15、『美男美女』この世界の人達美形多くないですか?
今年内ギリギリ投稿!
暖かな朝日が窓から入り顔を照らす中、「チュンチュン」という鳴き声が聞こえた。
頬を触ると涙が流れていた。地球への未練なのか、別れなのかわからないが、もう戻れないならもっとシャキッとしなきゃダメだろ!
「今日も一日頑張りますかぁ! 」
俺は立ち上がり顔を叩く。
それにしても、こっちの世界にも『チュンチュン』鳴く鳥がいるようだなぁ……これが朝チュンってやつか。
いや、違うのは知ってるけどね、なんか心が痛いって言うか、悲しいっていうか……はぁ〜
「行くかぁ」
俺は荷物をまとめて部屋を出た。一晩、それも一人で過ごしただけの部屋、なんの未練もない。
「朝食、お願いします」
「わかりました。少々お待ちください」
ぼーっと待っていると黒いコッペパンみたいなパンに野菜とハム? みたいな物が挟まったサンドイッチと透き通ったスープが出てきた。
「いただきます」
手を合わせ地球での習慣を行う。
常識や習慣がこっちの物に上書きされても残しておきたい物があったって良いじゃないか……さて、食べるか。
◇◇◇
「ありがとうございました」
そんな声を聴きながら光の居所を出る。
朝食は思ったより美味しかった。黒パンは柔らかくはなかったが、その硬さが新鮮な野菜のシャキシャキ感と相まって最高のハーモニーを醸し出していた。
スープはコンソメスープを薄めたような味だった。緑色の玉ねぎと真っ白いジャガイモが入っていた。色は違っていたが、形と味は同じだったのは歴代勇者が作ったんじゃないかと思うな。
この後はギルドで俺の求めている依頼があるかの確認をして、その後武器屋で武具の手入れ道具の購入と、雑貨屋で保存食の購入かな。
考えながら街を歩いて行く。ギルドに行く道で昨日の串焼き屋を探してみるが居なかった。
残念だ、俺が王都で一番話したのはあの人だというのにな。
異世界人の称号のお陰で王都の道は覚えているのでいちいち地図を見る必要もない。
そんな事を考えているうちにギルドに着いた。扉を開けるとそこは争奪戦だったーー
ーーなんて事はない、確かに割りのいい依頼はすぐに無くなるが、依頼内容をパーティーメンバーと話し合って決める人達の方が多い。
一人でガンガン決めるのは『ソロ』か『実力はあるが思い上がっているパーティー』か『実力の無い只の馬鹿』だ。
依頼を確認していると目当ての依頼を見つける事が出来た。無かったら後二週間は王都にいなければならなかったので安心した。
俺は複数枚貼ってあったと思われる依頼書の最後の一枚を破って受付の列に並ぶ。
人が多いときは新人は別のカウンターに回される為、15分くらいで受付にたどり着いた。
受付嬢は昨日の水色髪の女性ではなく、黄緑色の髪をしたセミロングの二十代前半と思われる女性だった。
言わずもながら美人だった。
「この依頼、今日の午後出発ですけど大丈夫ですか? 」
「はい、準備出来ているので大丈夫です」
「わかりました。では、頑張ってください」
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依頼名『定期馬車、積み荷の護衛 、荷物持ち』
ランク指定
ランクD以上最高五人
最大合計五人
依頼人 ケリル商会
期間 三日
報酬 五千ジルド、討伐した魔物のドロップ
内容 定期便と積み荷の護衛。荷物を馬車に乗せる。
王都ジルドから迷宮の町クロムまで三日間の予定。
馬車は2台あり、一台だけ積荷を積んでいる。
食事持参、テントは二つまで貸し出しあり。
依頼募集期間 光の月1〜6日 6日目に東門前に集合
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俺がこの依頼を受けたのには二つの理由がある。
一つは『自己進化』の発動に初ダンジョンクリアがわかりやすいと女神様が言っていたので、初心者用から上級者用までダンジョンに囲まれた街クロムが一番良いと思ったからだ。
もう一つは単純に王都に居たくなかった。他の転移者が、あいつらがいるところに居たくなかった。
なぜかそんな気持ちになったのかわからない、だけどあいつらに、リュウゴ達に苦手意識が湧いてしまった。元々俺は日本でも対等に話せる人が居なかった。
自分より上の人とは普通に接していてもどこか卑屈になっていた。自分より下の人にはどこか傲慢になっていた。
自分より上の人はいっぱいいたのに自分と対等な人は居なかった。どうやら一度死んだくらいじゃあ人の不の部分、性根は変わらないらしい。
詰まる所兎に角王都から離れたかったわけだ。
さてと、武器屋に向かうか。
ギルドを出て大通りをまた歩いている。この王都ジルドは城が中心にそびえ立ち、そこから東西南北で区が分かれている。
東は商業区、色々な種類の店や商会本部が立ち並ぶジルド王国の台所。オークションなどもやっている。
西は組合区域、錬金術師ギルドや冒険者ギルド。ギルドに登録してある宿屋や屋台が立ち並ぶ区
南はスラム街、盗賊ギルドが取り仕切る実力主義の空間。ギルドの頭が国王と契約を結び存在している区らしい。
北は貴族街、段位を持った貴族はここに住む。逆にいえば貴族以外はここには住めないが、貴族お抱えの冒険者になれば話は別。
王都は城から四方に馬車が四台は並べる大通りが通っている。細い道を使ってショートカット出来るが、道を完璧に覚えてないと裏路地で迷って死ぬ。偶々女の子が襲われていることもその子が美少女なんてこともあり得ない。あるのは小汚いチンピラとの悲しい出会いだ。
だから俺は大通りを歩いていた、するとーー
ーーまぁ何もなかった。
「さて、どの武器屋にはいるかな」
俺の目の前には多くの種類の武器やが立ち並んでいた。
にしても俺、独り言多くなったなぁ。
「まぁ高くなさそうなところに適当に入るか」
安易な理由から一番近かった店……の隣の店に入る事にした。一番近かったところは何というかおどろおどろしかった。
俺TUEEEEEE系主人公ならまず間違いなく入っていただろう店。でも、俺が入っても意味無かっただろうと思う。
何より、埃被った伝説の武器とかあっても鑑定も出来なければまず、武器や店主に認めてすら貰えない。
と、いうか、このお店本当にやってるのかわからない。仮にも王都だぞ! きっと知る人ぞ知る店なんだ、そうなんだ。
取り敢えず適当に選んだ店の扉を開けると、店内は照明によってしっかりと明るく、パッと見ただけでも品揃え豊富な店だとわかる。
しかも壁にどんな種類の道具が置いてあるか買いてあるのですぐに手入れ具の場所にたどり着けた。
「ヘぇ〜手入れ具って言ってもこんなに種類があるのか」
手入れ具と一口に言っても鉄製の鎧用や、剣専用、槍専用、弓の矢専用本当に色々な種類があった。珍しい物でお金を磨く手入れ具まであった。
はっきり言ってショートソードの手入れ具はすぐに見つかった、でも水晶龍の短剣の手入れ具の種類がわからなかった。
すると「何かわからないことでもあるの? 」と声が聞こえた。
声のした方向を見ると藍色のショートポニテと透き通った翡翠色の目をした同い年くらいの美少女がいた。
ちょっとこの世界の顔の平均値高過ぎだと思うんですがねぇ
そんなぼやが出てしまった。
店員と思われる美少女はエプロンをしていた。声は鈴の鳴るように透き通っていて綺麗だった。
身体つきは背は俺より低く、胸部はエプロンをもってしてもその驚異的な包容力は隠せていなかった。
手足もスラッと伸びていて欠点が一つもなさそうな少女だった。
「は、はい。魔物のドロップから作った武器なんですが、普通の手入れ具でいいのかわからなくて……」
「魔物のドロップだったらこだわりがないなら普通の道具で大丈夫だよ。でもこだわりがあるなら艶消しとか剣を鞘から抜く時音が鳴らなくなる油とか色々あるよ」
「なるほど、ありがとうございます。店員さん」
「ん? 私店員じゃ無いよ」
やばい、やっちまった!
「すいません! エプロンつけてたし、可愛かったので看板娘とかかと思いました。本当にすみません」
何と無くいらんことまで言った気がするが気にしない、どうせ可愛いなんて聞き慣れてるだろうしな。っは、セクハラとかになったりしないだろうか?
「大丈夫だよそんなに謝らなくて、全然不快になんて思ってないよ。それじゃあね〜」
そんな言葉を残して彼女は去っていった。
保存食など野営に必要な物は入っていたのでそのまま依頼の集合場所に行った。
これがラノベなら彼女も同じ依頼受けてたりするんだけどなぁ。
そんな事考えながら集合場所に着いたが当然彼女はいなかった。
そろそろラノベと被せて考えるのは止めようかな、うん! やめよう!
読んでいただきありがとうございます。
それでは皆さん良いお年を! !




