25 特典
「確かにお得になってますね」
「だからさ、ポイント利用で豪華に組みたいんだ」
「そうですね、そうなると……」
12月26日から30日までの4泊5日の関西旅行。
有馬で1泊の後、神戸、京都、大阪と観光し、食い倒れで電気街。
まあそんな感じにザックリと組み、宿はちょっと豪華な感じ。
26日に有馬は温泉がメイン。
27日は神戸で市内観光をやって六甲のホテルに宿泊。
28日は朝食の後、京都に向けて移動。
予約の料亭で昼食を食べて、夜まで観光をしてホテルに宿泊。
明けて29日、大坂に移動して大阪城、昼食の後は水族館と。
夜は食い倒れの後は……さて、どうなるかな。
ミツヤ次第だが、夜の観光があるかも知れん。
んで、その後はホテルに宿泊。
30日は新幹線の時間まで市内観光と、後は電気街で何か買物でもするかって、まあそんな感じ。
ツアーじゃないので時間に余裕があり、渋滞していても何とかなりそう。
全て前払いでポイントで精算し、チケット各種を受け取って準備完了。
後はトラチケの国内版みたいなのもポイントで交換出来るらしい。
あんまりは残ってないが、何でもタクシーにも使えるらしく、市内観光はこれを使おうと思っている。
もちろん、有名店ならどこでも使えるようで、お土産を買うのにも良いかも。
余れば海外版との等価交換もやれるようで、海外に行くならそれも良しと。
春休みは海外か、クククッ。
先の楽しみが出来れば時間は早く進む。
毎日の学校とかはもうただの通過点となり、毎日の話題はそればかりとなる。
そんな頃、頼んでおいた安い財布が届く。
大量の荷物に母親が訝しがるが、消耗品で安かったからで終わらせた。
どのみち、今は親から小遣いすらももらってないんだ。
さーてと、全てのサイフに100万ずつ入れるぞ……と、思ったんだけど、あんまり入らないぞこれ。
安物は安物か。
20万も入れると膨れるので、10万ずつ入れる事にした。
ちょっと安過ぎたかな、参ったなぁ。
まあそれでも8500枚のサイフだから、8億5000万円消費したが。
5億の箱を2つ開けて、端数の1億5000万はバラで使う事にする。
とは言うものの、まだガキだしなぁ。
翌日、ミツヤと久しぶりにゲーセンに行く。
その時に、ミツヤに……
「実はな、また内職してよ」
「いいなぁ、オレもそんなのやりてぇよ」
「お前さ、高校の金、オレが出してやろうか」
「うえっ、そんなにあんのかよ」
「どのみち、就職したら稼げるだろ。だからな、追加で貸すから心配するな」
「ならよ、後100万、ぐらい、かな」
「ピッタリにしとこうぜ」
「おいおい、それってもしかして」
「追加で700貸してやる」
「お前、そんなにどうやって稼いだんだよ」
「そのうち教えてやるが、今はまだ無理だな」
「何か訳があるんだな」
「成人するまで待て、今は違法だ」
「ああああ、お前、やっぱり」
「中に入る必要なんて無いんだよ。場外って手があるだろ」
「それでかよ。しっかしよぅ、そんなに当たるもんなのかよ」
「全ては情報とデータだな」
「お前、ガッコの勉強より、そんな事ばかりやってたんだな」
「だってよ、オレの小遣い少ないんだし」
「今でも1500円なのかよ」
「今は0円だ」
「うえっ、くれないのか」
「親に貸しているぐらいだしな」
「マジかぁぁ」
よしよし、巧く消えているな。
余計な情報を漏らす親とか、本当は邪魔なんだけど、こうやって調整すれば問題無しと。
やれないから排除を考えるんであって、やれるならスルーすれば良いだけだ。
宝くじ関連の情報はもう、ミツヤの頭には無い。
だからチャリで儲けたって思わせておけば問題無しと。
そんなこんなでゲーセンに到着し、ミツヤは早速燃えまくる。
スポンサーはオレだ。
万札を千円札に両替し、それをそのまま100円玉にする。
ズボンのポケット両方に、たっぷりと入れてミツヤの応援。
クレジットにジャラジャラ入れてやれば、ちょっと呆れ顔。
「お前、それはやり過ぎだろ」
「さあ、50クレジット、やってみよう」
「どんだけ稼いだんだよ」
「くっくっくっ」




