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さすらいの魔皇子2   作者: 黒田明人
中3 2学期
25/119

25 特典

 


「確かにお得になってますね」

「だからさ、ポイント利用で豪華に組みたいんだ」

「そうですね、そうなると……」


 12月26日から30日までの4泊5日の関西旅行。

 有馬で1泊の後、神戸、京都、大阪と観光し、食い倒れで電気街。

 まあそんな感じにザックリと組み、宿はちょっと豪華な感じ。


 26日に有馬は温泉がメイン。

 27日は神戸で市内観光をやって六甲のホテルに宿泊。

 28日は朝食の後、京都に向けて移動。

 予約の料亭で昼食を食べて、夜まで観光をしてホテルに宿泊。

 明けて29日、大坂に移動して大阪城、昼食の後は水族館と。

 夜は食い倒れの後は……さて、どうなるかな。

 ミツヤ次第だが、夜の観光があるかも知れん。

 んで、その後はホテルに宿泊。

 30日は新幹線の時間まで市内観光と、後は電気街で何か買物でもするかって、まあそんな感じ。


 ツアーじゃないので時間に余裕があり、渋滞していても何とかなりそう。

 全て前払いでポイントで精算し、チケット各種を受け取って準備完了。

 後はトラチケの国内版みたいなのもポイントで交換出来るらしい。

 あんまりは残ってないが、何でもタクシーにも使えるらしく、市内観光はこれを使おうと思っている。

 もちろん、有名店ならどこでも使えるようで、お土産を買うのにも良いかも。

 余れば海外版との等価交換もやれるようで、海外に行くならそれも良しと。


 春休みは海外か、クククッ。


 先の楽しみが出来れば時間は早く進む。

 毎日の学校とかはもうただの通過点となり、毎日の話題はそればかりとなる。

 そんな頃、頼んでおいた安い財布が届く。

 大量の荷物に母親がいぶかしがるが、消耗品で安かったからで終わらせた。

 どのみち、今は親から小遣いすらももらってないんだ。

 さーてと、全てのサイフに100万ずつ入れるぞ……と、思ったんだけど、あんまり入らないぞこれ。


 安物は安物か。


 20万も入れると膨れるので、10万ずつ入れる事にした。

 ちょっと安過ぎたかな、参ったなぁ。

 まあそれでも8500枚のサイフだから、8億5000万円消費したが。

 5億の箱を2つ開けて、端数の1億5000万はバラで使う事にする。

 とは言うものの、まだガキだしなぁ。


 翌日、ミツヤと久しぶりにゲーセンに行く。

 その時に、ミツヤに……


「実はな、また内職してよ」

「いいなぁ、オレもそんなのやりてぇよ」

「お前さ、高校の金、オレが出してやろうか」

「うえっ、そんなにあんのかよ」

「どのみち、就職したら稼げるだろ。だからな、追加で貸すから心配するな」

「ならよ、後100万、ぐらい、かな」

「ピッタリにしとこうぜ」

「おいおい、それってもしかして」

「追加で700貸してやる」

「お前、そんなにどうやって稼いだんだよ」

「そのうち教えてやるが、今はまだ無理だな」

「何か訳があるんだな」

「成人するまで待て、今は違法だ」

「ああああ、お前、やっぱり」

「中に入る必要なんて無いんだよ。場外って手があるだろ」

「それでかよ。しっかしよぅ、そんなに当たるもんなのかよ」

「全ては情報とデータだな」

「お前、ガッコの勉強より、そんな事ばかりやってたんだな」

「だってよ、オレの小遣い少ないんだし」

「今でも1500円なのかよ」

「今は0円だ」

「うえっ、くれないのか」

「親に貸しているぐらいだしな」

「マジかぁぁ」


 よしよし、巧く消えているな。


 余計な情報を漏らす親とか、本当は邪魔なんだけど、こうやって調整すれば問題無しと。

 やれないから排除を考えるんであって、やれるならスルーすれば良いだけだ。

 宝くじ関連の情報はもう、ミツヤの頭には無い。

 だからチャリで儲けたって思わせておけば問題無しと。

 そんなこんなでゲーセンに到着し、ミツヤは早速燃えまくる。


 スポンサーはオレだ。


 万札を千円札に両替し、それをそのまま100円玉にする。

 ズボンのポケット両方に、たっぷりと入れてミツヤの応援。

 クレジットにジャラジャラ入れてやれば、ちょっと呆れ顔。


「お前、それはやり過ぎだろ」

「さあ、50クレジット、やってみよう」

「どんだけ稼いだんだよ」

「くっくっくっ」



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