FILE:1天使とおばけ
目が覚めると、真っ白い場所にいた。よく見ると、病室だ。ベッドで、寝ていたわけではなく、真ん中につっ立っていたのだ。
状況がわからず混乱しながら、ふと、振り返って見たら、自分が、寝ていた。ベッドで。
ますます混乱していると、次は、声をかけられた。後ろから。すぐさま振りかえるが、誰もいない・・・。
すると、足元から、声をかけられた。目線をおろす。かつて想像したことのない生物が、足元にいた。 どう表したら、いいのだろう。とりあえず姿は人間の赤ちゃんが一番近い。・・・と思う。なんというか、二頭身なのだ。その上顔がびろーんって横に伸びた感じ。そして目が超パッチリ。顔の半分以上が目なんですかっ?ってぐらい。例えると漫画よくある感じ。あっ・・・これナイス。漫画から、そのまま出てきた感じ。
「ねぇ、貴方。」
未だに状況が掴めてない私にその変な物体はいきなり声をかけてきた。
「う・・・わ・・こ・・来ないで・・・・おばけぇ・・・・」
心の準備ができてなかった私は、とりあえず言いたい事だけ言った。
「こ・・この私をおばけですって!?貴方はどういう頭をしてらっしゃるの!?」
・・・よく分かんないけど、物事は悪い方向へ進んでいるようだ。でも、私は密かに“おばけ”なんてぴったりだと思った。ここまで漫画チックでいられると、もうおばけでしかない。こっちとしてはかなり恐い。だがおばけ(こっちでは勝手にそう呼ぶ事にする)は、自らをこう名乗った。
「私はおばけなんて下品なな物ではなくてよ。私は天界きた、天使よ。」
てっ・・・天使!?おばけじゃなくて!?たが、そいつは私に考える暇を与えず、続けてこう言った。
「だいたいおばけって貴方の事じゃないの。」
目の前が真っ白になった。