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『自己進化 』 ~自分の道は自分で決める~  作者: 零度霊水
『新人期間』 〜暗闇のエルフ〜
12/64

12、『新人登録』 やっぱりテンプレって起こるのか

遅れました。

出来れば午後にも更新したいです。

「ありがとございました」俺は三日間お世話になった城に深く頭を下げそう呟く。

 優しい王女様から餞別を貰った俺の格好はこの世界に馴染んだものとなっていた。

 異世界風の黒い皮の鎧と茶色い皮のバックを右肩から左腰に斜めに掛け、右腰に一般的な騎士の使う鋼のショートソード、腰の裏側には昔の勇者が作ったと言う、刀身が氷のように透き通っている全長30センチぐらいのダガーを装備した俺はついさっきの事を思い出しながらもう一度心優しい王女様に感謝した。



  ◇◇◇


 女神様の言っていた事は本当だったようで俺はあの真っ白な世界の記憶を持ったまま異世界に戻ってきた。

 俺で女神様との面談は最後だったし、俺はステータスを貰った後どうするかは既に決めていたのでそこからは一部を除きスムーズに事が進んだ。


 貰ったスキルを皆に聞かれ俺はスキルを 『自己進化(メイキング)』ではなく『基本斬撃』に設定してラン(王女)に伝えた。その時に名前の変更と信じて貰えるかは置いといて俺は『巻き込まれただけだったから使命はない』という事を伝えた。

 不敬罪で捕まるかと思ったが、女神様がこの事を伝えろと言ったので伝えた。どうやら部屋に嘘発見器みたいな物があったらしく普通に信じてもらえた。

 この国の上層部の人達は本当に心優しかったようで、このまま国で数年は客人扱いしてくれると言っていたが、俺はこの心優しい人たちの迷惑になりたくなかった……結局は迷惑になってしまっったんだがな。


 俺は冒険者として生きて行く事と、出来れば少しお金をくれる様に頼んだ。迷惑にはなりたくないと思ったが流石に自分一人で完璧に生きていけると思うほど粋がっているわけではない。俺は何処にでもいる中二病高校生なのだから、物語の主人公に憧れるならまだしもそんな風に生きるなんてしてはいけない。

 今の俺が出来るとしたら魔物暴走(スタンピート)とかが起こった時他の新人に紛れて如何にか生き残るくらいじゃないかな?


 勇者達とはここで別れた。何でもスキルの確認やら何やらがあるそうだ。

 ただ、ここで驚く事にランが俺の方について来てくれた。てっきり勇者達とステータスやスキルを確認しに行くと思っていたからだ。


 そこで宝物庫から昔の勇者が使っていた凄い武器や防具、はたまた高級な使い捨て魔道具なんかも渡そうとして来た。

 使命も何もない俺がこんなに貰うのは悪いと言ったのだがランは『私達のミスで貴方に不遇な思いをさせたのですからこれくらいは貰ってください』と一歩も引かない、正直そんな簡単に宝物庫の物差し出していいのかとも思ったがきっと俺が死んだらすぐに回収されるのだろうと思い込むことにした。


 はっきり言ってここの交渉が一番疲れた。ランはどうしても俺に装備を渡したいらしい。ここで間違っていけないのは『ランは俺に気がある!?』と思い込む事だ。どう考えてもあり得ないし、何よりこの渡し方は自分のミスを早く解決したしといった渡し方だった。


 一進一退の攻防は結局昔の集団転移した勇者の一人が作ったという『水晶龍の短剣(アイシクルダガー)

 を宝物庫から貰い受けるという事で落ち着いた。

 刀身が薄い青色に透き通った氷のような水晶で出来ている。一緒についていた解説曰く、昔の勇者が使命の一環として討伐した竜の牙とツノをこれまた他の代の勇者が特殊なスキルを使って混ぜ合わせて出来た物らしい。


 防具に関してはランにフルプレートの鎧より、(筋力の関係で)軽い鎧がいいと言ったらどっかの倉庫から皮の鎧を持ってきた。説明を聞くと、小手の部分にだけミスリルが使われていて皮自体も防刀体制が高いらしい。

 後は一般的な騎士の使っているショートソードと、異世界物でよくある無限に収納できるアイテムバックを貰った。中には冒険者ギルドに一筆してくれた手紙と色々必要な物を詰めてくれたらしい。

残念ながら叡智の書は回収された。理由は明かされなかった。


 ランとはそこで別れて、俺は城を後にした。


 そして、今に至った。





  ◇◇◇


「うおぉぉ」

 俺は異世界の城下町を見て驚いた。

 今までの勇者によって技術がある程度進んでいるらしく道に排泄物が落ちていることもなければ、店の壁がガラス張りになっている店もあった。

 着ている服も、地球ほど凝った物はあまりなかったが材質は地球とそう変わらなそうに見えた。

 王都と言うだけあってとても賑わっていていた、俺の様な格好をした人も何人か居たが少なかった。仕事しているのかもしれない。

 ふと、「そこのにいちゃん!! 串焼きくわねぇか!? 」と大きな声でお呼びがかかった。

 少し驚きながら声のした方向を見ると威勢のいい三十代後半くらいのおっさんがなんかの動物の串焼きを焼いていた。大きさは焼き鳥を一回り大きくしたぐらいだった。

 どうやら時間的に暇な時間帯らしく他の露店もお客が余り居なかった。



「そうだなぁ、いくらだ? 」



 ちょうど小腹が空いているし買ってみるかな、この世界の食事事情も気になるし。

 尚、敬語は使わない。この世界では一般市民の間で敬語は少ないらしい。理由は誰にでも敬語を使っていると貴族に対して謙る必要がなくなると馬鹿な貴族が怒って平民を殺した様だ。その事はインターネットがないこの世界でも一瞬にして広まったらしく、今では敬語を使うのは、商人か奴隷くらいだ。でも、気の小さい者はやはり敬語を使うらしい。

 お金に関しては確認したところ二十万は入っていたので買えないことはまずないだろう。


「一本百ジルドだ」と返答があった。ジルドとはこの世界の通貨の単位だが、一ジルド一円と見て間違い無いと思う。まぁ、この情報は100年も前のものだから信憑性は薄いがな。なぜ勇者は通貨を円にしなかったのだろうか?


「んじゃ二本くれ」

 俺はそう言いながら二百ジルド差し出す。

「毎度っ!」

 初めて買ったのにお決まりの言葉を投げかけてくる。

 受け取った肉を見てみると焼きたてのようでとても熱そうだった。

 串焼きの肉に齧り付くーー「うまっ」つい声が出てしまった。

「だろ」おっさんはしたり顔で俺に行ってくる。

 串焼きは思っていたよりずっと美味かった。肉の質感は牛肉の様で、柔らかく弾力のある熱い肉と自家製だと思われる特製ダレの辛さが絶妙に合っていた。思ったより調味料が充実しているのかもしれない。

 さすが王都で店をやっているだけあると確認できた。

 お城で食べた料理も美味かったが、賑やかな街で壁に寄りかかって食べる串焼きは庶民の美味さだった。そして、俺はその庶民の美味さが好きだと確認することが出来た。

 気づくと肉は無くなっていた。もう一本食べたくなるが、買っても食べきれるかわからないから買うのはやめる。


「美味しかったよ。ごちそうさま」そう言って串を露店の横にあるゴミ箱の捨て、歩き出す。


「また買ってくれよな」

 おっさんがそう言ってくるので俺は『また買いに来るぞ』という意味を込めて片手をあげる。

 伝わってるといいけどな……



 閑話休題(伝わってるよな? )



「ここかぁ」


 俺は二階建ての一際大きい建物に到着する。異世界の文字で『冒険者ギルド』と書かれた看板がデカデカと飾ってあった。


 俺がドアを開けて中には入ると正面に受付カウンターがあった。さすが王都だな受付が全員美形だ。

 受付は男性二人の女性八人だった。

 向かって右側には酒場があり、昼間っから酒を飲んでいる人がいた。左側には依頼受付カウンターと依頼掲示板があった。

 依頼受付カウンターにはクラスに三、四人は居るであろうくらいの美形だった。男性一に女性三の系四つのカウンターだった。

 冒険者専用のカウンターと依頼専用のカウンターを分け、効率を上げる為こんな形になっているらしい。

 驚いた、こんな事も常識に入っているんだな。


 俺はそんな感想を抱きながら真っ正面の受付カウンターに進むするとーー


 ーー「おいおい、無駄に装備だけ整えたガキがこんなとこ来るんじゃねぇよ!! 家に帰ってろ!! 」


 とテンプレ脅しがあった。

 確かに禿げて額に大きな声切り傷のあるいかついおっさんに絡まれてびびったが、誰も止めない理由も王都のギルドで堂々とした新人潰しがある理由も『勇者の叡智』に書かれているので知っていたから無視して受付に進んだ。


「おっおい、待て!」


 無視して俺は受付にある紙を見せる。

「こ、これはっ少しお待ちください。あと新人潰しはこの方には必要ないのでやめていただいて結構ですよ」


 ここは王都のギルドと言うだけあっていろんな人が来る。そんなに来られても検査に時間がかかりすぎるので隠し審査としてテンプレを取り入れてるらしい。

 はっきり言ってこの試験で落ちる人はほとんどいない。多分これはギルドを作ってきた勇者が次世代の勇者にテンプレートを味あわせる為に作ったに違いないと思っている。

まぁ、言うなれば『予定通りのテンプレ』ってところだな。


 だからこそ俺は一筆書いてもらった。でもギルドマスターは出てこない。ここでいきなりギルドランクを上げられたら俺が間違いなく死ぬ。だからスタートダッシュボーナスみたいな物だ。


「こちらで確認が取れました。ランクを上げた状態で登録できますよ」


 どうやら俺の考えは正しかったらしいな。







読んでいただきありがとうございます。

誤字脱字教えて頂けるとありがたいです。


4/20 勝手ながら、タイトルを一部変更しました。

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