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さすらいの魔皇子2   作者: 黒田明人
中3 冬休み
53/119

53 除外

 


 じゃあもしかして、あの恐喝の話って……表向き万引きで実はって話だったのかな。

 じゃああれも石田の手かよ、殺っちまったぞ、クククッ。

 参ったな……まあ、親のほうには漏らしてないみたいだし……となるとあの探偵も関係者か?

 なんかさぁ、色々絡んでいてよく分からんぞ。

 本当なら両親とミツヤ共々、他県にでも移住したい気分だな。

 近いと色々とばっちりもありそうで、どうにも気が休まらんと言うか……参ったな。


「お前さ、もううちに下宿するか? 」

「お、良いのかよ」

「うちは構わんさ。なんせオレが一番稼ぎ頭だ」

「くっくっくっ」

「それに、マンションを探すからな」

「受かってからしろよな」

「落ちたら両親に住んでもらうさ。うち、賃貸だし」

「そういやそうだっけ」

「あちこちガタも来てるから、親父に言って分譲でも買わせようかと思ってんだ」

「オレ達は学生マンションだろ」

「まあそのつもりだけど、名義は親のほうが何かとな」

「相続が面倒じゃねぇのかよ」

「何の為の顧問弁護士だ」

「あ、それがあったな」

「税金とかもうどうでも良いんだしよ」

「なんか優雅な生活になりそうだぜ」


 家の口座に振込みをして、それを使ってマンション購入の話になる。

 店は続けるらしいが、どうにもオレが世帯主になりそうな流れになっているんだが、オレは目立つのは嫌だし、そもそもそんなのは嗅ぎ付けられたら厄介の元だ。

 それでなくても変なシナリオやってるみたいだし、そんなトラブルの元は困る。

 そもそも、石田に5兆も渡してんだから、もう親父にかなり渡しても食指を伸ばされまい。


 だから問題は無いはずだ……となれば。


「名前だけ僕が出すけど、実質は君だからね」

「そんなのどうでも良いからさ、とにかく口座にまとめて入れるから、そこからマンション購入やらオレ達の授業料振込みやらを全部やって欲しいんだよ」

「それはするけど、本当に凄いものだねぇ。まさかそんな事になっているとは思わなかったよ」

「とにかく、石田とうちの顧問は同じだから、将来のトラブルは顧問がしてくれる。だからもう心配無いからね」

「そうか……もうあそこの仕事はしなくて良いのか。それは助かるよ」

「そんな工作員みたいな仕事、ダメだよ」

「うっく」

「みたいなは余計だった? クククッ」

「いや、だからそのね」

「まあいいや、とりあえず500億で何とかして」

「え、それはいくら何でも。そんなに稼いだんだね」

「学生マンションもそれから出してよね。オレ達は表向き、金も力も無い中学生なんだから」

「じゃあ仕送りもそれから出せば良いんだね」

「そうそう、そして税金関連は顧問に任せれば良いから」

「うん、じゃあそうするね」

「店は好きにすればいい」

「何かしてないとそれは、やっぱりいけないと思うからね」


 顧問に連絡して、税金口座から500億抜いた話をする。

 石田の件でかなり控除になるらしく、その程度なら余るだろうとの話。

 まあどのみち、もう少ししたらこちらの資金も増えるし、それまでは余り使えないしな。

 さて、あれがいくらになるかは知らんが、またぞろ大騒ぎにならなきゃいいが。


 もう国内株は止めておこうかな。


 しかしな、そんな事を言ってて、もし海外の関連に絡んだら、もっと大騒ぎになりそうだし。

 となると、おとなしく公営賭博やってたほうが良いのかねぇ。


 あれなら絡まないだろうし。


 それで良いなら今度は隠れずに、頼んで会員になってもらおうか。

 そうだよ、親の名義でオレがやって、儲けを色々に使えば良いんじゃないか。

 なんだ、簡単な話だったな……いや、待て待て、それはいかん。

 親に非合法止めさせて、自分は非合法とか洒落にならん。


 ええい、未成年は辛いぞ。


 それでもちゃんとうち関連とミツヤは除外になるようで、これでひとまずは安心である。

 結局、親父は分譲マンションのそれなりのを購入し、オレ達は学校近くのマンションに住む事になる。

 そしてオレとは別にミツヤにも、石田からという名目で学費と生活費の仕送りが出る事になるらしい。

 それと言うのもあの5兆がかなり効いたようで、ミツヤも親からの学費援助の話をして、望外の喜びの様子。

 3男って事で今まで放任みたいな事になっていたようで、親の愛情を感じたのかも知れない。

 だがな、そいつはオレからの補填で決まった事なのだから、本当のところは変わっていないのさ。

 だがそんな事を教えても仕方が無いので、今はそのままで良いだろう。


 世界としては国内外のスパイの攻防戦みたいなシナリオらしく、その関係で色々と出費も多かったようだ。

 なのに赤字で巧く行かず、外の勢力を制限するのも難しく、シナリオが滞っていたらしい。

 そして苦肉の策での仕手も、中抜きされて散々だったとか。

 関係者に先読み能力者が居なかったのが敗因だろうけど、そんなの知った事ではない。

 そんなオレは今、衛生用品の大量購入を計画中だ。

 可能なら5ページずつ欲しいので、99999個を1セットとして、2000セットずつの購入を検討している。

 次回の中抜きが終わった後、そいつから支払う手筈になっている。


 後々、剣と魔法の世界に行くとしても、ゴムやら夜も安心やらは必需品になるだろう。

 ああいうものは今の高性能な品が喜ばれるだろうし、そういう品で交易もどきにすれば、楽に儲ける事もやれそうだ。

 しかも、もし、そこに他の日本人がいるなら、何を置いても欲しがるだろうし、それで優位な立ち位置にもなれるだろう。

 どの世界にもシナリオがあるかも知れないが、シナリオ外で優位に立てるなら、今回みたいに関連から無縁にする事も可能だろう。

 将来的にまた悲惨な存在があるかも知れないし、都合で抜くのにも色々と融通すれば良いと理解した。

 そしてオレなら借りてる特権の恩恵で、他の世界からの持込を使っても良さそうだし、取引材料になりそうな品を大量に集めておこうかと思ったのだ。


 まだまだ何年かは滞在の予定だし、これからも大量購入をしていこうと思う。

 ただし、問屋と直接交渉で、【暗示インプリント】は必須になりそうなのが少し……だけど仕方の無い事だよな。

 人は便利なアイテムを見たら欲しくなる存在だし、手に入らないと嫉妬で狂う存在なのだから。


 もっとも、獲物に自らなりたいと望むなら、遠慮無くそうさせてもらうがな、クククッ。



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