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エピローグ 2

 

 オレはマスター直属の部下って事になっていて、ダンジョンの存在って事になっている。

 だからオレがダンジョンの外で存在を抹殺すれば、それがそのままダンジョンの収益になる。

 強敵を殺せば殺す程、ダンジョンの収益は伸び、他のダンジョンを踏破する事で、そいつが持っていたポイントをそっくり戴ける。

 踏破の方法はコアに触れる事無く、そのまま破壊する事だ。

 うっかり触れるとミツヤみたいに権利の移行が発生してしまう。

 そうならないように、コアは確実に破壊する事だ。


 そしてミツヤには、ポイントを稼いでくると言ってダンジョンを出たんだけど、ポイントが溜まれば色々改造もしてみたいと言っていたので、オレはしばらく殺戮の旅に出る事になった。

 ミツヤの言によると、ゴブリン1匹で1ポイント獲得らしく、5匹殺して聞くと5ポイントの収益って言っていた。

 それから色々と調べた結果、強い敵を殺す程にポイントの収益が高くなるのが分かったと。


 オークだと3ポイントになり、それがオーガになると8ポイントになるようだ。

 もちろん、オークキングになると30ポイントになり、オーガキングになると80ポイントになる。

 上位種が倍、その上が元の5倍、最上位が元の10倍と言うのが決まりのようだ。

 ロックドラゴンだといきなり1500ポイントになり、ファイヤードラゴンに至っては4500ポイントになっていた。

 ワイバーンなんかは下級竜って位置取りだけど、倒しても200ポイントぐらいしか貰えないようだ。


 それでもある山の群れを全滅させたら、いきなり48000ポイント獲得だぜぃ……なんて言っていたからかなりの群れだったようだ。

 そんなこんなでオレは世界を飛び回り、ありとあらゆるモンスターを殺していった。

 中には迷宮もいくつかあり、中のモンスターは全て殺し、迷宮も討伐したんだけど……


 この世界のモンスターは素材を色々なアイテムに活用するようで、解体して売ればかなりの金になるようだ。

 そういうシステムもかつて体験した世界によく似ていて、通貨まで同じだった。

 つまりかつて故郷と定めた世界と同系列な世界って事になる。

 恐らく管理がこの世界を作るにあたり、基本構造を借りたんだろうな。

 まあそういうのはよくある話のようで、だからこそこの手の世界の通貨は共通になっている事が多い。


 それはともかく、オレ達は2つの迷宮を討伐し、あらゆるモンスター討伐依頼をこなしたAクラス冒険者って事になっている。

 ここで問題になるのがオレ達……ある4人グループにオレが参入した時、そいつらはDクラスに長く留まるグループだったんだ。

 その内訳は、斥候2、回復2って全く火力の無いグループだったんだけど、それには理由があった。

 元々、前衛3、斥候2、回復2の7名で構成された、前途有望と言われていたグループだったらしい。

 彼らは同じ村出身の者達で、それだけに団結力も高く、お互いを信頼した作戦もこなせる万能型と呼ばれるグループだったらしい。


 だが、肝心の前衛3人が脱退した事が不幸の始まり。


 どうやら村の有力者の息子がグループを結成するにあたり、権力で無理矢理引き抜いたとか。

 故郷の家族を引き合いに出されては彼らも逆らえず、せめて家族への恩恵をと、その約束のまま、仕方なく別れる事になったとか。

 前衛3人が男、斥候も回復も女で構成されていて、その権力者の息子はグループへの参入を最初は企てたんだとか。

 だけどリーダーが回復職のある女性で、そいつだけは権力の及ばない存在だったが為に、それが不首尾に終わり、引き抜きになったとか。


 オレが彼女達と出会ったのは、ある迷宮の浅階層。


 彼女達は浅い階層を探索し、モンスターを避けて宝物を獲得するトレジャーハントを主にやっていて、その時たまたま特殊湧き……迷宮で稀にある、変移種モンスターのポップ……に遭遇し、斥候が少しずつ削り、回復職がそれを回復し、魔法で幻惑しと色々やったが力尽き、MP切れになっての絶体絶命で、あわやってところでオレが倒したんだけど……

(あれ、横殴っちまったか、悪い……いえ、助かりました……まあいいや、そいつ、あんたらの獲物なんだろ、だから権利は放棄するからよ、じゃあな……待ってください)


 彼女達は命の恩人だと言い、獲物の権利は放棄するうえに、お礼がしたいとか言うもんで、まあそれを無碍に断るのもなんだと、そのまま迷宮を出たんだ。

 んで解体してある程度の金になったんだけど、どうしても分配すら受け取らず、更にはメシまで奢ると言われて食事をする事になり、そのまま彼女達のアジトと言うか、暮らしている家にお邪魔する事になり、料理を作ると言うから手伝いをして、その手際がやたら良いとか言われているうちに馴染みみたいになって、色々事情を聞く事になった結果、しばらく同行する事になったんだ。


 オレは宿に泊まると言ったんだけど、家に泊まれと勧められてそのまま寝る事になり、毛布を抱き枕に眠ったんだけど、翌日の彼女達の態度がやけに好意的になっていたんだ。

 後から聞いた話だけど、彼女達はオレを色々テストしていたようで、その全てに合格したらしい。


 彼女達の家には風呂があり、彼女達は風呂上りに薄着で部屋をうろうろしていたんだけど、それもテストの一環だと分かったんだ。

 オレは風邪引かなきゃ良いと思ってんだけど、どうやら色目のテストだったらしい。

 後は毛布を抱き枕にして寝ていた事だけど、オレの両横に2人ずつ女が寝ていて、オレは中央でそうやって寝ていたんだ。

 そのオレを抱き枕にしたのは彼女達だけど、オレはそのまま朝まで熟睡になったんだ。

 起きたらすっかりメンバーとして認められていて、そのまま申請に及んで彼女達の一員になった。


 オレは魔法剣士って事になっていて、だから魔法も使える事になっている。

 野宿ではその能力を発揮し、風呂の係はオレの役目だ。

 彼女達は風系と光系の回復職のようで、火は殆ど使えないらしく、精々が種火にするぐらいらしい。

 オレの系統と聞かれ、メインは土で火と水が少し使えると答えてたんだけど、どうやらこの世界では土系の印象はかなり悪いらしい。


(え、土? い、いえね、それが別に悪いって訳じゃないのよ……そ、そうよ、貴方には剣の腕もあるんじゃない……そうそう、だからそれを悲観する事は無いのよ……そうそう、それに君は料理の腕もあるんだし)


 そんな感じでもう、最初は腫れ物に触れるかの如くだったんだけど……


(あーあ、今日も野宿か。早く帰ってお風呂入りたいわ……そう言わないの。ちゃんと川もあるんだし。ねえ、キルト、あんたも水浴びするでしょ。一緒にどう?……またそんな事を言って、誰かに見られたら誤解されるぞ……あはは、キルトなら良いのよ……そうそう、君はアッチの趣味なんでしょ……何だそれは。オレはちゃんと女は抱くぞ……じゃあアタシらはどうなのよ。女って見てないって事になるじゃない……なら今日は抱いてやるぞ……あらあら、本気かしら……その為にも身体は綺麗にしないとな。せーの【風呂バスメイク】……え、何、それって、え、まさか……後はこうだ【放水ウォーター】んでもって【湯沸ウォート】後は周囲に壁を【構築コンストラクション】ってね。はぁ、疲れた。先に入るぞ……え、ええ……凄いわ。まさか土系にこんな)


 それから野宿の風呂はオレが造る事になり、そのうちに一緒に入る事になり、なし崩しのように一緒に寝る事になったんだ。

 とは言うものの、オレは彼女達を抱き枕にして眠るだけであり、すっかり安全パイに思われているようである。


(キルトって不思議な子よね……うん、まさか一緒に寝て男を感じないとは思わなかったわ……そうそう、てっきりアッチの流れになると思ってたんだけど……アタシら、もうキルトなら構わないと思ってたのに、まさか熟睡されるとはね……アタシらのほうが変に意識しちゃって。あれは男の範疇じゃないわ……あはは、そうね。だけど良いんじゃない? そのほうが……でもさぁ、16才であれは拙いんじゃないかしら……そうね、アッチの年齢は6才ね……うんうん、そんな感じ。アタシ、あの子の母親になった気分だったもの……ああ、それ言える。アタシもそんな感じだったし……いずれはそうなるにしても、今はこれで良いよね……うん、アタシはそれで良いわ)


 そんなこんなで彼女の一員となったのは良いんだけど、邪推する雑魚は何処にでもいるようだ。

 オレがその町の冒険者に登録して数ヵ月後、彼女達のグループの一員になったんだけど、その立ち位置を狙っていた雑魚もかなり居たらしい。


「おい、てめぇ。どうやって取り入った? 」

「ふふん、そりゃやっぱり夜の実力さ。オレの実力に彼女達は満足してるぜ」

「あんだとてめぇ。くそぅ、オレのマリアぁぁぁ」

「あの瑞々しい肌、柔らかい髪、ふふん、見た事も触った事もねぇだろ、クククッ」

「ま、まさか、てめぇ、毎晩」

「もちろん全員な」

「くそぅぅぅぅぅぅ」


(くすくす、あれってお風呂での話よね……キルトって髪洗うの丁寧で優しいのよね……うんうん、それにマッサージも上手でさ、もう手離せないわ……まさか色抜きで男とお風呂に入れるとは思わなかったわ……彼だけよ……そうね。でも、彼はアタシ達のモノ。誰にも渡さないわ……それは当然ね)


 あいつらまともにトリートメントもしてなくて、最初は髪もかなり荒れてたんだ。

 肌もガサガサになっていて、だけど今はかなりの美人さん揃いになっている。

 素地は良いのに手入れをしてなくて、だから磨いたら派手に輝く事になっちまったんだ。

 それぐらいから町の知名度が派手に上がり、それに伴って上のクラスの依頼も確実にこなすようになり、あれよあれよと言う間にクラスアップに及び、それをあっさりとクリアして今ではAクラスになっていると。


 

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