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さすらいの魔皇子2   作者: 黒田明人
中3 冬休み
45/119

45 深夜

改)スキル名修正

 


 ミツヤはすっかり熟睡の中、情報の中の精神体の皮。


皮膜マインドカバー】として確立した。


 ああ、これで楽になったな。


 今までは飛散しないように、意識的に抑え付ける感じにやってたが、これで気を抜いても飛散しないな。

 誰にも見えないが、オレはここで存在を保持している。

 つまりこれ、殺り放題なんだよな。

 そうだな、これからはこれで殺れば問題無さそうだ。

 それは良いのだが、どうにも似たような奴を発見した。

 ええと、あの会話、どうやったっけな……確か、ええと。


 《なぁ、オレに何か用か……波通信までこなすのか。それで、何の用だ……それはこちらの台詞だ。今日、ずっとつきまとってたろ……あれに気付いたのか。はぁぁ、仕方が無いな。あのな、管理はオレが止めて止まらんかったから仕方が無いが、あんまり派手な事はせんでくれるか……こちらから介入する気はない。絡まれたから対処しただけだ……ならさっきのあれは何だ。あんな波して……来る奴、来る奴、目を逸らしたのは何かやってたんだな……事件は止めてくれ。地元なら構わんが、ここは舞台だからな……東なら良いんだな……程度はあるが、今までぐらいなら何とかな……分かった、大阪ではもう何もせん。やから絡んで来るなよ……ああ、それは止めよう。だから頼むぞ……シルフたら言う奴ら、絶対止めろよ……ああ、分かっている……ほなな》


 はうっ、何とか通信がやれたな。


 成程な、雰囲気の事を波と言うのか。

 どうにも、もらった知識を活用しながらの試行錯誤だけど、少しずつやれているみたいだな。

 付きまといのカマも合ってたし……そんなん気付くかいや。

 あっちは相当の熟練みたいだし、カマでも何でも活用して、背伸びしてそれっぽく見せないと、実力知られたらヤバいぜ。

 内心ドキドキだけど、何とか渡り合えたみたいだし、ひとまずは成功と言っても良いかな。

 成程な、西は拙いから東で過ごせと、そう言うんだな。

 あーあ、それなら京都料理は当分、お預けになりそうだなぁ……行きつけの料亭で我慢するかぁ、仕方が無いな。


 おや、こいつに【偽装フェイクカバー


 よしよしよーし。

 これで人の目にも見える、精神体の皮の完成だ。

 よしこれで買物がやれるな。

倉庫マジックボックス】から直接の出し入れで、後は【暗示インプリント】で何とでもなるだろ。

 さてさて、買物はお土産だけど、折角だから生八橋を大量に買っておこうか。

 あれって抹茶によく合うんだよな。

 けど、そこまで凝るなら茶せんや茶碗も欲しいところだよな。


 今度、色々揃えてみるか。


 何時までも【混液リキッドミックス】に頼る訳にもいかん。

 特に人に見られたら、手品とか超能力とか色々言われそうだしな。

 生活魔法すらうっかり使えない世界だけど、あると便利な生活魔法ってか。

 あれの確立も今、役に立ってるし、何でも研鑽は後の便利な暮らしになるんだな。

 今度また、あんな世界に行く事があれば、何でも色々修練しまくってやろうな。

 そうしてこういう世界で便利に過ごす……うん、良いかも。


 おっと、ここかな。

 あるある、たくさんあるな、よしよし。


「おっちゃん、これ、全部や」

「おいおい、金あるんやろな」

「何万でも何十万でも任しとかんかい」

「ほお、そりゃ頼もしいな。ならな、まだ倉庫にあるさかい、それも買うか? 」

「ああ、なんぼでもええで。1億でも10億でも任しとかんかい」

「ほんまかいな」

「ほれほれ」

「あわわ、とんでもねぇな」

「ほれほれ、とっとと持って来ィ」

「あ、ああ、分かった……ちょいと待っときぃ」


 何とか会話もやれるな。

 声帯もどきと言うのか、発声関連だけを皮の中に【構築コンストラクション】する感じと言うのか。

 中は他には何も無いけど、人間にはそんなの分かるはずもないか。


 あれ、皮が破れたな。


 ああ、意味が無いから、ナイフで刺しても。

 オレが平気な顔はしているわ、血は出ないわで呆然としているけど、邪魔だから何とかしてくれ、さっきの人。

 えっと波の場所に【転送カーゴマジック】さよーならー……

 やれやれ、そこらには【暗示インプリント】でセーフ。

 これで落ち着いて買物が出来るな。

 おっと【皮膜マインドカバー】を修繕して【偽装フェイクカバー】も治しとかないと。


 もう、余計な事をするなよな、全く。


「850箱あったが、全部買うんかいな」

「うえっ、なんでそんなにあるねん」

「はははっ、魂消たかぁ。実はな、新年に団体さんが来るねんな」

「タヌキの皮はええが、その皮、全部貰うてもええのんかいな」

「ホンマに買うんやな。よっしゃ、全部売ったる」

「1箱2000円やったな」

「そや、全部で170万やぁ」

「消費税忘れてるで」

「そんなんサービスに決まってるやろ。気にせんとき」

「なんや悪いな」

「殆ど卸から右から左や、やからワイは損してへんさかいな」

「ほな倉庫に行こか」

「ほいきたこっちや」


 もう【暗示インプリント】で不思議に思わないようになっているから、【倉庫マジックボックス】に入れても問題無いと。

 やっぱりあるものは使わないと、色々と騒ぎになるのがよく分かったぜ。

 だからもうこれからはガンガン使うしかあるまい。

 そうしないと人は他人の事が、凄ーく気になる生き物なんだしな。

 人は人ってやってくれたら良いんだが、それがやれない以上、こっちで対策するしかないってか。


 かくして170万消費して、生八橋850箱は【倉庫マジックボックス】の中に入りましたっと。

 ううむ、折角の枠なんだし、もっと欲しいな。

 剣と魔法の世界には無いお菓子だからなぁ、この先行く事があってもたくさんあれば……そうだなぁ。

 もう京都には行かない約束になっているが、どのみち明日の昼過ぎまでは観光のつもりだ。

 何とかもっと大量に……まあ、旅行が終わってからでも良いか。

 どのみち【転移ワールドアクセス】で来て【暗示インプリント】で買えば良いだけだし。

 後の調整さえちゃんとやっとけば、あいつも煩くは言わないだろう。

 やりっ放しだから色々言うんだろうし、誤魔化しがやれるなら問題あるまい。


 決まりやな。


 それにしても、こんな夜中まで店を開けておくなんて、世の中不景気なのかねぇ。

 タヌキの皮でも少しは貢献になったのなら良いが。

 気分の良いおっちゃんやし、店、長く続けられたらええね。

 よっしゃ、この際、他の土産もありったけ買うたるわい。

 在庫みーんな買うたるさかい、寝正月といきなはれや。


 買うた買うた、ありったけ買うた。


 寝正月推薦したら、すっかりその気や。

 うちの親みたいにリフレッシュせんと、長く店やれへんかも知れんでの。

 そや、親父と言えば親父の店、少し梃入れしたろかいな。

 とは言うものの、ファンシーショップってな、よく分からんぞ。

 女だけじゃないのは後から分かったが、男は客にならないだろ、あんなの。

 どうにもパステルカラー系の商品とか、男が買うのかよ。


 まあええ、今はまだ旅の途中やし、終わってから考えるか。



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