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さすらいの魔皇子2   作者: 黒田明人
異世界 1年目
70/119

70 相談

 


「**** * *** * *** * *** **** * ***** * ****** * ****」


 未知の言語キター……よし、早速、ライブラリ作成だ。

 他の奴らは言語理解か何かがあるようで、色々と会話をしてくれている。

 お陰でこちらはライブラリに単語が次々と収まっていく。

 この調子だとすぐに話せるようになりそうだな。


 しばらく傍観していると、大体の言葉が分かるようになり、それに従って状況も分かってくる。

 とにかく魔王を倒せば帰れるって話らしいが、魔王を倒すねぇ……どんな相手かねぇ。

 かつて、魔王を親に持った経験のあるオレがそんな役柄とか皮肉にも程があるが、悪の化身なら仕方が無いか。

 しっかし、黄金週間の夢オチか何かにするつもりかよ、このシナリオは。


 身体能力はかなり強化されているが、オレは何もいじられてないな。

 となると、封印を減らさないと少しきついか。

 しっかし、こいつら妙にやる気になっているが、モンスターはまだしも魔族は同じ生命体じゃないのか。

 殺しには既に慣れてますってか? なら良いけどな。


 ミツヤはそうじゃないだろ。

 あーあ、どうするんだよ、こんな事になっちまって。


「これ、どうするよ」

「どうと言われても仕方が無いだろ。倒さないと帰れないって話だし」

「オレは楽しそうで気に入ってるぜ」

「あっちのグループも妙にその気になっているが、こっちもそうかよ」

「それがな、最初に倒したグループしか帰せないとか言いやがってよ」

「ああ、それで競争になってんのか」

「オレ達はオレ達でまとまって行動するぜ」

「慌てなくても良いだろ。あっちが戦って疲れた頃に、オレ達が倒せば良いんだから」

「くっくっくっ」

「けど、倒されちゃったら大変だよ」

「そん時はな、送り返せと脅すのさ。手段があるなら可能だろ」

「ああ、成程ねぇ」

「特待生なのにそんなのかよ、くくくっ」

「それはこの際、関係無いだろ」

「で、どうするんだ、隊長さんよ」

「うえっ、オレかよ」

「頑張れリーダー」

「なあ、コージ、代わってくれよ。こんな世界とか、オレ自信ねぇぜ」

「特典もらったんだろうが、頑張れよ」

「お前もだろ」

「オレは断った」

「な、マジかよ」

「後で寄こせと言うさ、元の世界に戻る特典を寄こせってな」

「あ……そんな方法が」

「魔王が消えたらいけるかも知れないだろ」

「うっく、やっぱり賢いな」

「そうと決まれば宿を探そうぜ」

「金はどうするんだよ」

「あれ、くれないのか」

「貧乏国で金は無いと言われてよ」

「なら、勝手に家捜しだ。何とかクエストとかそうだったろ」

「くっくっくっ、確かにな」

「行くぞ、家捜しだ、付いて来い」

「「おー」」

「待って、待ってください、困りますぅぅぅ」


 制御を落とすものだから、そこらの扉のカギとか無視してバキバキと無理に開けていく。

 邪魔な兵士は蹴散らして、殆ど盗賊の軍団である。


「やりっぱなしだな、しかし、妙にボロくないか」

「簡単に壊れる扉とか、意味あるのかな」

「お宝発見だぁぁ」

「おおおお、もーらいっと」

「この剣とかいいな、いいだきだ」

「この杖、僕がもらおうっと」

「おお、これぞ男の武器、いただくぜ」

「オレはこの金な」

「くっくっくっ、しっかりしてるぜ。もう青山がリーダーで良いだろ」

「さんせー」

「頼む、コージ」

「いーぜ」

「任せた」

「しゃーねーな、おし、宿に突撃だぁぁ」

「「おー」」


 全員で分けるはずの金に武器の類。


 あいつらが妙に息巻いて相談をしているうちに、さっさと回収して宿に行ったオレ達。

 しかもオレは大量にあった金の袋をあらかた【倉庫マジックボックス】に入れて、最後の1袋だけ持っての逃走だ。

 だから分けろと言われても知らねぇよ。


 何が貧乏国だ。


 重そうな金の袋が28もあって、27袋は【倉庫マジックボックス】に入れちまったさ。

 後はどうなろうと知るかってんだ。

 その袋にはまた金貨がわんさか入っていて、だから町でも高そうな宿に泊まれたんだ。

 スイートみたいな5人が余裕で泊まれる宿を10泊借りて金貨50枚だったと。


 そこから各自、情報収集をすると分かれて、オレは今、あちこちでそれをやっているところだ。

 もちろん、【偽装フェイクカバー】を使って顔を変えての話だ。

 あいつらに捕まったらヤバいからよ。

 後は【催眠スリープ】【質疑クェスチョン】【暗示インプリント】を駆使しての事。


 なので様々な事が判明した。

 まずは金銭価値から。


 銅貨=50円相当

 銀貨=銅貨100枚

 金貨=銀貨100枚


 これしか分からん。


 富豪に聞かないと、これ以上の通貨は不明だな。

 ちなみに50円と判断したのは、果物1個が銅貨1枚と言われたから。

 普通1個50円ぐらいだろ? そう思ったんだけど、皆に聞いたら100円? そうかなぁ。


 てーせー


 銅貨=100円相当

 銀貨=銅貨100枚

 金貨=銀貨100枚


 つまり、銀貨1枚1万円で、金貨が100万円相当。

 やっぱり銅貨の基準、おかしくないか?

 つまり、豪華な宿、10日5人で5千万円って事だろ。

 やっぱり変だぞ、金銭価値。



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