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さすらいの魔皇子2   作者: 黒田明人
中3 冬休み
35/119

35 夜景

 


 色々お土産も買いながら、神戸観光は終わる。

 そしてホテルまで運んでもらって……さてと。


「お釣りはいいよ」

「おいおい、本気かいな」

「お年玉」

「くっくっくっ、なら、遠慮無くもらっとくぜ」

「今日はありがとね」

「おうっ、またな」


 どうにも言葉が変だな。

 無理に関西弁使っているような。

 江戸っ子の関西弁練習中みたいな。

 どうしてなんだろうねぇ。


 まさか……はぁぁ、フタだフタだ。


 ホテルでお土産を宅配便でまとめて送る手続きをする。

 ミツヤもそれに見習って、一緒に箱に詰めていく。


「確かにこの方法なら荷物にならねぇな」

「持って歩くとか、邪魔だろ」

「こんな方法があったとはよ」

「修学旅行でやらなかったんだな」

「そういや、お前、熱出して不参加だったんだよな」

「今はもう元気だぜ」

「オレも、あん時はあんまり行く気無くてよ」

「結局、何処に行ったんだっけ」

「北海道だったけどよ、あんまし楽しくなかったって言うかさ」

「今度、夏の北海道、行ってみるか? 」

「そうだな、高校1年の夏休みで行くか」

「それまでに儲けるんだ」

「おっしゃー、予測、頼むぜ」

「任せろ」

「お、もうじき見頃だぞ、夜景」

「ああ、いいな、こういうの」

「メシの後、風呂上りにのんびり見るか」

「そうだな」


 ここでもやはり豪華料理なんだけど、アルコール抜きを言わなかったせいか、ビールに日本酒にって、おい。

 見てくれでこういうのはジュースにしてくれよな。

 どうにもビジネスライクと言うか、ちょっと問題じゃないかな。

 ミツヤはご機嫌で飲んでるが、控え目にしないと爆睡になっちまうぞ。

 折角の夜景なのに、見るどころじゃなくなりそうで、それが少し気になるところ。

 あーあ、真っ赤な顔で飲み食いしてるけど、目がとろんとして……おいおい。

 せめて風呂ぐらいは入って寝ろよ、仕方が無いなぁ。


 酔い潰れて寝ちまったミツヤを布団に寝かせ、ほろ酔いでホテルの外に出る。

 オレは1杯しか飲んでないし、そもそも酒は好きじゃない。

 まあ、付き合いで飲んだけど、どうせ飲むなら真っ赤な……げふんげふん。


 ふうっ、やっぱり夜は冷え込むな。


 それがどうって訳じゃないけど、普通は寒いんだろうな。

 夜景か……こういうのを見ていると、妙に落ち着くと言うか……なのに、この変な雰囲気は何だ。

 何かのトラブルのようだけど、オレは関係無いんだから絡むなよな、頼むから。

 何やら揉めている奴らを無視して、ぼんやりと夜景を見る。

 聞くともなしに聞こえてくるのが嫌だけど、どうやら金銭トラブルのようだ。

 ギャンブルで負けたとか、そういうのは余剰金で遊ぶもんじゃないのか?

 借金してまでやるとか、そりゃもう中毒ってやつだぞ。


 さて、明日は京都で和食だな。


 予約済みの一流料亭らしいが、どんな料理が出るか、今から楽しみだぜ。

 ふうっ、気持ちのいい風だな。

 さて、ちょいと風呂でも入って寝るか。

 ミツヤを起こして……折角だしな、クククッ。


「おい、ちょっと待ってくれ」

「ああ、何だ」

「さっきの話、聞いたな」

「勝手に聞かせて、それがどうした」

「困るんだよな、聞かれたら」

「なら、こんなところでトラブルを起こすな。殆ど当たり屋だぞ、そういうの」

「他言はせんでくれるか」

「すれば殺すか、クククッ」

「度胸があるな。それとも、本気にしてないのか」

「対抗手段があるからに決まってるだろ」

「ほお、その見てくれでな」

「何だ? 若いからか? それがどうした。殺しに年齢は関係あるまい」

「おいおい、お前、まさか経験者かよ」

「何人だったかな、もう忘れたな」

「冗談だろ、その年で複数だと」

「んで、どうするんだ? 経験はどちらが多いかな、クククッ」

「くそ、まさかそんな奴とはな」

「どこの組織だ、グレムリンか? それともレミングか? 」

「ちっ、その筋かよ。はぁぁ……参ったな。シルフだ」


 おいおい、ここにも関連がいるのかよ。

 なんだよそのグループは。

 ほんの冗談で出してみた名前だけど。

 待てよ、ここでこいつから色々聞けば……いけるかもな。

 となれば、オレも何かに成り済まして……だな。


「オレはシックスセンスだ」

「なんだそれ、聞いた事の無い組織だが」

「小さいからな、知名度は皆無だ」

「そうなのか。まあいい、それならそれで提携してくれるか」

「その前に、色々と知りたい事がある」

「ああ、何でも聞いてくれ」


催眠スリープ】【質疑クェスチョン】【暗示インプリント


     ☆


 はぁぁ、やれやれ。


 そんな変な組織に関わる気は無いんでな。

 情報だけもらってさよならさ。

 しかし、何だよその組織。

 絶対、この世界特有の組織だろ。

 下手に絡むとシナリオ関連に繋がりそうで、うっかり手が出せないぞ。


 はっきり言うと、スパイ組織だ。


 グレムリンがアメリカ系、レミングが北欧系、他にも中東系のアリババや、地中海系のイオニアってのがあるらしい。

 そしてシルフってのが古式日本の術者の集まりらしいが、京都が本拠地はいいが、明日から京都に行くってのに参ったな。

 頼むからそんな変な組織の争いに巻き込むなよな。


 オレ達は関係ないんだから、頼むぞ。



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