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さすらいの魔皇子2   作者: 黒田明人
高1 1学期
65/119

65 入学

 


 高校デビューという訳でも無いが、中学で苛めていた奴らじゃ入れない学校という事もあり、心機一転を狙ってのスーツ姿。

 元々、服装は良識に委ねられ、特に学生服には拘らない校風と、上流階級の子息も通っているという噂もあり、チラホラと同じような服装の奴らも見かけていた。

 なのでもう、スーツ姿のままで通おうって事になったのだ。

 山本は学生服のほうが良いと言うので、オレとミツヤだけだけど。


 と言うのも、以前の旅行で買ったスーツを使わないと、成長期で使えなくなるともったいないと、ミツヤも着用すると言うのでそうなったのだ。

 京都のそれなりの店で買ったスーツなので、見てくれは悪くない。

 ミツヤは知らないだろうが、これでも色々込みで1人50万は出している。

 なのでそこらの量販店の吊るしなんかとは、仕立ても違うはずなのだ。


 こっそり内ポケットにミラサンを忍ばせるのは、帰りの寄り道の為。

 それさえ着ければそこらの幹部候補……なんて、雰囲気が無いと無理だけど。

 ただならぬ雰囲気はオレが出すので、それプラスサングラスでそれなりに見てくれると……良いなと。

 本来、答辞はやはり言われたが、山本に交代の話を承諾させた。

 どうしても嫌なら次点の者と言われたが、3位じゃダメですかと聞いたのだ。

 自分は口下手だが、その心情を汲んでくれる友に代弁という形にしたいと訴えた事で、何とか山本に決まった。


 後、確かにトップ入学ではあるものの、たまたまヤマが当たっただけなので、本来の実力を遥かに凌駕した結果となり、自分も驚いている。

 これからも精進はするつもりだが、恐らくテストではそこまでの点は無理だと思う。

 成績が落ちたのではなく、たまたま入試が良かっただけと思ってくれと、一応は予防線を張っておいた。

 下手に騒がれたり、変にライバル扱いされるのは困るので、テストではそれなりでやろうと思っているからだ。

 今度はさすがに落ちこぼれは装わず、クラスでも中間ぐらいでやろうと思っている。

 それを教師に色々言われるのは嫌なので、ヤマカンでの合格を仄めかしたのだ。

 それがどういう結果になるかは知らんが、何とか平穏に過ごせたら良いと思っているのだが、果たしてどうなるかな。


 ところが、クラス分けで変な事にいきなりなってしまった。


 進学校でもかなり上位なこの学校の特色として、特待生クラスというのがある。

 その年によって人数は変わるが、今年は3人しか居なかった特待生クラス。

 そこに何故か送り込まれたのだ。


 1-S


 こんなクラス表記を見せられて、教室に行ったらオレを含めてたった3人。

 どうなっているんだこの学校はと、オレは本気で転校を考えたぞ。

 先生が来るまで待機と言われ、ちょっとふてくされてミラサンを着用して斜に構えていた。


「君がトップかい」

「ヤマカンだ」

「あの記述、解いたんだよね」

「まさかあれがこのクラスの? 」

「どうやらそうらしいよ。うちの兄貴もあれに引っ掛かったって言ってたし」

「解くんじゃなかったな。オレは普通で良いのに」

「その心配は要らないよ。ここではただの説明だけだ。きっとAクラスに混ざるから」

「じゃあ何で分けるんだ」

「ちょっとした優遇と言うのかな。あれは学長からの挑戦って名前らしいんだけど、そのご褒美らしいんだ」

「そんなのこっそりやってくれれば良いのに」

「クスクス、本当に目立つのが嫌いみたいだね」

「テストは中間点の予定だ」

「それはまた徹底してるね」

「そのご褒美とやら、どうなるんだ」

「この学校には寄宿舎があるのは知ってるかい? 」

「いや、知らないな」

「そこの特別の部屋が使えるようになるんだけどね」

「じゃあ関係無いな。オレは通いだから」

「使わないのかい? かなり豪華だと聞くよ」

「家のほうが気楽でいい。それに、引っ越したばかりだしな」

「じゃあその権利は放棄だね」

「それだけか」

「後は学食の特別メニューが選べるとか、模擬試験を優先的に受けられるとか、修学旅行では個別の通訳が付くとからしいね」

「全て不要だ」

「じゃあ語学も得意だったりするのかな」

「4つあれば充分だろ」

「うわぁ、それは凄いね」

「旅行では損するぞ。特にツアーに不備があったりしたら、貧乏くじになっちまう」

「え、そんな経験でも? 」

「英語の使えない通訳、もちろん日本語は分からない。ツアー客は他はカタコトが1人、となるとどうなると思う? 」

「うわ、それは災難だね」

「ツアコンがやれるぐらいに詳しくはなったが、全く楽しめなかったぞ」

「成程ね。だけど、言葉が分かるのはいいね。僕も色々学んでみようかな」

「英語と? 」

「実はイタリア語を少し」

「Si prega di diventare amici 」

「わお……喜んで」


 いきなり友達が出来ちまった。


 だけど頼むからもう勘弁してくれよ。

 暴れないからさぁ、監視はもう止めてくれよ。

 オレは平穏に過ごす事を身上にしているんだからさ、ちょっかいは出さないでくれよ。


 どうして周囲にストライプが多いんだよ。



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