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さすらいの魔皇子2   作者: 黒田明人
中3 2学期
23/119

23 記憶

ついに彼の記憶の封印が解けます。

 


 【倉庫マジックボックス


 んな、何だと……嘘、何この……おいおい、冗談だろ。

 何だこの大量の串肉は。

 串肉? 待てよ、うっ、頭が、くっ……オレは、オレは……この記憶は……オレは……あれから、どれぐらい。


      ☆


 はぁぁ、参ったな。


 熟練者による転生もどきってか。

 すっかりこの世界の存在と思い込んでいたな。

 しっかし、冗談で唱えた魔法と、大量に拵えていた串肉で解けるとは、何とも皮肉な事だな。

 まあなぁ、数百年の間、ひたすら毎日拵えていた串肉だし、その思い入れもでかいって事かもな。


 てかさ、この中に金が入っているんだよな。

 富豪君の口座から、5億の箱が200箱。

 1000億あればもう要らないようなものだけど、折角の枠だから99999まで入れておいても良いような。


 最悪、火にくべると燃料になるしな。


 そうと決まれば、とっとと下ろすぞ、ネトギンの金。

暗示インプリント】全開で下ろしまくってやる。

 おっと、竹やぶの中の死体、【倉庫マジックボックス】に入れとこうかな。

 まあいいか、何かあれば【暗示インプリント】で逸らせば。

 スキルが戻れば何も怖くは無い。


 やれやれ、今まで色々不便だったが、もう大丈夫だな。


 それにしても、色付きオーラとか予知とかってな、固有スキルになるのかな。

 体験の恩恵なのかも知れんが、もらえる物は何でももらうぞ。

 もっとも、オーラの色とか見なくても、雰囲気で分かるけどな。

 まあ、予知のほうに絡んでいるから、それはそれで便利なスキルだ。

 精々、有効利用させてもらうぞ。


 おっと、その前に、【倉庫マジックボックス】の血液で補給だ。


 樽でわんさかあるんだし、ここは1樽そっくり飲んじまおう。

 んぐっ、んぐっ、んぐっ……ゴクッゴクッゴクッ……ゴクゴクゴク……はぁぁぁ、堪能した。

 腹八分で止めておかないと、また長期睡眠になると拙いってか。

 でもあらかた飲んじまったな。

 はぁぁ、いい気持ちだぜ、はふうっ……おっと、匂い消し。


 すっぺぇぇ……


 どうにもおかしいと思ったら、封印が解けているじゃねぇか。

 だからとんでもない力になっているんだよ。

 ああ、またなめくじ生活になるのかと思うと嫌になるが、勝手に解くなよな。


 う、動け、ん……


 今はまだここの人間として動く必要もあるし、控え目な封印を心がけよう。

 どんな役回りかは知らんが、特に制限も無いようだし、好きに動かせてもらうぞ。

 それにしてももうじき冬休みか。

 ミツヤと旅行にでも行こうかな。

 冬の温泉とか、良いよな、じんわりしてさ。


 あいつはこの世界の存在みたいだけど、気の良い奴だからしばらく付き合うさ。

 そうだな、あいつが死ぬまで付き合っても良いと思うぐらいだな。

 何、ほんの100年ぐらい、軽いものさ。

 ああ、ミツヤの一生に付き合ってやろうな。

 こういう体験も新鮮だったけど、記憶が無いのは本当に大変なんだな。


 しっかし、今気付いて良かったぞ。


 あんな死体の始末の仕方とか、続けていたら破綻していたところだ。

 まあこれからは自前があるから特に殺す事もあるまいし、魔石舐めてれば幸せと。

 お……うん、やっぱりこいつは美味い。

 まだまだ大量にあるんだし、口寂しい時にはこいつを舐めよう。

 さてさて、母親に軽い【暗示インプリント】でトラブルが終わったってやっとこう。

 あんな雰囲気のままじゃ、どうにも家の中が暗いもんな。

 ダメ元で宝くじを買って、ちょうど損失補てんになったって【暗示インプリント誘導ナビゲート】で……よしっと。


 お、雰囲気回復と共に、オーラの色が青っぽく……よしよし。


「おはよう、コーちゃん」

「おはよう、お母さん」

「最近、起こさなくても、ちゃんと起きれるようになったわね」

「もうじき高校生になるしね」

「頼もしいわ」

「店はどんな調子? 」

「お父さんも頑張っているし、少しずつだけど何とかね」

「前途有望かなぁ」

「これからよ、少しずつ少しずつ」

「あのさ、オレさ、もし、近くの高校に行けたとしてもさ、独り暮らしってやってみたいんだけど、そういうのダメかな」

「そうね……お金が足りるようならやってみても良いかしら」

「それは問題無いよ」

「あら、もしかして、また? 」

「えーと、あはは」

「うーん、あんまりはダメよ」

「まあ、浮いているほうだし」

「そうね、でも、癖にだけはしない事。良いわね」

「了解っす」

「あらあら」


 本当に放任と言うか、これは信じているほうか。

 世には競馬の天才とかも居るんだし、その手の類って思っているのかも知れん。

 親に借りるならまだしも、貸しているほうだしな。

 だから余計に言えないんだろうけど、それを差し引いても信じる心はありがたい。

 しっかしさぁ、記憶が無かった頃はすっかりやさぐれて、人外の意識でやっていたな。


 あのままだと本当に、誰でも殺すヤバい奴になっていたぞ。


 こんな平和な世界で連続殺人とか、起こしてんじゃねぇよ、自分、はふうっ。

 それにしても、グレムリンとかレミングとかシルフとか、ありゃ一体何の事だ。

 事によると、チーマーの関連かも知れんが、そんなのと付き合うつもりはねぇぞ。

 組織の振りをしたが、これからはもうそんな必要も無い。

 おとなしくこの世界の体験をしていけば良いだけだ。


 もう波乱万丈は要らないぞ。


 当分、静かに過ごすつもりなんだからよ。

 大体よ、元の世界でも神様から嫌われなければ普通に一生を送っていたはずだ。

 だからな、ここでやり直しって訳じゃないけど、そういう機会に巡り合ったって事で、このまま良いだろ、別によ。



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