕方ないし......エクス達を真似するか。

 見よう見まねとレフィーヤの協力があって特に問題は無かった。

 エクス達は緑のテント、俺達は青いテントだ。


 レフィーヤが生活魔法で火を起こしキャンプファイヤを作った。その火の周りに全員集まる。

 これから各自夕食のようだ。

 串焼きでも買って収納バックにしまっておけばよかったなと後悔しながらビーフジャーキーを食べた。


 ビーフジャーキー硬すぎだろ! 味付けも塩だけだし、噛みきれないし。まぁ、不味くはないんだけどさ。

 他の人の夕食を確認するとエクス、エイラ、レフィーヤを除いておんなじような物だった。

 エクス、エイラは収納バックっぽい物から取り出したシチューを、レフィーヤはサンドイッチを食べていた。


 王女様、干し肉と水以外に何か入ってないですかね? そんな事を考えながらバックを漁ったら薄青色のインベントリボードが展開された。熱々の野菜スープが入っていた。王女様に感謝しながら食べた。







  ◇◇◇







 時間を測る為の砂時計を設置し、野営が始まった。

 俺とレフィーヤは炎を間に挟んで座っていた。

 レフィーヤは黙々とロングソードの手入れをしていた。野営の時は気を抜かねければ基本自由らしいので収納バックからラノベを取り出して読むことにした。

 因みにこの間俺とレフィーヤに会話はない。


 最新刊を読み終わって、別シリーズを3巻まで読んだところで時間が来たようだ、レフィーヤが立ち上がった。

 しかし、砂時計を確認するとまだ残っていた。

 疑問に思っている事がバレたのか「お花を摘みに行ってきます」と小さな声が聞こえた。

 さっきと口調が違うとか考えるより前に「すいません! わかりました」と条件反射で答えた。


 ちょっと考えればわかっただろ俺! やばい、これもっと気まずくなるじゃん!


 俺は頭を抱える羽目になった。


 数分後レフィーヤが戻ってきた。

 余計気まずくなってしまったが、すぐに交代の時間になった。


 俺は砂時計が落ちきったのを確認した後


「じゃあ俺がエクスたちを起こしてきますから先に寝ててください」


 と言い、キャンプファイヤーから離れる。

 馬車の反対側にある緑色のテントに近づき外から声をかける。


「起きてるか? エクス。交代の時間だぞ」

 すでに起きていたようですぐに「ああ、わかった」と返事があった。

 俺は一応キャンプファイヤーに戻ると荷物を片付けたレフィーヤがいた。

 気まずい雰囲気をどうにかしたくて取り敢えず声をかけることにした。


「寝ていても良かったんですよ? 」

「そこまで眠いわけじゃないし、少しくらい待つさ」

「エクス達来ましたし、テント行きますか」

「そうだな」


 二人で並んで歩き青色のテントに入る。

 寝袋を取り出しお互い背中合わせで寝る。

 やっぱり異世界ってすごいなぁ。普通知り合ったばっかりの男と同じテントで寝るか? 確かに襲ったとしても瞬殺されるだろうけどさ、貞操観念とかどうなってんだよ!

 せっかくテント二つあるんだから男女で使えよ!


 心を落ち着かせるために色々と考えたが寝れ無かった。


 明日ってか今日六時起きだからなぁ、仕方ないし、羊でも数えるかな。






  ◇◇◇



 いやー驚いた。羊を数えていたらあっさり眠れた。寝坊はしてない......よな?


 片付けの音を聞きながらこっちの時間に合わせたスマホを開くと六時だったのでギリギリ寝坊はしていなかった。


 テントから出るとみんなテントを片付けていた。

 レフィーヤはすでにいなかったので昨日とは逆の手順でテントを片付けきった。


「一人で片付けさせてすまない」


 レフィーヤが戻ってきて謝ってきた。


「大丈夫っすよ。改めて昨日の夜はすいません」

「ああ、気にしてないから大丈夫だ」

「わかりました」


 そのまま片付け終わり馬車が発車した。朝食は馬車の中で食べるらしい。

 俺たちの配置は昨日と変わらない。




  ◇◇◇





 朝食が終わり昨日と同じ様に気まずい時間が流れるかと思ったが、なんとレフィーヤから話しかけてくれた。


「君は何で冒険者になったんだ? よかったら教えてくれないか? 」


「固有能力が特定の武器の扱いに恩恵がある物だったからかな、でも一番の理由は自分の道を自分で決めたかったからだな」


「そうか......英雄に憧れてとか成り上がりたくてとかよくある理由ではないんだな」


「まぁ、成り上がりとかには憧れるけど自分の実力は理解しているからね」


「そうか、やっぱり憧れるんだな」


「レフィーヤの理由を聞いても? 」


「ああ、私は親が冒険者をやっていたし、どうしても討伐したい魔物がいるからなだから冒険者をやっている」


 どうしても倒したい......か。俺が協力できればいいんだけどな。

 まず無理だろうな。


「教えてくれてありが「敵が馬車右側に出現! 」


 俺たちはすぐに馬車から飛び出す!


 さあ、俺の魔物に対しての初戦闘。やってやるぜ! !



読んでいただきありがとうございます。

誤字脱字、意見等報告していただけると幸いです。


初コメントありがとうございます。モチベーションが上がりました。

サクサク進ませられるようにしますのでこれからもお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ