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さすらいの魔皇子2   作者: 黒田明人
異世界 1年目
71/119

71 魔族

 


 それからも色々調べた結果、どうやらやっぱり10円相当だった。

 果物がやたら安いんだこの町は。

 町の外に果樹園が林立していて、特産みたいになっているらしい。

 だから銀貨は1000円相当で、金貨は10万円相当らしい。

 10日5人で500万円も高そうだけど、風呂付の宿だから妥当って話だ。

 王侯貴族くらいしか風呂に入れないらしいから。

 そんな訳でオレ達は、召喚されて早々、風呂にありついて優雅な暮らしを満喫している。


「ああ、いい湯だった」

「くっくっくっ、のんびりになってんな」

「あいつらはどうなってるんだ」

「金が無いって言ってたぞ」

「貧乏国は辛いねぇ」

「けど、残り50枚なんだろ」

「まあ、100枚入りだったしな」

「残り1週間でここともおさらばか」

「精々、英気を養っとこうぜ」

「ああ、そうするさ」


 どうやら皆にはマジックボックスがあるようで、なのでオレもちゃっかり標準装備にしておいた。

 つまり、望みと言うのは【倉庫マジックボックス】以外でのスキルの関連で、言語理解も標準装備と思わせた訳だ。

 そしてオレは手ぶらで金は【倉庫マジックボックス】の中なのを認識されていて、今は他のメンバーを尻目に優雅な暮らしと。

 どのみち、グレムリンもレミングもシルフも勝手に動くだろうし、オレ達はそんなの放置で構わない。

 どうせ向こうの世界は見えているんだし、誰かが倒したら強引に送らせると言って包んで飛べば良いだけだ。


 オレは既に通告してあるんだ。

 混ぜたら滅茶苦茶にやるってよ。


 だからどうなっても知らねぇから、好きに調整でも何でもするがいい。

 幸いにも有り余るアイテムを【倉庫マジックボックス】に入れ終わった時だったんだ。

 だから物資で困る事はねぇからな。

 さーて、あいつらに里心が付いた頃にでも、向こうの品を高く売ってやるか。


 てか、数年だから無理かな。

 まあどうでも良いけどな。


 宿に泊まって3日目の頃、あいつらは戦いを試してみたいと言い出した。

 オレは何ももらってないから戦力外と思ったのか、留守番を頼まれる始末。

 夜には戻ると言い残し、あいつらは揃っておでかけだ。

 そうなるとオレは、精神体で抜けて元の身体を出す事になる。


 いやぁ、久しぶりだなこの身体も。


 こりゃ設定、かなり上げないと力が余って仕方が無いぞ。

 やはり違うな、魔族の身体は。

 かつて使っていた装備に身を固め、あいつらの後ろから付いて行く。

 このフードを被るのもかなり久しぶりになるな。


 《それはお前か……元の身体さ……それは拙いぞ。その風体、魔族だろ……やはりここでもこの風体が魔族なのか……この手の世界は大体似通っているんだ……共通のほうが便利だからか……そう言う事だ……魔族は悪なのか?……見解の相違だな……そんなの倒すの嫌だぞ……だろうな、だが、倒さないと帰れない……いいよ、自前で帰るから……戻れそうなのか……神様との話の時、あの野郎に色々転送してやった……とんでもない超越者だな。殆どあり得ない話だぞ……そうなのか……見えて移動となると、上級の資格ありだ……修練次第だろ、そんなの……才能と言われてはいるがな……そんなのやらない奴の言い訳だろ……オレもかなりやったんだがな……死に物狂いで数千年とかか……いや、そこまではな……修練惑星で磨いて来いよ……そうだな》


 才能って言葉で諦められるのかよ。

 欲しいと願って努力して、無理だと自分で可能性にフタをするのかよ。

 そんなのつまらないだろ。

 欲しかったら消滅するまで努力しやがれよな。

 相当、長生きな種族になったんだろうに、やればいいだけなのにやらないのかよ。


 つまらんぜ、そういうのは。


 それはそれとして、魔王の様子を見に行く事にした。

飛翔フライング】魔法で飛んでいけば、すぐに魔族領に到達するが、どうにもよく似た風情。


 ああ、妙な懐かしさを感じるな。


 似たような王宮に似たような町並み、似たような領地に似たような者達。

 あれはもう数千年も前の事なのに、つい最近のような感じを受ける。

 町の噂はきな臭く、人間が勇者を召喚したって噂が既に流れている。

 ああ、あの頃も確かそうだったな……想いのままに酒場に入り、金貨転がして酒をあおる。

 今なら当時とは違った対応になるかも知れないが、あれはもう終わった事なんだ。

 爪を隠しすぎてあんな事になったけど、今ならもっと……ああ、いかんな、これは。


魔反カウンタ


 ふうっ、干渉波とはいきなりご挨拶だな。

 このまま住人にするのは良いが、そうなったら召喚勇者が敵対になるんだぞ。

 それでも良いのかよ、クククッ。

 慌て者の大間抜けが、波ぐらい見て判断しろよな。


 どんな新米管理だよ、全く。


 それにしても、特典と言うから何か凄いスキルかと思えば、何の事はない。

 魔法の才能ってそれだけかよ。

 山本が火魔法、木本が木魔法、橋本が水魔法、そしてオレがやったせいでミツヤは光と土魔法だとさ。

 何ともしけた特典もあったもんだよな。

 空間魔法も時空魔法も、精神魔法も無いときたもんだ。

 まあ、アイテムボックスはあるようだけど。


 しかも風魔法も無いから誰も空を飛べないってどうなってんだよ。

 大体、異世界言語理解の状態で、呪文を覚えて詠唱ってやれないだろうが。

 言葉を覚えて詠唱となるのに、そこに通訳がハマれば覚えられまいに。

 どうにも穴だらけのシナリオだな。

 まあオレは言語を覚えたから詠唱を聞けば唱えられるが、既に殆どがキーコード化されてんだ。

 だからそんなの要らないぞ。

 やれやれ、あいつら、戦うのは良いが、ゴブリン相手に吐いてどうするんだよ。

探査オールレンジソナー】で丸見えだからこうやって、酒をあおりながら見学しているが、どうにもへっぴり腰だしメンタル弱いし。

 こりゃ戦いにはならないかもなぁ。


 前途多難だぜ。



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