01、『現実喪失』プロローグ
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死んだ理由を大型トラック→パトカーに追われた大型トラック
「ふあぁぁ~かったりー」
そんな独り言をつぶやきながら俺は帰宅部の活動......という名の下校をしていた。
まあ今日は高校内の全部活動なしだがな~
俺の前には横並びで女子二人、男子三人の合計五人が歩いていた。横並びとか迷惑だろと思ったが、仲間内で注意されたらしく男二人が後ろに移動し、二列に並んでいた。
グループの中心にいるのは違うクラスの俺まで知っている有名人森原 竜吾だ。
彼のうわさは何個かある......オタク仲間曰く『ラノベ主人公のような奴』 クラスメイト曰く『男子剣道部部長のすごくいい人』 重度の非リア曰く『高二にしては恋愛経験が多く、本人達認定の二股をかけていたガチリア充』
俺?彼女なんていないよ作らないだけ、作らないだけだからっ。
それにしても横にいる女子二人もものすごく美人だな、まさか彼女か?.......羨ましいっ!! しかし!!俺は(リア充爆発しろ)とは思はない。俺の容姿は多分、きっと、平均くらいだと自負している。つまり、おれはまだ諦めていない!......俺がこの言葉を使う時は人生を諦めた時だろう......。
閑話休題
さて、いつもの俺なら即家に帰ってラノベ読むなり、アニメ見るなり、親友と電話で駄弁ったり、していたが今日は新刊ラノベを買うために本屋により、新刊ラノベ買ってたらリア充グループの後ろにつく羽目になっていた。
ちなみにネットを使わなかった理由は、本屋の本に囲まれた感じが好きだからだ。そしてもう一つ、俺はリア充の後ろを歩くのは嫌いだ。
「あの夢はなんだったんだ? 」
俺は森原達から思考を移し、昨日見た夢を思い出していた。妙に臨場感があり、記憶に残る夢だった。
腐敗し、灰色になった大地、黒い雲に覆われた空、大勢の人々、異形の生物の大群。
そこはまるで世界の終焉のような場所で、ラノベやアニメの最終回みたいな場所だった。
そんな絶望の世界をバックに、金色の鎧を装備し、これまた金色のロングソードを持った勇者っぽいやつが異形の生物(ラノベとかに出てくる魔物)をなぎ倒し、両断し、魔物の軍勢を美少女たちと突き進む!
勇者(仮)の周りにはいろんな仲間がいた。二本の剣を使う者、魔法を使う者、2メートルを超える大剣を使う者、槍を手足のように使う者、男も女もみんな勇者(仮)に希望を持っているようだった。
俺はそんな光景を見ていた。まるで幽霊のように誰にも触れられず、誰にも気づかれず、勇者(仮)の背後から背後霊のように見ていた。
そして、勇者(仮)が巨大な生物に斬りかかる瞬間目が覚めた。
目が覚めた時には勇者への憧れと、自分の現実に対する虚無感だった。
ーーあれは何だったんだろ? やっぱりただの妄想かな? 俺は勇者にはなれそうになかったしなぁ。 むしろ幽霊?
「うわ!!?」
俺が脳内回想を行なっていると前方から声が聞こえた。
なんだ? うるさいなぁ。「ん? なんだこれ!!?」森原を中心にアニメやラノベで見た魔方陣? のようなものが広範囲に展開し俺も範囲内にいた。
「嘘だろ」俺ってもしかして巻き込まれ転移しちゃうの!!? その時俺は前を見て絶望した。パトカー数台に追いかけられている大型トラックが前の五人を轢き殺し俺に向かってくるのだ。
世界がスローになる中魔法陣で動けない俺は走馬灯? を見ていた、最期の瞬間が今の自分と重なった。
その瞬間俺は理解した。
あっ死んだ......
そんなあっけない声とともに俺の人生は終焉を迎えた。
そして魔方陣がひときわ強く光り輝いた。
◇◇◇
「kjir~jdije」 なんだ.......この声......
「よ~ksisjz」だんだん聞き取れて......
「成功した!!」
はっ成功?何言って...そうだ!!俺トラックに轢かれて......ここはやっぱり、 知らない天井だ。 (タイミングずれたが)。
「この世界を救ってください勇者様」
そんなテンプレじみた言葉とともに俺の二度目の人生はスタートした。
国王?みたいな服装、風格の人は森原に頭を下げた。 ......いや、俺が勇者じゃないことはなんとなくわかってたけどさやっぱカッコつけたいじゃん。って言うか森原いつ起きた?
「「「国王様」」」何人かの偉そうな服を着た人が国王? を止めている。
「私たちを救ってもらう話をするので黙っていなさい」
ピンク色の髪の毛、髪と同じ色の目をした美少女は家来?たちに命令している。.......ん? ピンク色? うおぉぉ異世界ファンタジーじゃん、すげー、しかも美乳の部類に入る。
この美少女は、ショートカットのピンク髪、目鼻立ちがスッと通っており、お人形みたいだった。作り物みたい、というわけではない。背は、俺より少し低い百六十五センチメールくらい。
「なんだここ?」 「えっ、なにこれ?」 「いてて......ここどこ?」「......」 おっ全員起きたみたいだなんかメガネかけてるやつだけ黙ってるけど今の状況理解したってことか?俺はこの手の妄想ほぼ毎日してたし、森原が起きるま少し前まで寝たふりして状況整理したからある程度落ち着いているが.......
「森原これ、どうなってんだ」
ラグビーをやっていそうな体格の男子がそう言った。
「森原くん......」
黒髪でポニーテールの美少女が不安そうに話す。 森原の奴くんずけで呼ばれてる羨ましいっ
「いや、俺もよくわから「勇者様、困惑しているでしょう。状況を説明するので、付いてきてください」
森原の言葉を遮ってピンク髪の、多分王女がそう言った。 年齢は目測で詳しくはわからないが多分同い年の十七歳だろう。
「わかりました」
森原に続き俺たちも頷いた。
「「「「はい」」」」 「わかった」 うわ! 体格がいい奴は敬語じゃないぞ。
「では移動しますね」
はぁ、みんな森原としか話ししないじゃん。つーかこの転移組狙ってやってんのか?俺だけ他人じゃん、多分んあいつらは森原の中での女友達 、 彼女 、男友達、親友、で、名も知らない他人
あいつらからしたら誰こいつ? とかなんだろうな
閑話休題
◇◇◇
王女様に追従していって、ついた部屋は教室の壁を白塗りにして内装を殺風景にしたそう表現する他ない部屋だった。
あれ?騎士みたいな人と王女?しかいないぞ。まぁ国王がずっと一緒にはいられないか、一応森原、勇者らしいけど。
「私は、ラン・ジルド・ジパングこの国、ジルド王国の王女です。どうかこの世界を救って頂けませんか?」
ピンク髪の子が王女だと判明した......嘘!!ここが幻のジパングなの?
「説明してもらっていいですか?」
確かに同意するぞ森原。
「では説明を始めます」
説明が始まった。
「この世界ディフィクトには、二百年周期で世界に危機が訪れます。その危機に立ち向かうため古来より異世界より勇者を召喚します。召喚に見合う条件は魔法発動時死ぬはずだった者の中で勇者の適正を持つ異世界人をディフィクト異世界に召喚します」
この説明の仕方は間違いない、マニュアルがある!!二百年周期なんだ、今までの勇者召喚で作られている可能性が高い。
「世界の危機って具体的にどういったものなんですか?」
森原が敬語でそう聞く。
「森原様、敬語じゃなくて良いですよ」
うわー出たよラノベとかでよくあるやつ、これ実力が無いと騎士とかに『何あいつ姫様にタメ口きいてんだよ』とか言われるやつじゃん。
「はい、わかりま......わかったよラン」
森原、すごいコミュ力じゃん、王女様照れてるよ。やっぱリア充は違うな。俺はただ隅っこでしっかり説明を聞くくらいしか出来ない。隅っこ此処こそ至高で最強。
そんなこと考えている間にも説明は進んで行く、聞き流してはいないただ考えながら聞いてるだけだ。
「結果、召喚は成功し死ぬはずだったあなた達を召喚しました。どうかこの世界を救ってください」
うん。多分これ俺巻き込まれただけだよな〜、俺別に両親も生きてるし......やばいこれ夜泣くな。
ただ、このやり方は非常にうまい。死人を召喚している分こっちの罪悪感は薄くなるし、あっちに戻れるという望みも無くなる。まだ断言できないがおそらくーー
「あの、地球に戻ることは......」
「.......できません」
王女ランはだんだん声を小さくしながらそう言った。 ーーやっぱりか.......
「最後に、三日間この国の図書室で常識やスキルを学んで貰います。そして三日後女神様と会話してスキルを頂きます。今日はもう夜になるので明日スキルの説明、ランクテストをするので朝呼びに行きます。一人一部屋渡すのでそこで寝泊まりしてください」
おお!!気になる単語がちらほらとスキルとか女神様とか......
「一度俺たちで集まって状況整理しないか?君も名前を教えて欲しい」
森原が俺に話しかけた。
主人公の性格はだんだん変化していきます。今の性格が嫌いだという人ももう少し読んでいただけたら幸いです。
読んでいただき、ありがとうございます。
誤字脱字を見つけたら、教えていただけると幸いです。