69 召喚
やっと異世界です。タグの『異世界』がやっと生きますね。
こんなに長い前振りの小説って、きっと他に……どうなんだろう?
でも、彼は既に異世界人。
なので、彼にとっては現世が異世界なのです(言い訳)
三つ巴に囲まれた我らが3本山田は何故か、染まってないグループだ。
確かにミツヤはシルフの親を持つが、他は一般学生になっている。
これがどんな関連なのかは知らんが、このまま平穏に進んで欲しいと願うばかりだ。
そんな中、オレは発注しておいた品物の入手や、新たな発注に余念が無く、かつて関西で買い求めた水も大量に【倉庫】に入っている。
なんせ2回目の仕手の中抜きの恩恵で……実はTOBで大手と揉めたのだ。
世界的に有名な電気屋と話し合いになり、向こうはどうやら吸収合併を狙っての事。
その邪魔をしたような格好になっており、既に24パーセントの取得率になっている事でそれが巧くいかず、色を付けるから買い取らせてくれと言われ、斉藤さんとも相談の上、合併先の株の取得で合意した。
そんな訳で優良株の取得権利を得た訳であり、株価900円で交換取引となった。
なので、残金の200兆円うちの50兆は例の3年寝かせて40倍に注ぎ込んだが、残りの150兆の使い道が無くなり、そのまま税金口座で眠る事になり、あっちが不足の折の補填金の位置取りになってしまったのである。
なのでそこからチョコチョコ抜いての大量購入になっていて、だからこそいくら抜いても焼け石に水状態だった。
だってそれぐらい、利息で戻るんだからさ。
いくら1パーセントの利息でも、150兆もあれば年間1.5兆は付く訳だ。
そんな金、そうそう使えるかよ。
いくら税金で抜かれたとしても、100兆残れば毎年1兆の利息だ。
そんなのどうやって使うんだよ。
だもんでもう、開き直って水稲やら菓子パンやら、ジュースの類に野菜類、穀物類にノンアルコールビールや缶詰の類と、ありとあらゆる品を色々買占めに走るようになる。
それでもなるべく大手は省き、中小企業優先にしたのは景気回復を狙っての事。
後はブログサイトだけど、清濁適当な予測に留め、名刺3枚のヌシにそれぞれ、それなりの予測を送付しておいた。
テキヤには大証での優良銘柄をいくつかと、運ちゃんには住之江の穴2つ。
資本金にもよるが、100万投資で5千万になるぐらいの株式と、10万投資で800万になるぐらいの舟券だ。
それでしばらくはやって欲しいと思っている。
そしてブログのほうは冷やかしと思しき者達が好き勝手に書き込みをしていて、やれ外れただのインチキだのと喧しい。
元々、評価を落とす為のサイトなので、それはそれで結構な事だ。
つまり、オレは単なるヤマカンであり、偶然当たったに過ぎないと思わせる訳だ。
仕手の中抜きも斉藤さんのアドバイスあってのものだと、今では思われているかも知れないぐらいだし。
悪いけど1000億の専属料に、それも含まれると思って欲しい。
そんな訳で日々、【人形】は大活躍する。
ただでさえ何も言われない待遇になった訳で、図書館でいつも寝ている奴と言われるようになってしまう。
しかし、いくら使ってもなくならない金に嫌気が差し、串肉も13枠に収まった頃、買出しもいい加減終了となる。
もう殆どのページは様々な物資で埋まり、数ページしか余裕が無い。
さすがにやり過ぎた感のある、黄金週間寸前のオレだった。
はぁぁ、もう嫌。
久しぶりに【人形】を収納し、クラスに戻ってくるオレ。
「よ、久しぶり」
「くっくっくっ、もう寝るのは飽きたのかよ」
「たまには授業も受けようと思ってな」
「自由過ぎるのも考えものだよな」
「仕方が無いだろ、こんなの勝手にくれるんだし」
「変な学校だよな」
「全くだ」
ゴゴゴゴゴゴ
《おいおい、何が始まるんだよこれ……お前、どうして戻って来た……何だと……シナリオだ……嘘だろ、ミツヤを巻き込むのかよ……悪いがこいつもだ……抜く話だろうが……抜けないんだ……まさか、メインなのかよ……それに近い……メインは誰だ……入らなければお前だ……そんなぁ……変質はしている。だから交渉はしたんだが、石田だけでもと言われてな……くそ、事前連絡無しかよ……それが上の実態さ……また食う事になりそうだな……やはりそうなるか……とにかく導いてくれ……やるだけはやってみよう……くそぅ、何でこんな事に……ただし、こちらの時間は殆ど過ぎない。向こうで数年、それだけだ……また戻れるんだな……そのはずだ……頼むぞ。戻れないとなったら勝手に戻るからな……おいおい、階梯が違うんだぞ……見えたら飛べるさ……マジかよ》
なんだよそれ。
そんなの聞いてねぇぞ。
あの俯瞰、とぼけた波してふざけやがって。
なにが東なら良いだ。
全然、良くないじゃねぇかよ。
見えた……手榴弾、ピンを抜いて【転送】ふん。
(うっ、まさか、次元能力? あり得ないぞ、超越者が、そんな)
何やら神様もどきが話しているが、そんなの知るかよ。
次は拳銃が良いか、クククッ……【転送】
粉もやろうな【転送】
ラストだ、この前の遺骸君、食らいやがれ【転送】
(嘘だろ。それにしても、こっちに飛ばすなよな。今、大通りなのに、さっきからヤバい品が、くそ、調整が。うおおおお、誰の死体だぁぁ、くそぅぅ)
『ほれ、次はおぬしの番じゃ。何が欲しいのじゃ……何も要らねぇよ……本当に要らぬのじゃな……くどいな、要らないと言ったら要らねぇんだよ……実に珍しいの……そんなに与えたいなら、さっきのミツヤにくれてやれ。オレは要らん……そうか、なればそうしようぞ……それで……送るでの』
やれやれ、こんな茶番、とっととしろよな。
(妙にふてくされておるのぅ。そこまで嫌じゃったのかの、なれど致し方無いのじゃ、済まぬの……しかし、何も望まぬとなると、いささか生存が危ういの。こやつはメインと聞いたが、この分では恐らく……しかし、死ぬでないぞ。死なれると後が面倒になるからの……何とか生きるのじゃぞ)
憐憫の波を感じるが、大きなお世話だ、くそっ……やれやれ、またぞろ召喚かよ。




