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さすらいの魔皇子2   作者: 黒田明人
中3 2学期
27/119

27 暗示

 


「ミツ、先にいんどけ。これからはちょいとヤバいんでな」

「お前、大丈夫なのかよ」

「ガッコの姿を真実と思うなよ」

「あれじゃないだろうな。あれじゃ無理だぜ」

「ええから先に帰りぃ」

「あ、ああ」

「ちぃと待ってんか」

「おいコラ、こいつは関係あらへんやろ。それとも何か、このおっちゃんも同類やけど、おんなじように留めるんか? 」

「ああええ、帰したり」

「へいっ」

「また明日、ガッコでな」

「本当に大丈夫なんだろうな」

「心配無いて。ほれ、とっとと帰りぃ」

「あ、ああ。じゃあな」


 よしよし、さっさと帰れよ。

 ふむふむ、1億と2960万か、よしよし。

 おもむろに懐から取り出すのは紙袋。

 札束をバッサバッサと入れる。


「ごっつあんです」

「もうええやろ、こっち来ぃ」

「あいよ」


 さて、ダミーの紙袋と交換してと。


 移動しながら【倉庫マジックボックス】のゴミを詰めておく。

 整理しようと思っていたゴミだけど、異世界じゃ使い道があるかも知れない品。

 早い話が、雑魚系の魔物の素材の端切れやら何やら……この前見たらそんなのがやたらあってよ、うっかり捨てられないから困ってて。


 ちょうど良いから処分してくれよな。


 それはいいが、やはりこうなっちまったか。

 広域系のバクチ場は、稼ぐには手っ取り早いが、大抵はこういう事になっちまう。

 だからヤバいんだけどな。

 そのまま事務所っぽいところに案内され、ドアが締まってカギも閉まるか。


「おうっ、兄ちゃん、そいつな、置いて帰りぃ。ほしたらそのまま帰らせたる」

「ここに置くね」

「えらい素直やな。おし、戸を開けたりぃ」

「へいっ」


 そのままサッサとサッサとサッサと……


「待てコラァ」


暗示インプリント誘導ナビゲート】……そこらのチンピラが引っ張られていく。


 よしよし、クククッ。


 稼いだのはそのチンピラだから、後はよろしく、クククッ。

 ああ、ミツヤの先輩だったか、悪かったな、祝儀じゃなくて変な物で。

 まあ、オレを誘致したのが運の尽きだ。

 後は全員の記憶から飛ばしておけば問題無し。


暗示インプリント誘導ナビゲート


 いきなり赤字になったろうけど、どのみちイカサマ博打だし、問題無いだろ。

 次が00で親の総取りとかって言ってたけど、あれは本当なら賭けられる数字だよな。

 それがやれないって事は、裏方でイカサマをやるって事なんだろうし、それならオレが予測しても似たようなものだ。

 1億2千か、小遣い稼ぎにはなったな。

 まあ、別に金などどうでも良いが、面白いからやっただけさ。

 さてさて、後は帰って寝るだけ……あれ、ミツヤ、何してるんだ。


「あれ、帰らなかったのか」

「お前、大丈夫だっのたかよ」

「兄ちゃん、その金は置いて帰りぃ、そしたらそのまま帰したる」

「はぁぁ、やっぱりそうなるかよ」

「良い経験になったからこれで良し。さあ、帰ろうぜ」

「オレの勝ち分も結局、取りっぱぐれたしよ」

「アーケードゲームの博打と思えば意味は同じだろ。あれも換金出来ないんだし」

「まあ、そう思えばそうだけどよ」

「ラーメン食うか? 」

「そうだな」


 2人してズルズルとラーメンを食い、そのまま旅行の話に【誘導ナビゲート】する。

 後は博打の話は記憶から薄めておけば問題無し。

 むかーし、そういう場所に行って、辛くも逃げ帰ったって記憶な。

 そんな淡い記憶にしておけば、後々蘇っても昔話で終わる。

 あっちも今頃、あのチンピラが災難に遭うだけで、金は何処に行ったやら。


 ごっつあんでした。


 さーて、後は冬休みを待つだけか。

 どんな旅行になるのか、ちょっと楽しみだな。

 あれ、この銘柄、またですかい。

 やれやれ、仕手とかそんなにあるのかよ。

 けどなぁ、またぞろ大金になっちまうと面倒だし、どうすっかな。


 まあ、軽く……それで良いな。


 口座は殆ど抜いて数億しかないし、投資スケジュールを組んでおくか。

 落ちる寸前に売って、次のを買ってと、そのスケジュールを組む。

 やっているうちにまた夢中になり、気付いたら大金投入の派手な介入になっていた。

 そうして仕手らしき銘柄に全力投入するんだけど、推定8850億の資金って……やり過ぎたかも。

 これで来年の2月下旬に売れば良いと。

 しっかし、3月末で425倍ってどうなってんだよ。

 こんなに連続で仕手とか、この国の経済がヤバくならないか?

 そうだな、折角だからこいつに投入するか。

 この株はゆっくりだけど、ひたすらひたすら登るだけっぽいし。


 こういうのが優良株と言うのかな。


 仕手っぽいのが終わる頃には、また派手な資金になるはずだし、そいつをそっくりこれに投入すれば、3年後には40倍ってか。

 また専属さんに調整してもらわないといけなくなりそうだが、折角の専属料だしな。

 ガンガン仕事して貰いましょうか、クククッ。



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