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トーマスと天才ロボット

過去編がまわりで流行ってるから書いた。今回もシリアス風味

 ―昔の話をしようか。

 トーマスがまだ高校生だった頃の話だ。物凄く頭の良かった彼は、毎日退屈していた。そんな彼に政府はロボットを作る権利を与えた。これが世界で初めて、科学者一人にたいし、ロボット一体の権利が作られた奇跡の瞬間だった。

 トーマスのロボットは女の子のような、男の子のようなどちらとも言えない可愛らしい人型のロボットだった。純白の髪と青空を写し取ったような瞳。人工知能に、後にリックが使う、KOKOROシステムの原型をつけたトーマスの暇潰しの相手ロボットだ。名前はElenといった。

そして、彼と一体のロボットの生活が始まった。

 「トーマス!歌!歌うの!!」

Elenは歌うことが大好きだった。とくにロック系。ギターがお気に入りらしい。トーマスも中学の時にバンドに憧れて、仲間と結成したことがある。その時にイベントで配布したCDをElenに聴かせていた。今でこそ色々な歌いかたができる彼も最初は音痴で拙かった歌声だったのだ。

「ボロアパートで暴れないでくれよ……他人様に迷惑がかかるだろ?」

「じゃあ、引っ越そう!」

「馬鹿。金がないからアパートでもやし食って生きてんだよ」

政府に頼ればもっと良いとこで良い物も食べることができるかもしれない。しかし彼が望んだことはそんな小さなことでは無かった。

「仕方ない……Elenには大学をやめてもらうしか」

「それは嫌ぁ!!」

Elenは、リック・ト・エレクの名でトーマスと同じ大学に通っている。これ以上わがままを政府に押し付けるわけにはいかないため、トーマスは大人しく生活しているのだ。

「私もロボット欲しい!トーマスに似てるの」

「俺がいるからいいだろ……てか、ロボットがロボット持ってどうすんだよ!!」

そんな楽しい時間がずっと続くと思っていた。しかし、幸せがあれば不幸もある。Elen、否リックは大学で、自分のバックアップ用のロボットを作り上げた。その時から様子がおかしくなったのだ。

「痛い!痛いよ!!……助けて」

電流がElenの頭のまわりを流れている。Elenは叫び、呻き声をあげ、トーマスに助けを求めた。しかし、この症状はトーマスのいないときにおきるのだ。Elenの頭の中に直接、知らない人の声が響く。

―世界を滅ぼし、新しい世界の始まりを迎えるのだ。と


 必死にその声に反抗し、大学院を卒業後、リックは博士号の称号とともに、手紙を置いてトーマスのもとから離れていった。

 今から三年前に彼は、自分に対抗できる、唯一のロボットを作ることに成功した。ロボットとの生活は昔の自分達を見ているようで涙が溢れることもあった。もし、あのとき出ていかない選択をしていれば幸せになれたのかもしれないとも思った。人類の未来をとるか、新世界を望むかはまだ彼にとって遠いお話。



 「買い物なんて、久しぶりー!そうだ!父さんに似合う服でも探してあげようか?」

「ハハッ、それは嬉しいね」

二機のロボットが車で都会に向かっていた。そこには昔住んでいたボロアパートがある。そこを通り過ぎれば、大型ショッピングモールが見える。

そこで買い物をする予定だ。

次回、買い物をしていたら変な組織とばったり遭遇!!どうする二人とも!!

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