表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さすらいの魔皇子2   作者: 黒田明人
中3 2学期
22/119

22 暗躍

 

 

 深夜の山手の竹やぶの中。

 担いできた警官を投げ下ろす。

 まだ息があるようなので、事情を説明させよう。


「おい、起きろ」

「う……くそ、放せ」

「何処の組織の者だ。オレの家族に手を出すとは、良い度胸じゃねぇか」

「なっ、まさか、こんなガキが」

「このまま死ぬか、素直に話すか、2つに1つだ」

「警官を殺すと罪が重い事は……ちっ、知っての事か」

「それは発覚すればの事だろ。死体は組織が始末する。発覚は無いさ」

「シルフだ」

「対抗組織か、運が無かったな」

「待て、レミングなら移籍してもいい。だから殺さないでくれ」

「残念だよ」

「まさか、グレムリンなのか。あんなところがお前を? そんな……ぐっ、たの、ころ、いっ」


 これはいかんな。


 本物か中二病か分からんぞ。

 まさかそんな組織がこの国にあるとも思えんが、現職の警官が死に瀕して嘘を吐くと言うのも考え難い。

 かと言ってなぁ、何だよ、グレムリンとかレミングとかシルフとか、ファンタジー脳かよ。


 もういい、飲んじまおう。


 ああ、至福のこの時、堪らんな。

 そこらの竹を引き抜いて穴に投棄して元に戻す。

 確かに地下で繋がっている竹だけど、今のオレの力で引き抜けば、そこらの竹ごと抜けるもんだな。

 さあ、死体を見つけるのが大変だぞ。

 繋がっている根の下に埋めたから、そこらの竹を抜かないと取れないぞ。


 さて、この200万は元はオレの金。

 返してもらったからな、クククッ。

 はああ、いい気持ちだねぇ。

 自販機でジュースを買わないと……レモン味のこれこれ。


 すっぺぇぇ……


 あの私立探偵に追い付き、追加料金で調査を依頼。

 グレムリンとレミングとシルフの事。

 まあ、念の為ってところかな。


「あいつはどうなった」

「世界から消えた」

「そうか」

「足りるか? 」

「ああ、何とか調べてみよう」

「頼むな、では」

「戻れない、か」

「無理だな」

「そうか」


      ☆


 翌日、まだ黄色い母親のオーラだが、連絡途絶で青くなってくれると良いんだがな。

 しかし、万引きってどういう意味だ。

 金が無い訳でもあるまいし。

 いや、もしかして無いのか?

 へそくりが無いのかも知れない。


 素知らぬ振りして母親に、不足分の300万を渡しておく。

 これで何とかなると言っていたけど、受け渡しの男はもうこの世に居ない。

 連絡途絶でその金、どうするのかな。

 まあ、オレはまた下ろして来るけど、足りなければまた貸してやるよ。


 帰りに別支店でまた500万下ろす。

 もう、自分で使う事にならないぞ。

 とりあえず引き出しに入れておこう。

 また足りないとか言うと困るしな。


 口座残金1600万ほどか。

 もう毎回銀行とか面倒でいかんな。

 あーあ、こんな時にマジックボックスとかあると便利なのにな。

 ファンタジー脳が移ったかな、クククッ。


 でもなぁ、あると良いよなぁ。


 こんなところ、人には見せられないけど、今は幸い部屋の中だ。

 ああ、あると良いよな、マジックボックス……


 せーの。



中二病のようですが。せーの……ううう、出ないよぅ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ